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JP2001123012A - フェノール系樹脂含有組成物およびその硬化成形体の製造法 - Google Patents

フェノール系樹脂含有組成物およびその硬化成形体の製造法

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Publication number
JP2001123012A
JP2001123012A JP30534599A JP30534599A JP2001123012A JP 2001123012 A JP2001123012 A JP 2001123012A JP 30534599 A JP30534599 A JP 30534599A JP 30534599 A JP30534599 A JP 30534599A JP 2001123012 A JP2001123012 A JP 2001123012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
phenolic resin
resin
phenol
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30534599A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Shiraishi
信夫 白石
Kenichi Kudo
謙一 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Starch Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Starch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Starch Co Ltd filed Critical Sanwa Starch Co Ltd
Priority to JP30534599A priority Critical patent/JP2001123012A/ja
Publication of JP2001123012A publication Critical patent/JP2001123012A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トウモロコシの種皮を含むデンプン工業廃棄
物の再利用において、それを使用し調製されるフェノー
ル系樹脂含有組成物、およびそれを加熱硬化して得られ
る硬化成形体の製造法の提供。 【解決手段】 デンプン工業廃棄物を酸触媒の存在下、
100〜220℃においてフェノール類と反応させて液
化した後、中和し、得られるフェノール系樹脂に硬化剤
および充填剤を混合することにより調製される樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【用語の定義】本発明において、「液化」とは、澱粉系
物質が、フェノール類との反応により、固相状態から液
相状態へ液化溶解することを意味する。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、澱粉系物質、特に
高付加価値利用が困難とされていたデンプン工業廃棄物
であるトウモロコシの種皮の再利用を目的とし、澱粉系
物質とフェノール類との反応生成物であるフェノール系
樹脂含有組成物、およびその硬化成形体の製造法に関す
る。
【0003】
【従来の技術】近年、天然由来物質を利用して樹脂成形
物を製造する努力が成されつつある。天然由来物質の使
用は、石油などの化石原料の使用に歯止めをかけて、限
りある資源の枯渇を防止すると共に、天然物が本来有し
ている生分解性によって、破棄された後でも生態系に害
を及ぼさない物質に還元できるため、地球或いは環境に
やさしい材料となり得る点で注目されている。事実、最
近では、化学におけるパラダイム転換として著名になた
グリーンケミストリーでも原料として石油系でなくバイ
オマス系を用いるべきとされており、また他方では、本
年(1999年)8月12日付けで米国大統領が5大臣に
宛てたバイオ由来材料の開発を促す書類も報告されてい
る。しかしながら、現実には克服すべき技術的問題点が
多く、実用化されている技術は未だ非常に少ない。天然
由来物質を使用した技術としては、最初に、木材などの
セルロース(リグノセルロース)の利用が提案された
(特開昭61-261358号公報および特開昭62-79230号公報
等参照)。例えば、前記公報には、リグノセルロースを
フェノール類または多価アルコール類の存在下、210
〜260℃の温度で加熱加圧して液化することが開示さ
れており、接着剤や硬化成形物への応用も提案されてい
る。さらに、特開平1-45440号公報、特開平1-158021号
公報、特開平1-158022号公報、特開平3-263417号公報、
特開平6-226711号公報、特開平8-225633号公報等には、
前記リグノセルロースをフェノール類または多価アルコ
ール類と酸触媒との存在下において、100〜200℃
の温度に加熱して液化したものを用いて接着剤や発泡体
を製造する方法が開示されている。
【0004】木材などのセルロースに次いで、最近注目
されているのが、穀物から得られるデンプンの利用であ
る。デンプンは、セルロースと同様に、最も重要な多糖
類であるが、それ自体は熱加工性を有しておらず、ボー
ドやシートなどへ熱圧成形するのは困難である。デンプ
ンは、わが国において年間約300万トン生産されてい
る。その製造工程において副生する種皮、胚芽、蛋白な
どの量は約100万トンに達する。さらに、食品工業にお
ける澱粉加工、食品調理時並びに食品利用後、大量の澱
粉系残廃物が発生する。これらの廃棄物は、家畜の飼料
以外には殆ど使用されず、大量のものが焼却などの手段
により廃棄されているのが現状である。このような余剰
