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JP2001328259A - インクジェット記録ヘッドの駆動方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの駆動方法及びインクジェット記録装置

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Publication number
JP2001328259A
JP2001328259A JP2000146992A JP2000146992A JP2001328259A JP 2001328259 A JP2001328259 A JP 2001328259A JP 2000146992 A JP2000146992 A JP 2000146992A JP 2000146992 A JP2000146992 A JP 2000146992A JP 2001328259 A JP2001328259 A JP 2001328259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
driving
voltage change
change process
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000146992A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Okuda
真一 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2000146992A priority Critical patent/JP2001328259A/ja
Priority to PCT/JP2001/004114 priority patent/WO2001087617A1/ja
Priority to US10/276,405 priority patent/US6702414B2/en
Publication of JP2001328259A publication Critical patent/JP2001328259A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/04501Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits
    • B41J2/04588Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits using a specific waveform
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/04501Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits
    • B41J2/04581Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits controlling heads based on piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】装置コストや装置サイズの増加及び信頼性や製
造歩留まりの低下を招くことなく、滴径15μm以下の
微小滴吐出を可能とする。 【解決手段】圧電アクチュエータを駆動する駆動波形
は、立ち下げ時間tで圧力発生室を膨張させる第一電
圧変化プロセス31と、時間tのあいだ電圧を保持し
た後、立ち上げ時間tで圧力発生室を急激に収縮させ
る第二電圧変化プロセス32と、その直後に圧力発生室
を急激に膨張させる第三電圧変化プロセス33と、さら
にその直後に圧力発生室を圧縮する第四電圧変化プロセ
ス34を含み構成される。ここで、tおよびtが下
式の条件を満たすように設定する。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特に、ノズルから微小なインク滴を吐出
して文字や画像の記録を行うインクジェット記録ヘッド
の駆動方法及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来技術】ノズルから微小なインク滴を吐出して文字
や画像の記録を行うインクジェット記録装置において
は、例えば特公昭53−12138号公報や特開平10
−193587号公報等で開示されているように、イン
クが充填された圧力発生室内に、電気エネルギを振動等
の機械的エネルギに変換する圧電アクチュエータ等のよ
うな駆動体を用いて圧力波(音響波)を発生させ、その圧
力波によって圧力発生室に連結されたノズルからインク
滴を吐出させるドロップオンデマンド型インクジェット
がよく知られている。
【0003】図13は、上記公報などで公知のインクジ
ェット記録装置における記録ヘッドの一例を示す図であ
る。圧力発生室61には、インクを吐出するためのノズ
ル62と、共通インク室63を介してインクタンク(図
示せず)からインクを導くためのインク供給路64が連
結されている。また、圧力発生室の底面には振動板65
が設けられている。
【0004】インク滴吐出時には、圧力発生室61外部
に設けられた圧電アクチュエータ66によってこの振動
板65を変位させ、圧力発生室61に体積変化を生じさ
せることにより、圧力発生室61内に圧力波を発生させ
る。この圧力波によって、圧力発生室61内に充填され
ていたインクの一部がノズル62を通って外部に噴射さ
れ、インク滴67となって飛翔する。飛翔したインク滴
は記録紙等の記録媒体上に着弾し、記録ドットを形成す
る。こうした記録ドットの形成を、画像データに基づい
て繰り返し行うことによって、記録紙上に文字や画像が
記録される。
【0005】この種のインクジェット記録ヘッドで高い
画像品質を得るためには、吐出するインク滴の径を非常
に小さく設定することが必要となる。すなわち、粒状感
の少ない滑らかな画像を得るには、記録紙上に形成され
る記録ドット(画素)をできるだけ小さくすることが必
要であり、そのためには吐出するインク滴の径を小さく
設定しなければならない。
【0006】通常、ドット径が40μm以下になると画
像の粒状感は大幅に低下し、さらに30μm以下になる
と、画像のハイライト部においても個々のドットが目視
で認識しづらくなるため、画像品質は飛躍的に向上す
る。インク滴径とドット径の関係は、インク滴の飛翔速
度(滴速)、インク物性(粘度、表面張力)、記録紙種類
などに依存するが、通常、ドット径はインク滴径の2倍
程度となる。従って、30μm以下のドット径を得るた
めには、インク滴の径を15μm以下に設定する必要が
ある。なお、本明細書において、滴径とは、1回の吐出
で排出されるインク総量(サテライトを含む)を1つの
球状の滴に置き換えた場合の直径を意味するものとす
る。
【0007】インク滴径を減少させる最も有効な手段と
しては、ノズル径の減少が挙げられる。しかし、製造技
術的な限界、およびノズル目詰まり等の信頼性の問題か
ら、実際に使用できるノズル径は20〜25μm程度が
下限であり、ノズル径の減少のみによって15μmレベ
ルのインク滴を得ることは困難である。そこで、駆動方
法によって吐出インク滴の滴径を減少させる試みがなさ
れ、これまでに、いくつかの有効な方法が提案されてい
る。
【0008】インクジェット記録ヘッドで微小滴の吐出
を実行するための駆動方法としては、吐出直前に圧力発
生室を一旦膨張させ、ノズル開口部のメニスカスを圧力
発生室側に引き込んだ状態からインク滴の吐出を行う駆
動方法が知られている(例えば特開昭55−17589
号公報)。この種の駆動方法で用いられる駆動波形の一
例を図14に示す。なお、駆動電圧と圧電アクチュエー
タ動作との関係は、アクチュエータの構造や分極方向に
よって異なるが、本明細書においては、駆動電圧を増加
させると圧力発生室の体積が減少し、逆に駆動電圧を減
少させると圧力発生室の体積が増加するものとする。
【0009】図14の駆動波形は、圧力発生室を膨張さ
せるための電圧変化部141と、次いで圧力発生室を圧
縮し、インク滴の吐出を行うための電圧変化部142に
よって構成されている。図15は、図14の駆動波形を
印加した際におけるノズル開口部のメニスカスの動きを
模式的に表わした図である。初期状態においてメニスカ
スは平坦な形状をしているが(図15(a))、吐出直
前に圧力発生室61を膨張させると、メニスカスの中央
部分が圧力発生室61側に引き込まれて、図15(b)
に示すような凹状に窪んだ形状となる。
【0010】この状態から、電圧変化部142によって
圧力発生室61を圧縮させると、図15(c)に示すよ
うに、メニスカスの中央部分がノズル41の外側に飛び
出して細い液柱43が形成される。そして、図15
(d)に示すように、この液柱43の先端部分が分離し
て、インク滴44が形成される。
【0011】このときのインク滴44の滴径は、形成さ
れた液柱43の径とほぼ同じで、ノズル41の径よりも
小さい。すなわち、こうした駆動方法を用いることによ
り、ノズル径よりも小さなインク滴を吐出することが可
能となる。なお、上記のように、吐出直前のメニスカス
形状を制御して微小滴吐出を行う駆動方法のことを、本
明細書では以下、「メニスカス制御方式」と呼ぶ。
【0012】上述のように、メニスカス制御方式を用い
れば、ノズル径よりも小さな径のインク滴を吐出するこ
とが可能となる。しかし、図14のような駆動波形を用
いた場合、現実に得られる滴径は25μm程度が限界で
あり、近年益々高まりつつあるさらなる高画質化の要求
に十分応えることができないといった問題があった。
【0013】そこで本発明者は、さらに微小な滴の吐出
を可能とする駆動方法として、図16に示すような駆動
波形を特願平10−318443号において提案した。
この駆動波形は、吐出直前にメニスカスを引き込むため
の電圧変化部151、圧力発生室を圧縮して液柱を形成
するための電圧変化部152、液柱先端部から滴を早期
に分離させるための電圧変化部153、およびインク滴
吐出後に残存する圧力波の残響を抑制するための電圧変
化部154によって構成されている。
【0014】すなわち、図16の駆動波形は、インク滴
の早期分離および残響抑制を目的とした圧力波制御を従
来のメニスカス制御方式に加えたもので、これにより滴
径20μm程度のインク滴を安定的に吐出させることが
可能となった。
【0015】また本発明者らは、滴径15μm以下の微
小滴を吐出する方法として、圧電アクチュエータの固有
振動を利用する吐出方式を開発し、図17に示すような
駆動波形を特願平11−20613号において開示し
た。この駆動波形も、図16の駆動波形と同様に、吐出
直前にメニスカスを引き込むための電圧変化部161、
圧力発生室を圧縮して液柱を形成するための電圧変化部
162、液柱先端部から滴を早期に分離させるための電
圧変化部163、およびインク滴吐出後に残存する圧力
波の残響を抑制するための電圧変化部164によって構
成されている。
【0016】この駆動方法では、第二電圧変化プロセス
の電圧変化時間tおよび第三電圧変化プロセスの電圧
変化時間tを、圧電アクチュエータ自体の固有周期T
aと同等もしくはそれ以下に設定している点に特徴があ
る。そして、圧電アクチュエータ自体の固有振動が励起
され、メニスカスに周波数の高い振動を発生させること
ができるため、これを上記メニスカス制御方式と組み合
わせることにより、通常のメニスカス制御方式よりも小
さな滴を吐出することが可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、さらに微細な
インク滴を得るために圧電アクチュエータの固有振動を