のデンプン廃棄物を種々の用途、特に、熱硬化性または
熱可塑性樹脂と同様に成形やその他の工業用途に利用で
きれば、生分解性を有する材料が得られると考えられ
る。澱粉系物質の熱硬化性樹脂化の試みとしては、例え
ば特開平6-136168号公報には、デンプンおよびその工業
廃棄物であるトウモロコシ種皮を酸触媒および多価アル
コールの存在下、30〜200℃に加熱して得られる液
化物を、発泡剤や多価イソシアネートと混合し反応させ
て、発泡体を製造する方法が開示されている。こうして
得られる発泡体は、生分解性に優れているため必ずしも
廃棄焼却をする必要が無く、それを行うとしても、廃棄
焼却に要する熱量を低減できる。しかしながら、前記公
報に記載の発明には、デンプンの液化反応時間が長く、
得られる液化物の経時安定性が低い等の欠点がある。ま
た、液化物から最終的に得られる樹脂組成物の種類も限
られたものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を克服し、かつデンプン工業廃棄物であるトウモ
ロコシ種皮を含む澱粉系物質にフェノールを作用させて
液化した後、樹脂化することにより、常用のプラスチッ
ク材料と同等ないしそれより優れた化学的および機械的
特性を発現し得ると共に、生分解性を備えたフェノール
系樹脂含有組成物を調製し、およびそれを用いた硬化成
形体の製造法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、澱粉系物質を
酸触媒の存在下、100〜220℃においてフェノール
類と反応させて液化した後、中和し、得られるフェノー
ル系樹脂に硬化剤および充填剤を混合することにより調
製されるフェノール系樹脂含有組成物を提供する。ある
いは、本発明は、澱粉系物質を酸触媒の存在下、100
〜220℃においてフェノール類と反応させて液化し、
ホルムアルデヒドをさらに添加して共重縮合した後、中
和し、得られるフェノール系樹脂に硬化剤および充填剤
を混合することにより調製されるフェノール系樹脂含有
組成物を提供する。さらに、本発明は、前記フェノール
系樹脂含有組成物を加熱硬化することを含む、硬化成形
体の製造法、およびその製造法により製造される硬化成
形体も提供する。
【0007】
【発明の効果】本発明に拠れば、酸触媒およびフェノー
ル類の存在下において澱粉系物質の液化反応を、短時間
で容易に達成することができる。特に、本発明に拠れ
ば、デンプンおよびデンプン誘導体のみならず、フェノ
ールに起因する高い加溶媒分解性や酸加水分解性を示す
トウモロコシの種皮(いわゆる、コーンフィード)等が
利用できる。本発明では、従来、付加価値が低く、廃棄
処分されていたデンプン工業廃棄物を原材料とすること
が可能であるため、資源を有効に利用できるのみなら
ず、高強度の硬化成形体を容易にかつ低コストで製造す
ることができる。特にトウモロコシ種皮などは、デンプ
ンおよびデンプン誘導体とは全く異なる独特の成分を含
有しており、本発明では、これら原料の低分子化をより
容易にかつ速やかに進行でき、結果として反応性の高い
フェノール化誘導体(すなわち、フェノール系樹脂)を
含有する組成物の製造が可能となる。上述のごとく得ら
れるフェノール系樹脂含有樹脂組成物を硬化成形してな
る本発明の硬化成形体は、架橋密度が高く、市販のノボ
ラック樹脂と同等ないしそれ以上の高い機械強度(例え
ば、曲げ強度等)も発現する。さらに、本発明によれ
ば、フェノール系樹脂含有樹脂組成物と共重縮合反応さ
せるホルムアルデヒドの量を低減できることから、環境
保全にも有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】樹脂組成物 本発明の第一態様であるフェノール系樹脂含有組成物
は、(1)澱粉系物質を酸触媒の存在下、100〜220
℃においてフェノール類と反応させて液化物を生成する
工程、(2)前記液化物を中和して、フェノール系樹脂を
調製する工程、および(3)得られたフェノール系樹脂
に、硬化剤および充填剤を混合する工程を含む方法によ
り調製される。本発明のフェノール系樹脂含有組成物
は、別法として、前記工程(1)の後、(2')得られた液化
物にホルムアルデヒドを添加して共重縮合反応させた
後、中和してフェノール系樹脂を調製する工程、および
(3')前記フェノール系樹脂に硬化剤および充填剤を混合
する工程を含む調製方法により調製されてもよい。
【0009】(1):澱粉系物質の液化 最初に、澱粉系物質を酸触媒の存在下、100〜220
℃においてフェノール類と反応させて液化する。本発明
において出発原料として用いられる澱粉系物質は、トウ
モロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉な
どの各種澱粉、およびそれらの誘導体(例えば、エステ
ル化、エーテル化、酸化または酵素分解されたもの)に
加え、澱粉製造工程で大量に副生する工業廃棄物として
のトウモロコシ種皮、またはタンパク質および脂肪など
も包含するものとする。トウモロコシの種皮は、トウモ
ロコシの種類や適用されるデンプン製造工程などによっ
ても異なるが、通常、セルロースおよヘミセルロースを
主成分とし、タンパク質、残留デンプン、灰分および水
分を含有するものである。
【0010】澱粉系物質として、上述の各種デンプンの
エステル化またはエーテル化物を使用する場合、前記エ
ステル化またはエーテル化物中のグルコース残基1個当
たりの平均置換水酸基数を表わす置換度が、0.01〜
0.5の範囲のものを使用することが好ましい。あるい
は、架橋したデンプン誘導体としては、前記置換度が
0.0003〜0.01のものを好ましく使用する。
【0011】前記デンプン誘導体は、従来既知のエステ
ル化剤、エーテル化剤または架橋剤のいずれかを使用し
て調製されたものであってよい。好適に使用され得るエ
ステル化剤の例としては、ギ酸、無水ギ酸、酢酸、無水
酢酸、酢酸ビニル、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、塩化ア