利用した上記の駆動方式を用いると、圧電アクチュエー
タの変形速度が増加するために、アクチュエータの信頼
性確保が課題となる。
【0018】また、圧電アクチュエータの固有振動を励
起するためには、立ち上げ/立ち下げ時間の非常に小さ
な駆動波形を圧電アクチュエータに印加する必要があ
り、そのため圧電アクチュエータの駆動回路に流れる電
流値が増大してしまう。駆動回路に流れる電流値が増加
すると、スイッチングIC等の回路部品のコストが増大
すると共に、回路からの発熱量も増加するため放熱対策
も必要となり、駆動回路系のコスト増加および装置サイ
ズの増加を招くという問題もある。
【0019】以上の理由により、圧電アクチュエータの
固有振動を利用する駆動方式は未だ実用化されておら
ず、低価格の装置で20μm以下の微小滴を吐出するこ
とは、現実的には極めて困難であった。
【0020】また、滴径20μm以下の微小滴吐出を行
う上での別の問題点として、製造ばらつきに起因する吐
出特性変化が挙げられる。すなわち、インクジェット記
録ヘッドは微細加工技術および精密組立て技術によって
製造されるが、部品寸法や製造条件のばらつきによっ
て、ヘッドの吐出特性が微妙に変化してしまう。
【0021】具体的には、圧力発生室に発生する圧力波
の固有周期や振幅に変化が生じる。前述のように、メニ
スカス制御方式による微小滴吐出は、ノズル内部のイン
クを高精度に制御する技術であるため、そうした吐出特
性の変化に非常に敏感であり、吐出特性ばらつきの許容
範囲が非常に狭くなってしまう。そのため、ヘッド製造
時の歩留まりが悪化し、製造コストを大幅に増加させて
しまうという問題があった。
【0022】本発明は、上記の問題点を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は、装置コストや装置サイズ
の増加および信頼性の低下を招くことなく、滴径20μ
m以下の微小滴吐出を可能とするインクジェット記録ヘ
ッドの駆動方法及び装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明のインクジェット記録ヘッドの駆動方法は、駆動体に
駆動電圧を印加し、当該駆動体を駆動させて、インクが
充填された圧力発生室内に圧力変化を生じさせること
で、前記圧力発生室に連通されるノズルからインク滴を
吐出させるインクジェット記録ヘッドの駆動方法であっ
て、前記駆動電圧の電圧波形が、前記圧力発生室の体積
を膨張させるための第一電圧変化プロセスと、次いで前
記圧力発生室の体積を収縮させるための第二電圧変化プ
ロセスとを少なくとも含んで構成され、前記第一電圧変
化プロセスの電圧変化時間tと、前記第一電圧変化プ
ロセスの終了時刻と前記第二電圧変化プロセスの開始時
刻の時間間隔tを、次の関係式
【数5】 を満足するように設定した方法としてある。ここで、式
1中Tcは前記圧力発生室内における圧力波固有周期で
ある。
【0024】請求項2に記載の発明は、請求項1のt
の関係式を、
【数6】 に置き換えた方法としてある。
【0025】本発明の目的は、請求項3乃至12のいず
れか一に記載の発明によって達成することができる。す
なわち、従来はメニスカス制御による微小滴吐出のメカ
ニズムが完全に明確化されておらず、駆動波形に対して
も十分な最適化がなされていなかったのに対し、本発明
者らは数多くの吐出観察実験をもとに、前記第一電圧変
化プロセスの電圧変化時間tと、前記第一電圧変化プ
ロセスの終了時刻と前記第二電圧変化プロセスの開始時
刻の時間間隔tの間に一定の条件を定めることによ
り、20μm以下の微小滴吐出が可能になると共に、圧
力波固有周期のばらつきに対して鈍感になることを見出
した。
【0026】これにより、装置コストや装置サイズの増
加、および装置信頼性や製造歩留まりの低下を招くこと
なく、20μm以下の微小滴吐出を可能とすることがで
きた。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を、図面
を参照しながら詳細に説明する。 [本発明の原理・作用の説明]まず、本発明の原理・作
用を、図7〜図12を参照しながら、集中定数回路モデ
ルを用いたインクジェット記録ヘッドの理論解析結果を
もとに説明する。図7は、インクジェット記録ヘッドの
等価電気回路を示す図で、図7(a)は、図13に示し
たインクジェット記録ヘッドを等価電気回路に置き換え
たもの、図7(b)は図7(a)の回路の近似回路であ
る。図7(a)において、mはイナータンス[kg/m
]、rは音響抵抗[Ns/m]、cは音響容量[m
/N]、uは体積速度[m/s]、φは圧力[P
a]を表わし、添字の0は駆動部、1は圧力発生室、2
はインク供給路、3はノズルをそれぞれ意味している。
【0028】図7(a)の回路において、圧電アクチュ
エータに高剛性の積層型圧電アクチュエータを使用する
場合には、振動系のイナータンスm、音響抵抗r
および音響容量cは無視することができる。また、圧
力波の解析時には、ノズルの音響容量cも無視するこ
とができるため、図7(a)の回路は図7(b)の回路
によって近似することが可能となる。
【0029】ノズルと供給路のイナータンスおよび音響
抵抗に、m=k・m、r=k・rの関係が成り
立つと仮定し、図8(a)のような立ち上がり角度θを
もつ駆動波形を入力した場合について回路解析を行う
と、0≦t≦tの時間内におけるノズル部での粒子速
度v′は次式のように表わされる(Aはノズル開口
面積)。
【数7】
【0030】図8(b)及び図9のような複雑な形状の
駆動波形を用いた場合の粒子速度は、駆動波形の各節
(A、B、C、D)で発生する粒子速度を重ね合わせて
いくことによって求めることができる。すなわち、図8
(b)及び図9の駆動波形で発生する粒子速度vは次
式のように表わされる。
【数8】
【0031】図9の駆動波形は、圧力発生室を膨張さ
せ、メニスカスを圧力発生室側に引き込むための第一電
圧変化プロセス111と、次いで圧力発生室を収縮さ
せ、メニスカスをノズル外部に向かって押し出すための
第二電圧変化プロセス112によって構成されている。
図10は、図9の駆動波形に対し、上記の式2を用いて
粒子速度vを求めた結果である(式1の振動成分のみ
を考慮)。図10において、細線はA、B、C、Dの各
節で発生するそれぞれの粒子速度を示しており、太線は
それらを重ね合わせた粒子速度、すなわち実際にメニス
カスに生じる粒子速度変化を表わしている。
【0032】節A、B、Cで発生する粒子速度v、v
、vの振動成分は、それぞれ次式のように表わせ
る。なお、以下の説明において、粒子速度の減衰は影響
が小さいため無視する。
【数9】
【0033】ここで、a、a、aはそれぞれの粒
子速度の振幅であり、a=a (駆動波形における角
度変化量が同一) である。また、φ、φ、φはそ
れぞれの粒子速度変化の位相であり、Tc(Tc=2π
/Ec)は圧力波の固有周期である。
【0034】正弦波の重ね合わせにより、t<t<
(t+t)での粒子速度は次式で表わされる。
【数10】
【0035】t>(t+t)では、上式で表わされ
る粒子速度に、さらに節Cで発生する粒子速度が重畳さ
れる。このとき、節Cで発生する粒子速度の位相φ
上式の位相φA+Bと一致したときに、t>(t+t
)での振幅は最大となる。すなわち、
【数11】 となるようにtを設定すれば、t<(t+t)に
おける粒子速度振幅は最大となる。
【0036】図11は、上記式5をもとに、粒子速度振
幅を最大とするtの値をプロットした結果である(T
c=10μsとして計算)。tの設定値に応じて、最
適なtが存在することがわかる。上記のように、式5
に従ってt、tを設定した場合、t>(t
)の時間範囲では、粒子速度の振幅が急激に増加
し、非常に急峻な速度変化が生じる(図10(a)参
照)。
【0037】上記のような急峻な速度変化が生じた際の
メニスカス形状変化を、図10および図12を参照しな
がら以下に説明する。図10(a)のような粒子速度変
化がメニスカスに加わると、まず、時間範囲aにおいて
メニスカスは圧力発生室側へと引き込まれ、凹形状のメ
ニスカスを形成する。次いで、時間範囲bにおいてメニ
スカスはノズル外側に向かって押し出される。
【0038】前述したように、メニスカスを凹形状にし
た状態でメニスカスに「押し」を加えると、ノズル中央
部に細い液柱が形成される。この液柱の形成メカニズム
については詳しく検討された例がないが、本発明者ら
は、吐出観察実験および流体解析によって、形成される
液柱の太さがメニスカスを押し出す際の液面の速度に依
存することを明らかにした。
【0039】すなわち、凹形状のメニスカスに対して、
外部に押し出す方向に圧力を加えると、図12に示すよ
うに、メニスカスの各部は液面の法線方向に移動しよう
とする。その結果、ノズル中央部に多量のインクが集中
し、この局所的な体積増加によってノズル中央部に液柱
が形成される。このとき、液面の移動速度が速い場合
(図12(a)に示す場合)には、ノズル中央部での体
積増加速度も大きくなるため、非常に細い液柱が速い成
長速度で形成される。
【0040】逆に、液面の移動速度が遅い場合(図12
(b)に示す場合)には、体積増加の速度も小さくなる
ため、液柱は太くなり、成長速度も小さくなる。なお、
メニスカス制御方式で吐出されるインク滴の滴径は、形
成される液柱の太さとほぼ一致する。また、インク滴の
飛翔速度(滴速)は液柱の成長速度とほぼ一致する。従
って、微小なインク滴を高速で飛翔させるためには、
「押し」の際の液面移動速度を増加させ、ノズル中央部
で急激な体積増加を生じさせることが重要な条件とな
る。
【0041】上記のような観点から考えると、図10
(a)に示すように、t、tを式5に従って設定す
ることは、微小滴吐出に非常に有利な条件となることが
わかる。すなわち、こうした条件下では、図9の駆動波
形における節Aと節Bで生じた粒子速度に対し、節Cで
発生する粒子速度の位相が一致するため、t>(t
)の時間範囲で粒子速度の振幅が急激に増加し、液
面の移動速度が大きくなる。そのため、ノズル中央部で
急激な体積増加が生じ、細い液柱が形成され、その結
果、非常に微小なインク滴を高速で吐出することが可能
となる。
【0042】一方、図9の駆動波形でt、tが式5
の条件を満足しなかった場合には、駆動波形の節A、節
B及び節Cで発生する粒子速度の位相が一致しなくな
る。すなわち、図10(b)に示すように、節A+節B
の合成波と節Cの波の位相が一致しなくなり、それらを
重ね合わせた粒子速度(太線で示す)は非常に緩慢な変
化となってしまう。こうした条件下では、ノズル中央部
での急激な体積増加が発生し難くなるため、形成される
液柱の太さは大きくなり、その結果、吐出されるインク
滴の径は大きく、滴速は小さくなってしまう(図12
(b)参照)。つまり、高画質記録に要求される滴径2
0μm以下の微小滴を得ることは不可能になってしま
う。
【0043】また、上記のように、節A+節Bの合成波
に対し、節Cで発生する粒子速度の位相を一致させる
と、圧力波固有周期のばらつきに対して高いロバスト性
(鈍感さ)を確保することが可能となる。これは、二つ
の正弦波を足し合わせた合成波の振幅は二つの正弦波の
位相差に依存しており、位相差による振幅の変化率は位
相差が0付近であるときに最小になるためである(式
(6)参照)。
【0044】つまり、節A+節Bで発生する粒子速度
と、節Cで発生する粒子速度の位相を一致させておけ
ば、圧力波の固有周期が設計値からずれ、両者間に位相
差が生じた場合にも、合成波の振幅変化は小さく抑えら
れ、吐出特性への影響を最小限に止めることが可能とな
る。
【0045】以上述べたように、駆動波形における第一
電圧変化プロセスの電圧変化時間(図9のt)、およ
び第一電圧変化プロセスの終了時刻と第二電圧変化プロ
セスの開始時刻との時間間隔(図9のt)を式5に従