セチル、ケテン、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナ
トリウム等が;エーテル化剤の例としては、塩化メチ
ル、酸化エチレン、エチレンクロルヒドリン、モノクロ
ル酢酸、ジエチルアミノエチルクロリド、2,3-エポキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げら
れる。他方、好適に使用され得る架橋剤の例は、オキシ
塩化リン、トリメタリン酸、アクロレイン、エピクロル
ヒドリン等を包含する。
【0012】前記デンプン誘導体は、得られるデンプン
誘導体中のグルコース残基1個当たりの平均置換カルボ
キシル基数を表わす置換度が0.00001〜0.02程
度の酸化デンプン;またはデンプンをα−アミラーゼ、
β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、
α−グルコシダーゼ、プルラテーゼなどの加水分解酵素
を作用して分解したデンプン加水分解物であってもよ
い。
【0013】本発明において、澱粉系物質として使用さ
れる前記デンプンまたはその誘導体またはトウモロコシ
の種皮等はいずれも、取り扱いが容易であることから、
使用時に粉末状または粒子状であることが好ましいが、
その粒子寸法は、フェノール類との液化反応工程におい
て、十分に加溶媒分解し得る程度であれば、特に限定さ
れるものではない。
【0014】本発明では、前記澱粉系物質を加溶媒分解
性の高いフェノールまたはフェノール誘導体を使用す
る。このようなフェノール類の例としては、例えば、フ
ェノール、o-、m-またはp-クレゾール、3,5-、2,
3-または2,6-キシレノール、o-、m-またはp-プロ
ピルフェノール、o-、m-またはp-ブチルフェノー
ル、o-、m-またはp-sec-ブチルフェノール、o-、m
-またはp-tert-ブチルフェノール、ヘキシルフェノー
ル、フェニルフェノール、オクチルフェノール、ナフト
ールなどの一価のフェノール;カテコール、レゾルシノ
ール、キノール、アクリルレゾルシノール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等の二価
のフェノール;およびピロガノール、フロログルシル、
トリヒドロベンゼン、没食子酸等の三価のフェノール;
並びに、これらの塩化物等が挙げられる。前記フェノー
ル類は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用し得
る。
【0015】本発明において好適に使用される酸触媒と
しては、硫酸、塩酸等のような無機酸(いわゆる、鉱
酸);トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の
ような有機酸;または塩化アルミニウム、塩化亜鉛およ
び三フッ化ホウ素等のルイス酸から選ばれてよい。
【0016】本発明において、液化物の調製に関する工
程(1)では、好ましくは、澱粉系物質5〜800重量
部、特に10〜500重量部を、通常0.1〜20重量
部、好ましくは0.5〜10重量部の量の酸触媒の存在
下において、前記フェノール類またはフェノール類の混
合物100重量部に添加する。澱粉系物質の使用量が5
重量部未満の場合、得られた液化物を次の工程において
樹脂化することが困難となる。澱粉系物質の量が800
重量部を超えると、液化反応が十分に進行しない。ただ
し、本工程(1)による液化物の調製が2軸エクストルー
ダーを用いて行われるのであれば、800重量部を超え
る澱粉系物質を使用することが可能であり、例えば、澱
粉系物質としてトウモロコシ種皮を使用する場合、約
1,000重量部まで増加しても液化反応は十分に進行
し得る。
【0017】本発明において、工程(1)の前記液化反応
は、原料の使用重量(すなわち、仕込み重量)に対する
未液化澱粉系物質および未反応のフェノール類の重量を
それぞれ測定し、下式に従って決定される澱粉系物質と
結合したフェノールの量:CP(%)が、好ましくは少な
くとも70%、より好ましくは少なくとも75%となる
まで行われる。
【数1】 CP(%)=(W1−W2)/(W0−Wr)×100 (1) 上記式(1)中、W1は、フェノール類の仕込み重量、
2は、未反応のフェノール類の重量、W0は、澱粉系物
質の仕込み重量、およびWrは、未液化澱粉系物質の重
量をそれぞれ表わす。ここで、前記W2は、液化反応後
の試料を高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)法等
を用いて分析した値であってよい。
【0018】工程(1)における前記液化反応は、100
〜220℃、好ましくは130〜200℃、最も好まし
くは150〜200℃において、15〜300分間、好
ましくは30〜120分間行なわれる。特に、澱粉系物
質としてトウモロコシ種皮を用いる場合、前記酸触媒の
使用重量を増量してかつ反応温度を高めることにより、
液化反応をより効果的に進行させることができる。
【0019】前記液化反応は、前記温度範囲での加熱に
加えて、反応混合物を適宜撹拌することによって、より
効率よく進行できる。例えば、回転数30〜300rp
mで反応系内を撹拌することにより、トルクを付与しな
い場合の液化反応時間(30〜300分間)に比べて、
より短時間で(例えば、15〜200分間で)再現性良
く、安定かつ確実に澱粉系物質を液化することができ
る。
【0020】本工程(1)では、液化反応の初期におい
て、発熱により反応が暴走するのを抑制したり、出発物
質である澱粉系物質の水分を効率良く系外に排出するた
め、反応初期および/または反応中に、水と共沸し得る
有機溶媒または生成する液化物を溶解し得る溶媒等を、
全反応系を100重量部として、10〜500重量部の
量で添加してもよい。
【0021】本工程(1)で得られる液化物は、アルデヒ
ド類、エポキシ類またはイソシアネート類との反応性を
有することを特徴とする。