って設定することにより、非常に小さな径のインク滴を
高速で吐出させることが可能となると同時に、圧力波固
有周期のばらつきに対しても高いロバスト性を確保する
ことが可能となる。なお、本発明のインクジェットヘッ
ドの駆動方式では、駆動回路や圧電アクチュエータ等に
特別な変更を加える必要がないため、装置コストや装置
サイズの増加、および装置信頼性の低下を招くことがな
い。
【0046】[インクジェット記録装置の実施形態]次
に、上記の原理・作用に基づいて作動する本発明のイン
クジェット記録装置を、図5,6及び図13を参照しな
がら詳細に説明する。本発明の一実施形態において、イ
ンクジェット記録ヘッドは、図13に示したインクジェ
ット記録ヘッドと同一の基本構造のものを使用した。ヘ
ッドはエッチング等によって穿孔加工された複数の薄板
を、接着剤によって積層接合することにより作製した。
本実施形態では、厚さ50〜75μmのステンレス板を
熱硬化性樹脂による接着層(厚さ約5μm)を用いて接合
した。
【0047】ヘッドには複数(図13の紙面垂直方向に
配列されている)の圧力発生室61が設けられており、
それらは共通インク室63によって連結されている。共
通インク室63はインクタンク(図示せず)と連結されて
おり、各圧力発生室61にインクを導く働きをしてい
る。
【0048】各圧力発生室61は、インク供給路64を
介して共通インク室63と連通しており、圧力発生室6
1内はインクで充填されている。また、各圧力発生室6
1にはインクを吐出するためのノズル62が設けられて
いる。
【0049】この実施形態では、ノズル62およびイン
ク供給路64は同一形状とし、開口径30μm、裾径6
5μm、長さ75μmのテーパー形状とした。孔開け加
工はプレスにより行った。圧力発生室61の底面には振
動板65が設けられており、圧力発生室61の外側に設
置された駆動体としての圧電アクチュエータ(圧電振動
子)66によって圧力発生室を膨張または圧縮させるこ
とが可能となっている。本実施形態では、電鋳(エレク
トロフォーミング)で成形したニッケルの薄板を振動板
65として用いた。
【0050】圧電アクチュエータ66には積層型圧電セ
ラミクスを用いた。圧力発生室61に変位を加えるため
の駆動柱の形状は、長さ(L)が690μm、幅(W)
が1.8mm、奥行き長さ(図13の紙面垂直方向長
さ)が120μmである。使用した圧電材料の密度ρp
は8.0×103kg/m、弾性係数Epは68GP
aである。実測された圧電アクチュエータ自体の固有周
期Taは1.0μsであった。
【0051】圧電アクチュエータ66によって圧力発生
室61に体積変化を生じさせると、圧力発生室61内に
圧力波が発生する。この圧力波によってノズル部62の
インクが運動し、ノズル62から外部へ排出されること
によりインク滴67が形成される。なお、本実施形態で
用いたヘッドの固有周期Tcは10μsである。また、
固有周期Tcの値は上記値に限定されるわけでないが、
Tcが大き過ぎると微小滴形成が困難となるため、滴径
15〜20μmレベルの微小インク滴吐出を実行するた
めには、5μs<Tc≦15μsの範囲内に固有周期T
cを設定することが望ましい。
【0052】次に、図5および図6を参照しながら、圧
電アクチュエータを駆動するための駆動回路の基本構成
について説明する。図5は、吐出するインク滴の径を固
定する場合(滴径変調を行わない場合)の駆動回路(駆
動電圧印加手段)の一例である。図5に示す駆動回路
は、駆動波形信号を発生して電力増幅した後、圧電アク
チュエータに供給して駆動することにより、記録紙上に
文字や画像を印字させるもので、同図に示すように、波
形発生回路71、増幅回路72、スイッチング回路(ト
ランスファ・ゲート回路)73、および圧電アクチュエ
ータ74とから概略構成されている。
【0053】波形発生回路71は、デジタル・アナログ
変換回路と積分回路とから構成され、駆動波形データを
アナログ変換した後、積分処理して駆動波形信号を発生
する。増幅回路72は、波形発生回路71から供給され
た駆動波形信号を電圧増幅及び電流増幅して増幅駆動波
形信号として出力する。スイッチング回路73は、イン
ク滴吐出のオン・オフ制御を行うもので、画像データを
もとに生成された信号に基づいて、駆動波形信号を圧電
アクチュエータ74に印加する。
【0054】図6は、吐出させるインク滴の径を多段階
に切り替える場合、すなわち滴径変調を実行する場合に
おける駆動回路(駆動電圧印加手段)の基本構成を示し
ている。この例の駆動回路では、滴径を3段階(大滴、
中滴、小滴)に変調するために、それぞれの滴径に応じ
た3種類の波形発生回路81、81′、81″を具備し
ており、各波形は増幅回路82、82′、82″によっ
て増幅される。記録時には、画像データをもとに、圧電
アクチュエータ(84、84′、84″...)に印加
される駆動波形がスイッチング回路(83、83′、8
3″...)によって切り替えられ、所望滴径のインク
滴が吐出される。なお、圧電アクチュエータを駆動する
ための駆動回路は、本実施形態に示した構成のものに限
らず、他の構成のものを用いることも可能である。
【0055】次に、図1〜図4を参照しながら、本発明
のインクジェット記録ヘッドの駆動方法を、上記構成の
インクジェット記録装置の作用とともに説明する。 [駆動方法の第一の実施形態]図1(a)は、上記のイ
ンクジェット記録ヘッドを用いて、滴径20μm程度の
微小滴を吐出するために使用した駆動波形の一例を示す
図である。駆動波形は、t=2μsで圧力発生室を膨
張させる第一電圧変化プロセス11と、t=1.5μ
sの立ち上げ時間で圧力発生室体積を収縮させる第二電
圧変化プロセス12と、最終的に電圧を基準電圧(Vb
=25V)に戻すための電圧変化プロセス15により構
成されている。
【0056】第一電圧変化プロセスの終了時刻と第二電
圧変化プロセスの開始時刻との時間間隔(t)は1.
5μsに設定した。これは、上述の式5の条件を満たす
値である。また、電圧Vは15V、電圧Vは12
V、tは6μs、tは20μsに設定した。
【0057】図1(a)の駆動波形を用いて吐出実験を
行った結果、滴径22μmのインク滴が、滴速6.0m
/sで吐出されることが観察された。比較対象として、
=2μs、t=3μsの駆動波形を用いて吐出観
察を行った結果、電圧V、V等をいかに調整して
も、6m/s以上の滴速で吐出できる微小滴の径は25
μmが下限であった。
【0058】図1(b)は、図1(a)の駆動波形にお
いて、tを変化させたときの滴径の変化を調べた結果
である。なお、tは2μs、Vは15Vに固定し、
は滴速が6m/sとなるようにそれぞれ調整した。
【0059】図1(b)を参照すると、tが式5の条
件を満たすとき(t=1.5μs)に滴径が最小とな
り、微小滴吐出に最も適した条件であることがわかる。
なお、図1(b)からわかるように、微小滴の吐出を実
行する上で、式5の条件を厳密に満たす必要は必ずしも
なく、式5の条件をほぼ満たしていれば微小滴化の効果
を得ることができる。具体的には、式5で求まるt
±1μs以内に設定すれば、微小滴化の効果を得ること
ができる。
【0060】なお、駆動回路の時間応答特性が低く、駆
動波形になまりが生じてしまう場合や、圧力波の減衰速
度が大きい場合などには、tの最適値(最小の滴が得
られる条件)は式5で求まる値よりも若干大きくなる傾
向がある。しかし、そのような場合においても、t
最適値は式5で求まる値と3μs以下の偏差で一致する
ことが本発明者らの実験によって確認されている。従っ
て、tとtは、少なくとも次式の関係が成り立つよ
うに設定することが望ましい。
【数12】
【0061】また、tは、0<t≦1/2・Tcの
条件を満たしていることが望ましい。なぜならば、t
>1/2・Tcに設定すると、節Bおよび節Cで粒子速
度が生じる前に、節Aで発生した粒子速度が正に転じて
しまうため、メニスカスに急激な速度変化を生じさせる
ことが困難となるためである。さらに、第二電圧変化プ
ロセスの立ち上げ時間(t)は、液柱形成に十分な粒
子速度がメニスカスに生じるよう、可能な限り短い方が
よい。具体的には、0<t≦1/3・Tcであること
が望ましい。
【0062】以上のように、tおよびtを式5を満
たすように設定した図1(a)の駆動波形により、滴径
20μmレベルの微小滴を安定して得ることが可能にな
る。本発明のインクジェットヘッドの駆動方法では、駆
動波形の立ち上げ/立ち下げ時間をTa(圧電アクチュ
エータ自体の固有周期)以下に設定する必要がないた
め、圧電アクチュエータ自体の固有振動は励起されな
い。従って、圧電アクチュエータに流れる電流が増大し
たり、圧電アクチュエータの信頼性が低下することはな
い。
【0063】なお、本駆動波形を用いた滴径変調記録を
実行する場合には、図6に示したような駆動回路におい
て、波形発生回路81で本駆動波形を発生させ、波形発
生回路81′、81″で他の滴径に対応した駆動波形を
発生させればよい。
【0064】[駆動方法の第二の実施形態]図2は、本
発明の第二の実施形態を示す図であり、滴径15μm程
度の微小滴を吐出するために使用した駆動波形である。
この駆動波形は、t=2μsで圧力発生室を膨張させ
る第一電圧変化プロセス21と、t=1.5μsの立
ち上げ時間で圧力発生室体積を収縮させる第二電圧変化
プロセス22と、その直後にt=1.5μsの立ち下
げ時間で圧力発生室を膨張させる第三電圧変化プロセス
23と、最終的に電圧を基準電圧(Vb=25V)に戻
すための電圧変化プロセス25により構成されている。
は、式5の条件を満たすように1.5μsに設定し
た。tは0.2μs、tは6μs、tは20μs
に設定した。また、電圧Vは15V、電圧Vは12
Vに設定した。
【0065】本実施形態の駆動波形は、第二電圧変化プ
ロセス22の直後に、圧力発生室を急激に膨張させる第
三電圧変化プロセス23を含んでいる点が特徴である。
この第三電圧変化プロセスは、形成した液柱の先端部か
ら滴を早期に分離させる作用を有しており、第一実施形
態の駆動波形に比べて、さらに微小なインク滴吐出が可
能になる。実際に、図2の駆動波形を用いて吐出実験を
行った結果、滴径18μmのインク滴が、滴速6.2m
/sで吐出されることが観察された。第一実施形態の駆
動波形(図1(a))よりも更に滴径が減少した理由
は、上述したように第三電圧変化プロセスの作用によっ
て滴が早期に分離されたためである。
【0066】なお、滴の早期分離効果を大きくするため
には、第二電圧変化プロセスの終了時刻と第三電圧変化
プロセスの開始時刻との間隔(t)は可能な限り小さ
く設定することが望ましい。具体的には、0<t≦1
/5・Tcであることが望ましい。また、早期分離に十
分な粒子速度を生じさせるために、第三電圧変化プロセ
スの立ち下げ時間(t)は可能な限り短い方がよい。
具体的には、0<t≦1/3Tcであることが望まし
い。
【0067】図3に、第二の実施形態の駆動波形におけ
る固有周期依存性について調べた結果を示す。すなわ
ち、圧力波固有周期が7〜13μsとなるヘッドを作成
し、これに本実施形態の駆動波形を印加し、滴速の変化
を調べた。その結果、固有周期が設計値通り(10μ
s)のときに滴速は最大となり、固有周期がそれ以上ま
たはそれ以下であるときは、滴速の減少が生じるが、設
計値とのずれ量が±1.5μsの範囲内(図3のグラフ
中、一点鎖線で示す範囲内)であれば、滴速変化量は±
1m/s以内であり、記録結果に大きな影響は発生しな
いことがわかった(図3(a)参照)。
【0068】一方、t=2μs、t=3μsの駆動
波形を用いて同様の試験を行った結果、固有周期が±
1.5μs変化すると滴速に±3m/s以上の変化が発
生すると共に、径の大きなサテライトが発生するなど、
吐出状態が大きく変化し、記録結果を著しく悪化させる
ことが確認された(図3(b)参照)。以上のように、
駆動波形のtおよびtを、式5を満たすように設定
することにより、圧力波の固有周期ばらつきに対して鈍
感になり、製造歩留まりを飛躍的に増加させることが可
能となる。
【0069】[駆動方法の第三の実施形態]図4(a)
は、本発明の第三の実施形態を示す図であり、滴径15
μm以下の微小滴を吐出するために使用した駆動波形で
ある。この駆動波形は、t=2μsで圧力発生室を膨
張させる第一電圧変化プロセス31と、t=1.5μ
sの立ち上げ時間で圧力発生室体積を収縮させる第二電
圧変化プロセス32と、その直後にt=1.5μsの
立ち下げ時間で圧力発生室を膨張させる第三電圧変化プ
ロセス33と、さらにその直後にt=2μsの立ち上
げ時間で圧力発生室を圧縮する第四電圧変化プロセス3
4と、最終的に電圧を基準電圧(Vb=25V)に戻す
ための電圧変化プロセス35により構成されている。
【0070】tは、式5の条件を満たすように1.5
μsに設定した。tは0.2μs、tは1.5μ
s、tは15μsに設定した。また、Vは15V、
は12V、Vは16V、Vは14Vに設定し