【0022】(2)または(2'):フェノール系樹脂の調製 次に、前記工程(1)における液化反応後、酸性の前記液
化物に、MgO、NaOHおよびイミダゾール等の通常
既知の中和剤を添加して中和反応に付すことにより、フ
ェノール系樹脂が調製され得る[工程(2)]。
【0023】あるいは、上述の工程(1)で得られた液化
物に、ホルムアルデヒドを添加して共重縮合反応させた
後、中和して、フェノール系樹脂を調製してもよい[工
程(2')]。本発明の工程(2')において、ホルムアルデヒ
ドは、前記液化物中の未反応フェノール残渣量に対する
モル比1.5以下、好ましくは0.2〜1.0となる量で
添加される。前記本発明の工程(2')では、ホルムアルデ
ヒドは、そのままの形態でまたは水溶液の状態で(すな
わち、ホルマリンとして)添加されてよい。前記液化物
にアルデヒドを添加した後、約80〜105℃において
90分以内、好ましくは10〜60分間で反応させた
後、工程(2)と同様に中和剤を添加して中和反応に付す
る。場合により、液化物にホルムアルデヒドを添加した
後、前記反応を行うことなく、直ちに中和反応に付して
もよい。
【0024】アルデヒドの添加および無添加に関わら
ず、前記中和反応生成物は、5〜180mmHgの減圧
下、例えば60〜180℃に加熱して、澱粉系物質と結
合していない未反応フェノール類、または添加した場合
は、水と共沸し得る有機溶媒や生成する液化物を溶解し
得る溶媒等を除去した後、当該分野において既知の乾燥
手段を用いて乾燥される。
【0025】得られる乾燥物は、らい潰機、冷凍粉砕
機、ウィリーミルまたは乳鉢等の通常の手段を用いて、
好ましくは(常温で)0.01〜5mm程度まで粉砕す
る。しかしながら、所望により、乾燥の際に中和反応生
成物から前記フェノール類を完全に除去してしまわず、
未反応フェノールを一部含有したままの状態で次の工程
(3)に付す場合は、粉砕しなくてもよい。
【0026】(3):フェノール系樹脂含有組成物の調製 前記フェノールの液化工程(2)で得られたフェノール系
樹脂に、硬化剤および充填剤を添加し、混合することに
より、本発明のフェノール系樹脂含有組成物が得られ
る。
【0027】本発明において使用される好適な硬化剤の
例としては、ヘキサメチレンテトラミン(いわゆる、ヘ
キサミン)が挙げられ、場合により、パラホルムアルデ
ヒド、トリオキサンなども使用できる。さらに、最終製
品の必要とする特性に応じて、前工程で得られたフェノ
ール系樹脂に、エポキシ樹脂を添加してエポキシ−フェ
ノール樹脂組成物としても;ジイソシアネート化合物を
硬化剤として添加してポリウレタンまたはポリ尿素樹脂
組成物としてもよい。あるいは、前記フェノール系樹脂
に、尿素樹脂、メラミン樹脂または尿素−メラミン樹脂
を添加し、混合系樹脂含有組成物として3次元硬化する
ことも可能である。
【0028】本工程(3)で使用される好適な充填剤とし
ては、木粉、木材繊維(すなわち、パルプ)、リグニン
またはリグニン化合物、合成繊維;およびケイ石、珪藻
土、ガラス、アルミナ、マイカ、カーボンブラックまた
は炭化ケイ素などの無機物が挙げられ、これらはいずれ
も単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0029】得られるフェノール系樹脂含有組成物全重
量に対し、前記硬化剤は1〜25重量%、好ましくは5
〜20重量%の量で、および前記充填剤は20〜80重
量%、好ましくは30〜70重量%の量で、それぞれ添
加されてよい。
【0030】さらに、前記フェノール系樹脂には、上記
必須成分(硬化剤と充填剤の組み合わせ、または充填
剤)に加え、所望の製品を製造するのに必要な各種添加
物、例えば、アルキルレゾルシノール等の補強剤;多価
エポキシ化合物、ジイソシアナート化合物等の架橋剤;
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
等の硬化促進剤;顔料;難燃剤;ステアリン酸、ステア
リン酸カルシウム等の滑材などを添加してもよい。これ
ら添加物は、樹脂組成物全重量に対し、合計5〜30重
量%、好ましくは8〜25重量%の量であることが望ま
しい。
【0031】この工程(3)において、前工程(2)で得られ
たフェノール系樹脂に上記各添加物を混合・混練する手
段としては、例えば、内部にリポン型回転羽根および外
側に加熱用ジャケットを装備したニーダー型構造の混合
機またはバンバリーミキサー、あるいはスクリュー押し
出し型混練機、コニーダ、加熱ロールまたはボールミル
等を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0032】上述の工程を経て調製される本発明の樹脂
組成物は、接着剤や成形材料、衝撃吸収材等の用途に加
え、食品の梱包用材料としても使用され得る。
【0033】硬化成形体 本発明は、第二態様として、上述の方法により得られる
本発明の樹脂組成物を加熱硬化して硬化成形体を製造す
る方法も提供する。樹脂組成物を加熱硬化する方法は、
前記樹脂組成物を、金型を用いてのホットプレス等の加
熱圧縮手段を用い、140〜200℃、好ましくは17
0〜180℃、5〜100MPa、好ましくは10〜8
0MPaにおいて6秒〜20分間、好ましくは2〜10
分間のような成形条件に付すことにより、高い架橋密度
と、ノボラック樹脂と同等ないしそれ以上の高強度を有
する硬化成形体を得ることができる。
【0034】前記加熱・加圧成形条件およびそのために
使用される手段は、所望の硬化成形体の用途に応じて適
宜変化してよい。例えば、本発明の樹脂組成物を接着剤
としての用途に提供する場合、前記樹脂組成物を所望の
部位に塗布した後、上記の加熱条件から選ばれる所望の
範囲において硬化することで、高い接着力の接着剤硬化
物が得られる。
【0035】
【実施例】本発明を、以下の実施例を用いてより詳細に
説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもの
ではない。 (1)澱粉系物質の液化反応実施例1 澱粉系物質としてのトウモロコシ種皮10gを、50m
L容のガラス製三口フラスコに秤取し、そこへ硫酸を均
一に混合したフェノール30gを添加した。硫酸の量
は、フェノールの3重量%の量(=0.9g)とした。
これらを、常圧、150℃において20分間還流加熱
し、液化した。液化反応後、反応フラスコ中から混合物
をメタノールで300mLビーカーに洗い出し、得られ
たメタノール希釈液を20分間撹拌した後、ガラス繊維
濾過紙を用いて減圧濾別した。濾別されたメタノール不
溶区分を、105℃において24時間乾燥させた後、重
量分析法で未液化トウモロコシ種皮重量(g)を測定し
た。一方、濾過されたメタノール可溶区分をHPLCで
分析し、未反応フェノール量を測定した。測定された未
液化トウモロコシ種皮重量をWrおよび未反応フェノー
ル量をW2とし、上記式(1)に従って結合フェノール
量:CP(%)を決定した。トウモロコシ種皮の仕込み
重量(10g)に対する未液化トウモロコシ種皮残渣量
(%)および上記により得られたCP値(%)を、各液
化反応成分配合量と共に表1に示す。
【0036】実施例2〜7 液化反応時間を30、60、90、120、150また
は180分間としたこと以外は、実施例1と同様にし
て、トウモロコシ種皮を液化し、その後、未液化トウモ
ロコシ種皮残渣量および未反応フェノール量を測定する
ことにより、結合フェノール量:CP(%)を決定し
た。トウモロコシ種皮の仕込み重量(10g)に対する
未液化トウモロコシ種皮残渣量(%)および上記により
得られたCP値(%)を、各液化反応成分配合量と共に
表1に示す。
【0037】比較例1〜7 フェノールの代わりにポリエチレングリコール400:
グリセリン(重量比)=4:1の混合物30gを使用し
たことおよび、液化反応時間を20、30、60、9
0、120、150または180分間としたこと以外
は、実施例1と同様にして、トウモロコシ種皮を液化し
た。トウモロコシ種皮の仕込み重量(10g)に対する
未液化トウモロコシ種皮残渣量(%)を各液化反応成分
配合量と共に表1に示す。
【0038】
【表1】 a):トウモロコシ種皮を使用した。 b1):フェノールを使用した。 b2):ポリエチレングリコール400:グリセリン
(重量比)=4:1の混合物を使用した。 c):濃硫酸
【0039】デンプン工業廃棄物であるトウモロコシ種
皮をフェノールで液化した実施例1〜7では、20分の
液化反応後、未液化トウモロコシ種皮残渣量が13%で
あったが、反応時間の増加につれて前記残渣量の減少が
確認された。すなわち、表1の結果は、液化反応180
分後でも未だ反応が続いていることを示している。CP
値は、液化反応20分で既に102%を超えており、こ
の値が液化時間と共に徐々に増加していくことも確認さ
れた。これらに対し、多価アルコール(ポリエチレング
リコール/グリセリン混合系)を用いてトウモロコシ種
皮を液化した比較例1〜7では、上記実施例1〜7に比
べ、トウモロコシ種皮の未液化残渣量がいずれも高くな
っている。これらの結果から、デンプン工業廃棄物とし
てトウモロコシ種皮を使用する場合、多価アルコールに
比べて、フェノールを使用して調製された樹脂組成物の
方が、反応性の点でより優れていることが分かる。
【0040】実施例8 コーンスターチ10gを50mL容のガラス製三口フラ
スコに秤取し、そこへ硫酸0.9g(=使用するフェノ
ールの3重量%の量)を均一に混合したフェノール30
gを添加した。これらを、常圧、150℃において20
分間還流加熱し、液化した。液化反応後、混合物を反応
フラスコからメタノールで300mLビーカーに洗い出
し、得られたメタノール希釈液を20分間撹拌した後、
ガラス繊維濾過紙を用いて減圧濾別した。濾別されたメ
タノール不溶区分を、105℃において24時間乾燥さ
せた後、重量分析法で未液化デンプン残渣量を定量し
た。一方、濾過されたメタノール可溶区分をHPLCで
分析し、未反応フェノール量を測定した。測定された未
液化デンプン残渣量をWrおよび未反応フェノール量を
2とし、上記式(1)に従って結合フェノール量:C
P(%)を決定した。コーンスターチの仕込み重量(1
0g)に対する未液化デンプン残渣量(%)および上記
により得られたCP値(%)を、各液化反応成分配合量
と共に表2に示す。
【0041】実施例9〜13 液化反応時間を30、60、90、120または180
分間としたこと以外は、実施例8と同様にして、デンプ
ンを液化し、その後、未液化デンプン残渣量および未反
応フェノール量を測定することにより、結合フェノール
量:CP(%)を決定した。コーンスターチの仕込み重
量(10g)に対する未液化デンプン残渣量(%)およ
び上記により得られたCP値(%)を、各液化反応成分
配合量と共に表2に示す。
【0042】
【表2】 a):コーンスターチを使用 b):フェノールを使用 c):濃硫酸
【0043】表2より、本発明の方法によって澱粉系物
質であるコーンスターチを液化する反応は、150℃、
20分で既に完了していることが分かる。さらに、結合
フェノール量の値はトウモロコシ種皮の液化の場合より
も大きく、液化反応が終了したと思われた後でも、その
結合フェノール量は、液化反応時間と共に増加していく
ことも示されており、反応効率の高い液化反応であるこ
とが確認された。
【0044】(2)フェノール系樹脂の調製実施例14 本実施例は、コーンスターチとフェノール類を重量比=
1:3とした場合のフェノール系樹脂オリゴマーの調製
例を表わしている。前記実施例10で得られたデンプン
液化物(CP=158.1%)のメタノール溶解区分
(すなわち、濾液)に酸化マグネシウムを添加して中和
した。次に、メタノールを50℃で蒸発させた後、遊離
未反応フェノールを180℃、減圧下において留去する
ことにより、フェノール系樹脂オリゴマーを得た。得ら
れた固体状の前記樹脂オリゴマーを、冷凍粉砕機または
乳鉢を用いて粉砕し、粉末状にした。粉末状樹脂オリゴ
マーの熱的性質を、島津製作所製フローテスタCFT−