た。駆動波形の特徴は、第三電圧プロセス33の電圧変
化量Vを、第二電圧変化プロセス32の電圧変化量V
よりも大きく設定している点と、第三電圧変化プロセ
ス33の直後に、t=2μsの立ち上げ時間で圧力発
生室を圧縮させる第四電圧変化プロセス34を含んでい
る点である。
【0071】この第四電圧変化プロセスは、第一〜第三
電圧変化プロセスで発生した圧力波の残響を打ち消す作
用を有しており、これにより高い駆動周波数でも安定な
吐出が可能になる。また、V>Vとすることによ
り、液柱先端からの滴分離をさらに早期化することがで
き、第二実施形態の駆動波形(図2)に比べて、より一
層微小なインク滴吐出が可能になる。
【0072】実際に、図4(a)の駆動波形を用いて吐
出実験を行った結果、滴径16μmのインク滴が、滴速
6.5m/sで吐出されることが観察された。図4
(b)に、図4(a)の駆動波形を印加した場合の粒子
速度変化を計算した結果を示す。tおよびtを式5
を満たすように設定しているため、時間範囲bで急激な
速度増加が生じ、さらに電圧変化プロセス33の作用に
より、時間範囲cで急激な速度減少が生じている。この
急激な速度減少により、インク滴が早期に分離され、吐
出されるインク滴の径が減少する。
【0073】また、図1(a)および図2の駆動波形で
は、吐出周波数を8kHz以上に設定すると吐出状態が
多少不安定化したのに対し、本駆動波形では12kHz
まで安定吐出が可能になることが確認された。これは、
第四電圧変化プロセス34によって圧力波残響が抑制さ
れたため、直前の吐出で発生した圧力波が、次の吐出に
影響を及ぼすことがなくなったためである。図4(b)
の解析結果においても、時間範囲bでは粒子速度変化が
非常に小さくなることが示されている。
【0074】また、本駆動波形を用いると、滴の飛翔特
性(吐出方向など)も改善されることが確認された。こ
れは、圧力波残響が抑制されたために、吐出直後のメニ
スカスが安定化し、サテライトの飛翔状態(吐出方向な
ど)が安定/均一化したためである。なお、効果的な残
響抑制を行うためには、吐出直後に残響を抑制する必要
があり、そのためにtはできるだけ短い方がよい。具
体的には、0<t≦1/3Tcであることが望まし
い。また、残響抑制用の圧力波を効率的に発生させるた
めには、第四電圧変化プロセス34の立ち上げ時間(t
)もできるだけ短い方がよく、0<t≦1/2Tc
であることが望ましい。
【0075】以上、各実施形態について説明したが、本
発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではな
い。例えば、上記実施形態では、圧電アクチュエータへ
の印加電圧が常に正極性となるようにバイアス電圧(基
準電圧)Vbを設定したが、圧電アクチュエータに負極
性の電圧を印加しても問題ない場合には、バイアス電圧
Vbを0Vなど、他の電圧に設定してもかまわない。
【0076】さらに、圧電アクチュエータには圧電定数
d33を利用した縦振動モードの圧電アクチュエータを
用いたが、圧電定数d31を利用した縦振動モードのア
クチュエータなど、他の形態のアクチュエータを使用し
てもかまわない。
【0077】また、上記実施形態では積層型の圧電アク
チュエータを用いたが、単板型の圧電アクチュエータを
用いた場合において同様の効果を得ることができる。さ
らに、圧電アクチュエータ以外の駆動体、たとえば静電
力や磁力を利用したアクチュエータを利用したインクジ
ェット記録ヘッドに対しても、本発明を適用することが
可能である。
【0078】また、上の実施形態では、図13に示すよ
うなカイザー型インクジェット記録ヘッドを用いたが、
圧電アクチュエータに設けた溝を圧力発生室とする記録
ヘッドなど、その他の構造のインクジェット記録ヘッド
に対しても本発明は同様に適用することが可能である。
【0079】また、上記の実施形態では記録紙上に着色
インクを吐出して文字や画像などの記録を行うインクジ
ェット記録装置を例にとったが、本明細書におけるイン
クジェット記録とは、記録紙上への文字や画像の記録に
限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限
定されるわけではなく、また、吐出する液体も着色イン
クに限定されるわけではない。例えば、高分子フィルム
やガラス上に着色インクを吐出してディスプレイ用のカ
ラーフィルターを作製したり、溶融状態のハンダを基板
上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりするな
ど、工業的に用いられる液滴噴射装置一般に対して、本
発明を利用することも可能である。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装置コストや装置サイズの増加、および装置信頼性の低
下を招くことなく、従来困難であった滴径15μmレベ
ルの微小滴吐出が可能になると共に、製造ばらつきに対
するロバスト性を増加させ、製造歩留まりを飛躍的に向
上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかり、図1(a)
はインクジェット記録ヘッドの駆動波形を示す図、図1
(b)は、図1(a)の駆動波形において、tを変化
させたときの滴径の変化を調べた結果を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の第二の実施形態にかかり、インクジェ
ット記録ヘッドの駆動波形を示す図である。
【図3】本実施形態の駆動波形の固有周期依存性につい
て調べた結果を示すグラフである。
【図4】本発明の第三の実施形態にかかり、インクジェ
ット記録ヘッドの駆動波形を示す図である。
【図5】吐出するインク滴の径を固定する場合の駆動回
路の一例を示す図である。
【図6】吐出させるインク滴の径を多段階に切り替える
場合、すなわち滴径変調を実行する場合における駆動回
路の基本構成を示す図である。
【図7】インクジェット記録ヘッドの等価電気回路を示
す図で、図7(a)は、図13に示したインクジェット
記録ヘッドを等価電気回路に置き換えたもの、図7
(b)は図7(a)の回路の近似回路である。
【図8】駆動波形とノズル部粒子速度の関係を説明する
ための図で、図7(b)の回路に入力する駆動波形の一
例を示すグラフである。
【図9】駆動波形とノズル部粒子速度の関係を説明する
ための図で、図7(b)の回路に入力する駆動波形の他
の例を示すグラフである。
【図10】図9の駆動波形に対し、式4を用いて粒子速
度vを求めた結果を示すグラフである。
【図11】式5をもとに、粒子速度振幅を最大とするt
の値をプロットした結果を示すグラフである。
【図12】ノズル内の液面の中央部に液柱が形成される
様子を説明する図で、図12(a)は液面の移動速度が
速い場合を、図12(b)は液面の移動速度が遅い場合
を示している。
【図13】公知のインクジェット記録装置における記録
ヘッドの一例を示す図である。
【図14】本発明の従来例にかかり、特開昭55−17