500Aを用いて測定した。熱的性質は、熱軟化温度:
s、熱流動温度Tf、および130℃、1.225×1
6dyn/cm2のせん断応力下における溶融粘度につ
いて測定した。結果を表3にまとめる。また、後述の比
較例10に示すように、対照試料として、市販のNOV
OLAC樹脂(日立化成工業社製;商品名HP−700
NK;数平均分子量3814)について、同一条件下で
測定された熱軟化温度:Tsおよび熱流動温度Tfを併せ
て表3に示す。
【0045】実施例15 本実施例では、デンプン工業廃棄物としてのトウモロコ
シ種皮とフェノール類とを重量比=1:1で、200℃
において30分間液化反応させて、フェノール系樹脂を
調製した。トウモロコシ種皮6gを、20mL容のステ
ンレス鋼製オートクレーブ(耐圧ガラス工業社製 TV
S−1)に秤取し、そこへ硫酸を均一に混合したフェノ
ール6gを添加した。硫酸の量は、フェノールの3重量
%の量とした。これらを、密栓した上で、200℃にお
いて30分間加熱し、液化した。液化反応後、直ちに氷
水中で冷却し、オートクレーブを開栓し、内容物をメタ
ノールで200mLビーカーに洗い出した。得られたメ
タノール希釈物を20分間撹拌した後、ガラス繊維濾過
紙を用いて減圧濾別した。濾別されたメタノール不溶残
渣を、105℃において24時間乾燥させた後、秤量し
て、未液化トウモロコシ種皮重量を測定した。濾別され
たメタノール不溶区分を、105℃において24時間乾
燥させた後、重量分析法で未液化トウモロコシ種皮残渣
量を定量した。一方、濾過されたメタノール可溶区分を
HPLCで分析し、未反応フェノール量W2を測定し、
上記式(1)に従って結合フェノール量:CP(%)を
決定したところ、75.9%であった。得られた液化物
のメタノール溶解区分(すなわち、濾液)に酸化マグネ
シウムを添加して中和した。次に、メタノールを50℃
で蒸発させた後、遊離未反応フェノールを180℃、減
圧下において留去することにより、フェノール系樹脂を
得た。
【0046】得られた固体状の前記樹脂を、冷凍粉砕機
または乳鉢を用いて粉砕し、粉末状にした。粉末状樹脂
の熱的性質を、島津製作所製フローテスタCFT−50
0Aを用いて測定した。熱的性質は、熱軟化温度:
s、熱流動温度Tf、および130℃、1.225×1
6dyn/cm2のせん断応力下における溶融粘度につ
いて測定した。結果を表3にまとめる。
【0047】実施例16 トウモロコシ種皮3gおよびフェノール9gを使用した
こと以外は、上記実施例15と同様にして反応および濾
別した。濾別されたメタノール不溶残渣およびメタノー
ル不溶区分を、実施例15と同様にして処理し、液化反
応後の結合フェノール量:CP(%)158.7%を得
た。得られた液化物のメタノール溶解区分(すなわち、
濾液)に酸化マグネシウムを添加して中和した。次に、
メタノールを50℃で蒸発させた後、遊離未反応フェノ
ールを180℃、減圧下において留去することにより、
フェノール系樹脂を得た。得られた固体状の前記樹脂
を、冷凍粉砕機または乳鉢を用いて粉砕し、粉末状にし
た。粉末状樹脂の熱的性質を、島津製作所製フローテス
タCFT−500Aを用いて測定した。熱的性質は、熱
軟化温度:Ts、熱流動温度Tf、および130℃、1.
225×106dyn/cm2のせん断応力下における溶
融粘度について測定した。結果を表3にまとめる。
【0048】比較例8および9 コーンスターチの代わりに木材(マカンバ粉末、20〜
80メッシュ)10gを用いたこと以外は、実施例10
および14に従って液化および樹脂の調製を行い、CP
値が69%および88%の木材液化物−フェノール系樹
脂を得た。それぞれの樹脂について、熱流動温度Tf
測定した。結果を表3にまとめる。
【0049】比較例10 対照試料としてのNOVOLAC樹脂(日立化成工業社
製;商品名HP−700NK;数平均分子量3814)
について、上記実施例15と同様にして熱的性質(熱軟
化温度:Ts、熱流動温度Tf、および130℃、1.2
25×106dyn/cm2のせん断応力下における溶融
粘度)を測定した。結果を表3にまとめる。
【0050】
【表3】 a1):コーンスターチを使用した。 a2):トウモロコシ種皮を使用した。 b):フェノールを使用した。 c):濃硫酸 d):130℃、1.225×106dyn/cm2のせ
ん断応力下で測定
【0051】表3の結果より、実施例14においてデン
プン液化物から調製されたフェノール系樹脂オリゴマー
の熱的特性は、対照試料である市販のNOVOLAC樹
脂に比べ、熱軟化温度Tsおよび熱流動温度Tfがいずれ
も低いことが分かる。さらに、実施例15の結果より、
デンプン工業廃棄物とフェノール類との液化反応重量比
が1:1の場合、重量比1:3の実施例14に比べてC
P値が小さくなることが分かる。実施例14〜16で得
られた樹脂を比較例8および9により得られた樹脂と比
較すると、実施例14および15で得られた樹脂はいず
れも、対照試料である市販のNOVOLAC樹脂よりも
熱的性質が高く、より可塑的であり、実施例16で得ら
れた樹脂は、前記市販の樹脂と同程度であることが分か
る。熱流動温度については、比較例8で得られた樹脂が
CP=69%でTf=125℃および比較例9で得られ
た樹脂がCP=88%でTf=160℃といずれも非常
に高いのに対し、本発明の実施例14〜16で得られた
樹脂はいずれも、熱的性質が相対的に低温で可塑化でき
るものであることが分かる。
【0052】(3)硬化成形体の製造実施例17 実施例16で得られた粉末状のフェノール系樹脂(遊離
未反応フェノールを除去したもの)37.7重量部に、
充填剤(木粉)49.5重量部、ヘキサメチレンテトラ
ミン9.4重量部、水酸化カルシウム2.4重量部をおよ
びステアリン酸亜鉛1.0重量部を添加し、ラボプラス
トミル(東洋精機(株)製)を用いて混練・混合した後、
金型を用い、圧締成形温度170〜180℃、成形時間
5分間および成形圧力50MPaの条件下において硬化
成形した。その結果、寸法10×2×120(mm)の
ノボラック樹脂のJIS規格に準じた曲げ試験片 7本
が得られた。得られた試験片を7本とも、20℃、60
%RHの条件下で二昼夜調湿した後、島津オートグラフ
AGS−5kNG(島津製作所製)を用いて曲げ試験を
行なった。この曲げ試験により、曲げ強度、曲げ弾性率
および曲げ破壊仕事量を測定し、7試料の測定値の平均
値をそれぞれ求めた。結果を表4に示す。得られた硬化
成形体は、優れた外観を有するのみならず、表4に示す
ように、高い曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ破壊仕事
量を示した。
【0053】
【表4】 1):木粉 2):ヘキサメチレンテトラミン ++:成形した試験片を20℃、60%RHで二昼夜調
湿した後、曲げ試験を行なった。
【0054】表4の結果より、本発明のフェノール系樹
脂組成物の硬化成形体が優れた曲げ試験結果を与えるこ
とが分かる。
【0055】生分解性の評価 前記実施例17において得られた曲げ試験後の試験片に
ついて、以下のような生分解性試験を行った。試験片を
コンポスト装置(有限会社自然耕房製ナチュレポケッ
ト)に投入し、2週間処理した後、秤量したところ、投
入前の重量に対して80.1重量%減少し、その外観の
変化からも生分解が進行していることが確認された。す
なわち、澱粉系物質としてトウモロコシ種皮を用い、ト
ウモロコシ種皮とフェノールとの液化物(重量比1:
3)から調製されたフェノール系樹脂を硬化成形した試
験片は、生分解性に優れていることが分かる。
【0056】実施例18 本実施例では、デンプン工業廃棄物としてトウモロコシ
種皮を用いて製造した液化物中の未反応フェノールに、
ホルムアルデヒドを反応させて3次元構造を有し得るノ
ボラック樹脂様の樹脂を製造した。トウモロコシ種皮3
gを、20mL容のステンレス鋼製オートクレーブ(耐
圧ガラス工業社製 TVS−1)に秤取し、そこへ硫酸
を均一に混合したフェノール9gを添加した。硫酸の量
は、フェノールの3重量%の量とした。これらを、20
0℃において30分間加熱し、液化した。液化反応後、
直ちに氷水中で冷却し、オートクレーブを開栓し、内容
物をメタノールで200mLビーカーに洗い出した。得
られたメタノール希釈物を20分間撹拌した後、ガラス
繊維濾過紙を用いて減圧濾別した。濾別によりメタノー
ル不溶残渣を除去した液化物含有濾液を試料(i)と
し、および別途同様の液化を行った後、濾別せずにメタ
ノール不溶残渣を含む液化物を試料(ii)とした。試
料(i)と分離されたメタノール不溶区分を、105℃
において24時間乾燥させた後、秤量して未液化トウモ
ロコシ種皮残渣量を測定した。更に試料(i)につい
て、HPLCにより分析し、未反応フェノール量を測定
した。測定された未液化トウモロコシ種皮残渣量をWr
および未反応フェノール量をW2とし、上記式(1)に
従って結合フェノール量:CP(%)を決定した。
【0057】上記液化物試料(ii)中の未反応フェノ
ール量(モル)に対し、ホルムアルデヒドを0.8モル
当量となる量のホルマリン(ホルムアルデヒド37%水
溶液)を添加し、105℃において、20、80または
120分間還流加熱して、共重縮合反応させた。反応
後、各共重縮合物をアセトンで希釈した後、酸化マグネ
シウムを添加して中和した。その後、約20mmHgの
減圧下、50℃で希釈溶媒を、次いで180℃で遊離未
反応フェノールを留去し、樹脂A〜Cを得た。得られた
固体状の前記樹脂を、冷凍粉砕機または乳鉢を用いて粉
砕し、粉末状にした。粉末状樹脂の熱的性質を、島津製
作所製フローテスタCFT−500Aを用いて測定し
た。熱的性質は、熱軟化温度:Ts、熱流動温度Tfおよ
び130℃、1.225×106dyn/cm2のせん断
応力下における溶融粘度について測定した。さらに、前
記樹脂の170℃における硬化成形において、樹脂A〜
Cそれぞれについて、90%硬化するのに要した時間
(分間)も測定した。これらの結果を表5にまとめる。
また、対照試料として、前述の比較例10で使用した日
立化成工業社製NOVOLAC樹脂についても上記と同
様に熱的性質を測定した結果も表5に示す。
【0058】
【表5】 +:メタノール不溶残渣を除去した液化物 ++:メタノール不溶残渣を含む液化物 1):トウモロコシ種皮を使用した。 a):硫酸 b):ホルムアルデヒドは、ホルマリン(37%ホルム
アルデヒド水溶液)の形態で使用した。 c):130℃、1.225×106dyn/cm2のせ
ん断応力下で測定 d):170℃での硬化成形において樹脂組成物が90
%硬化するのに要した時間(分間) +++:比較例10で使用した市販のNOVOLAC樹
脂(日立化成工業社製;商品名HP−700NK;数平
均分子量3814)
【0059】表5の結果から明らかなように、実施例1
8に関する熱軟化温度:Tsは、液化物とその後の共重
縮合物との間でほぼ同程度であったが、熱流動温度:T
fおよび溶融粘度は、共重縮合物の方がいずれも高くな
った。一方、液化物に関しては、中和後に生成する塩を
含むメタノール不溶残渣の有無(試料(i)と(ii)
との比較)による硬化成形時間には大きな差異が認めら
れないことから、前記塩の存在は硬化成形に関与しない
と考えられる。上記表5の結果からは、各液化物の17
0℃における90%硬化時間が、比較例として示した市
販のNOVOLAC樹脂の硬化時間と比べて若干長い
が、共重縮合物に関しては、共重縮合反応時間が長くな
るほど硬化時間が短くなり、市販樹脂よりも短時間で9
0%硬化が達成され得ることが分かる。
【0060】実施例19 実施例18で調製した液化物試料(i)中の未反応フェ
ノール量(モル)に対し、ホルムアルデヒドを0.8モ
ル当量となる量のホルマリン(ホルムアルデヒド37%
水溶液)を添加し、105℃において、80分間還流加
熱して、共重縮合反応させた。反応後、各共重縮合物を
アセトンで希釈した後、酸化マグネシウムを添加して中
和した。その後、約20mmHgの減圧下、50℃で希