589号公報等で開示された駆動方法に用いられる駆動
波形の一例を示すグラフである。
【図15】図14の駆動波形を印加した際におけるノズ
ル開口部のメニスカスの変化を、模式的に表わした図で
ある。
【図16】特願平10−318443号で提案された駆
動方法における駆動波形を示すグラフである。
【図17】特願平11−20613号で提案された駆動
方法における駆動波形を示すグラフである。
【符号の説明】
31 第一電圧変化プロセス 32 第二電圧変化プロセス 33 第三電圧変化プロセス 34 第四電圧変化プロセス 61 圧力発生室 62 ノズル 63 共通インク室 64 インク供給路 65 振動板 66 圧電アクチュエータ(駆動体) 71,81,81′,81″ 波形発生回路

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動体に駆動電圧を印加し、前記駆動体
    の駆動によってインクが充填された圧力発生室内に圧力
    変化を生じさせ、この圧力変化によって前記圧力発生室
    に連通するノズルからインク滴を吐出させるインクジェ
    ット記録ヘッドの駆動方法であって、 前記駆動電圧の電圧波形が、前記圧力発生室の体積を膨
    張させるための第一電圧変化プロセスと、この第一電圧
    変化プロセスの後に前記圧力発生室の体積を収縮させる
    ための第二電圧変化プロセスとを少なくとも含み、 前記第一電圧変化プロセスの電圧変化時間tと、前記
    第一電圧変化プロセスの終了時刻と前記第二電圧変化プ
    ロセスの開始時刻の時間間隔tとが、以下の関係式 【数1】 (Tc:圧力発生室内における圧力波固有周期)をほぼ
    満足するように設定することを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動方法において、前記時間間隔tが、上記の関
    係式に代えて、次の関係式 【数2】 を満足するように設定することを特徴とするインクジェ
    ット記録ヘッドの駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記第一電圧変化プロセスの電圧変化時
    間tを、前記固有周期Tcの1/2以下に設定するも
    のであることを特徴とする請求項1又は2に記載のイン
    クジェット記録ヘッドの駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記第二電圧変化プロセスの電圧変化時
    間を、前記固有周期Tcの1/3以下に設定するもので
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記
    載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記駆動電圧の電圧波形が、前記第二電
    圧変化プロセスの直後に、前記圧力発生室の体積を膨張
    させるための第三電圧変化プロセスを含み構成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記第三電圧変化プロセスの電圧変化時
    間を、前記固有周期Tcの1/3以下に設定するもので
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記
    載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記第二電圧変化プロセスの終了時刻
    と、前記第三電圧変化プロセスの開始時刻との時間間隔
    を、前記固有周期Tcの1/5以下に設定するものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載
    のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記第三電圧変化プロセスにおける電圧
    変化量を、前記第二電圧変化プロセスにおける電圧変化
    量よりも大きく設定することを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれか一に記載のインクジェット記録ヘッドの駆
    動方法。
  9. 【請求項9】 前記駆動電圧の電圧波形が、前記第三電
    圧変化プロセスの直後に、前記圧力発生室の体積を収縮
    させるための第四電圧変化プロセスを含み構成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記第四電圧変化プロセスの電圧変化
    時間を、前記固有周期Tcの1/2以下に設定するもの
    であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に
    記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 駆動体に所定の駆動電圧を印加する駆
    動電圧印加手段を有し、この駆動電圧印加手段から印加
    された駆動電圧に応じた前記駆動体の駆動によってイン
    クが充填された圧力発生室内に圧力変化を生じさせ、前
    記圧力発生室に連通されるノズルからインク滴を吐出さ
    せるインクジェット記録ヘッドを使用して文字や画像の
    記録を行うインクジェット記録装置であって、 前記駆動電圧印加手段は、前記圧力発生室の体積を膨張
    させるための第一電圧変化プロセスと、次いで前記圧力
    発生室の体積を収縮させるための第二電圧変化プロセス
    とを少なくとも含む電圧波形に基づく駆動電圧を前記駆
    動体に印加するように構成され、 前記第一電圧変化プロセスの電圧変化時間tと、前記
    第一電圧変化プロセスの終了時刻と前記第二電圧変化プ
    ロセスの開始時刻の時間間隔tとが次の関係式 【数3】 (Tc:圧力発生室内における圧力波固有周期)を満足
    するように設定されていることを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のインクジェット記録
    装置において、前記時間間隔tが、上記関係式に代え
    て以下関係式 【数4】 を満足するように設定されていることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記圧力波の固有周期Tcが15μs
    以下であることを特徴とする請求項11又は12に記載
    のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動体が、圧電振動子を含み構成
    されることを特徴とする請求項11乃至13に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
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