釈溶媒を、次いで180℃で遊離した未反応フェノール
を留去した後、固体を粉砕し、粉末状の樹脂を得た。実
施例18で調製した液化物試料(i)および前記(i)
から生成した樹脂、並びに試料(ii)および試料(i
i)とホルムアルデヒドとを反応させて得られた共重縮
合樹脂A、BおよびCそれぞれの全重量に対し、50重
量%の量の木粉充填剤を添加する以外は、実施例17と
同じ比率で硬化剤(ヘキサメチレンテトラミン)、硬化
促進剤(水酸化カルシウム)および離型剤(ステアリン
酸亜鉛)を配合し、ラボプラストミル(東洋精機(株)
製)を用いて混練・混合した後、金型を用い、圧締成形
温度170〜180℃および成形圧力50MPaの条件
下において5分間硬化成形した。成形した試験片を、2
0℃、60%RHの条件下で二昼夜調湿した後、島津オ
ートグラフAGS−5kNG(島津製作所製)を用いて
曲げ試験を行ない、曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ破
壊仕事量を測定した。結果を表6にまとめる。
【0061】
【表6】 1)木粉 +++:比較例10で使用した市販のNOVOLAC樹
脂(日立化成工業社製;商品名HP−700NK;数平
均分子量3814)
【0062】表6の結果より、液化物、およびその液化
物とホルムアルデヒドとの共重縮合反応生成物であるフ
ェノール系樹脂を比較すると、加熱して共重縮合するこ
とにより曲げ強度および曲げ破壊仕事量が増加すること
が分かる。本発明の共重縮合物は、市販のNOVOLA
C樹脂と同程度の強度を示すものであることも分かる。
【0063】実施例20 実施例18で調製した共重縮合樹脂Bの全重量に対し、
50、60または70重量%の量の木粉充填剤を添加す
ること以外は、実施例17と同じ比率でヘキサメチレン
テトラミン、水酸化カルシウムおよびステアリン酸亜鉛
を配合し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用い
て混練・混合した後、金型を用い、圧締成形温度170
〜180℃および成形圧力50MPaの条件下において
5分間硬化成形した。成形した試験片を、20℃、60
%RHの条件下で二昼夜調湿した後、島津オートグラフ
AGS−5kNG(島津製作所製)を用いて曲げ試験を
行ない、曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ破壊仕事量を
測定した。また、対照試料として、比較例10で使用し
た日立化成工業社製NOVOLAC樹脂に対し、50ま
たは60重量%の量の木粉充填剤および実施例17と同
じ比率のヘキサメチレンテトラミン、水酸化カルシウム
およびステアリン酸亜鉛を添加した系を上記と同様に硬
化成形した試料についても曲げ試験を行なった。各結果
を表7にまとめる。
【0064】
【表7】 1)木粉 +++:比較例10で使用した市販のNOVOLAC樹
脂(日立化成工業社製;商品名HP−700NK;数平
均分子量3814)
【0065】表7の結果より、実施例18の共重縮合物
B(デンプン工業廃棄物としてトウモロコシ種皮を使
用)に関しては、充填剤の添加量が増加するほど曲げ強
度が高まくなり、添加量70重量%では、木紛を50重
量%配合した市販のNOVOLAC樹脂とほぼ同程度の
機械特性を示すことが分かる。また、トウモロコシ種皮
から得られたデンプン工業廃棄物の分子量は、1230
ダルトンと、市販のNOVOLAC樹脂よりも低いこと
も分かった。すなわち、本発明においてトウモロコシ種
皮を使用すると、分子量がより低くかつ木粉充填剤との
親和性の高い共重縮合物が得られることから、充填剤の
分散性が向上し、結果として、優れた機械特性が得られ
たものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA08 AA41 AA73 AA78 AA85 AA88 AB18 AB19 AC07 AC09 AC11 AC12 AD02 AE02 AE17 AG01 AG05 AG28 AH04 AH19 BA01 BB03 BC01 4J002 AB04W AH00X CC29W DE146 DJ006 DJ036 DJ056 DL006 GG02 GJ01 GT00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉系物質を酸触媒の存在下、100〜
    220℃においてフェノール類と反応させて液化した
    後、中和し、得られるフェノール系樹脂に硬化剤および
    充填剤を混合することにより調製されるフェノール系樹
    脂含有組成物。
  2. 【請求項2】 澱粉系物質を酸触媒の存在下、100〜
    220℃においてフェノール類と反応させて液化し、ホ
    ルムアルデヒドをさらに添加して共重縮合した後、中和
    し、得られるフェノール系樹脂に硬化剤および充填剤を
    混合することにより調製されるフェノール系樹脂含有組
    成物。
  3. 【請求項3】 フェノール類が、置換または未置換のフ
    ェノールまたはビスフェノールから選ばれる、請求項1
    または2記載のフェノール系樹脂含有組成物。
  4. 【請求項4】 澱粉系物質がトウモロコシ種皮である請
    求項1または2記載のフェノール系樹脂含有組成物。
  5. 【請求項5】 酸触媒が有機酸、無機酸またはルイス酸
    から選ばれる少なくとも1つである請求項1または2記
    載のフェノール系樹脂含有組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のフェノ
    ール系樹脂含有組成物を加熱硬化することを含む、硬化
    成形体の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の製造法により製造される
    硬化成形体。
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