【発明の詳細な説明】
抗−ウイルス性化合物群
本発明はヒト医薬分野、特にウイルス感染の処置におけるものである。さらに
具体的には、本発明はライノウイルス、エンテロウイルスおよびフラビウイルス
感染の処置に関する。
ウイルス性上部呼吸器疾患、一般かぜの発病率は非常に高い。来国だけで毎年
10億件近く発病すると評価されている。ピコルナウイルスファミリーの一員で
あるライノウイルスはヒト一般かぜの主要な原因である。110株以上のライノ
ウイルスが同定されているため、実用的なライノウイルスワクチンの開発は不可
能であり、化学療法がより望ましいアプローチであると思われる。ピコルナウイ
ルスファミリーの他のメンバーの1つはエンテロウイルスであり、これは約80
のヒト病原体を含む。これらのエンテロウイルスの多くはかぜ様徴候を引き起こ
し;他のものはポリオ、結膜炎、無菌性髄膜炎および心筋炎のようなより深刻な
疾患を引き起こし得る。
ライノウイルス感染に関連する疾患は鼻水および鼻詰まりによって明らかにな
る。さらに、これは中耳炎に関係し、気管支炎を発病させやすくし、副鼻腔炎を
悪化させ、喘息アルトクリス(altoclis)の急激化に関係する。多くの人はこの
疾患を些細な害であると考えるが、他の点において健康な個体で頻繁に発生し、
従業者の欠勤および医師訪問によって結果として経済的に重要となることから、
広く研究の対象とされている。
インビトロでの化学化合物のウイルス増殖抑制能は、ウイルスプラーク抑制試
験または細胞変性作用試験(CPE)を用いて容易に示すことができる。
Siminoff,Applied Microbiology,9(1),66(1961)参照。ライノウイルスのよう
なピコルナウイルスを阻害するたくさんの化学化合物が同定されているが、多く
は1)限定された活性スペクトル、2)望ましくない副作用または3)動物また
はヒトの感染または疾患を妨げる能力がないことにより許容されない。
Textbook of Human Virology,edited by Robert B.Belshe,chapter 16,”Rhi
noviruses,”Roland A.Levandowski,391-405(1985)参照。したがって、ライノ
ウイルス阻害剤に付随する認識された治療能力および今までに費やされた研究努
力にもかかわらず、利用可能な治療薬は未だ現れていない。例えば、抗ウイルス
性ベンゾイミダゾール化合物が米国特許番号4,008,243、4,018,
790、4,118,573、4,118,742、4,174,454および
4,492,708に開示されている。
概して、上記特許に開示されている化合物はライノウイルス感染の処置に用い
るのに望ましい薬理学的プロファイルを有していない。特にこれらの化合物は満
足のいく経口生物学的利用能、またはその比較的低い経口生物学的利用能を補っ
て、幅広い利用を可能にする程に高い阻害活性を有していない。さらに、ライノ
ウイイルス感染の処置に用いる化合物は毒物学的観点からみてとても安全である
べきことは当分野に広く許容されている。
したがって、本発明の主たる目的は、ピコルナウイルス、例えばライノウイル
ス、エンテロウイルス、例えばポリオウイルス、コクサッキーAおよびB群ウイ
ルスまたはエコーウイルスの増殖を阻害し、望ましい薬理学的プロファイルを有
する新規なベンゾイミダゾール化合物を提供することである。
本発明は式I:
[式中:
aは0、1、2または3であり;
Rはそれぞれ独立して、水素、ハロ、シアノ、アミノ、ハロ(C1−C6)アル
キル、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、アジド、C1−C6アルキル、カルバ
モイル、カルバモイルオキシ、カルバモイルアミノ、C1−C6アルコキシ、C1
−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホ
ニル、ピロリジノ、ピペリジノまたはモルホリノであり;
R0は水素、ハロ、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシであり;
R1はハロ、シアノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メ
チルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルであり;
R2は水素、アミノまたは−NHC(O)(C1−C6アルキル)であり;
R3はジメチルアミノ、C1−C10アルキル、C3−C7シクロアルキル、置換C3
−C7シクロアルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、フェニル、置換フェニル、
フリル、チエニル、チアゾリル、チアゾリジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モ
ルホリノまたは式:
で示される基であり;
R4およびR5は独立して水素またはC1−C4アルキルである]
で示される化合物または製薬的に許容されるその塩を提供する。
本発明はまた、本発明の化合物または製薬的に許容されるその塩を、製薬的に
許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせて含む医薬製剤を提供する。
本発明はまた、ピコルナウイルスの阻害方法であって、それを必要としている
宿主に有効量の式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩[式中、a、R、
R0、R1、R2、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである]を投与すること
を特徴とする方法を提供する。
本発明はまた、フラビウイルスの阻害方法であって、それを必要としている宿
主に有効量の式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩[式中、a、R、R0
、R1、R2、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである]を投与することを
特徴とする方法を提供する。
本明細書中に記載する温度はすべて摂氏の℃である。本明細書中に用いる量単
位は、容量単位である液体を除いてすべて重量単位である。
本明細書中に用いる用語「C1−C10アルキル」は1〜10個の炭素原子を有
する直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す。代表的なC1−C10アルキルには
、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、neo−ペンチル、ヘキシル、2−メチルヘキシル、
ヘプチルなどが含まれる。用語「C1−C10アルキル」はその定義範囲内に用語
「C1−C6アルキル」および「C1−C4アルキル」を含む。
「ハロ」はクロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。
「ハロ(C1−C6)アルキル」は1〜6個の炭素原子をそれに結合した1,2ま
たは3個のハロゲン原子とともに有する直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す
。代表的なハロ(C1−C6)−アルキル基にはクロロメチル、2−ブロモエチル
、1−クロロイソプロピル、3−フルオロプロピル、3−ブロモブチル、3−ク
ロロイソプロピル、3−フルオロプロピル、3−ブロモブチル、3−クロロイソ
ブチル、ヨード−t−ブチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2
−クロロ−ヨードエチル、2,3−ジブロモプロピルなどが含まれる。
「C1−C4アルキルチオ」は硫黄原子に結合した1〜4個の炭素原子を有する
直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す。代表的なC1−C4アルキルチオ基には
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオなどが
含まれる。
「C1−C6アルコキシ」は酸素原子に結合した1〜6個の炭素原子を有する直
鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す。代表的なC1−C6アルコキシ基にはメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなどが含まれる。用語
「C1−C6アルキル」はその定義範囲内に用語「C1−C4アルキル」を含む。
「ジ(C1−C4)アルキルアミノ」は一般アミノ基に結合した1〜4個の炭素
原子を有する2つの直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す。代表的なジ(C1
−C4)アルキルアミノ基にはジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルプ
ロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、ブチルメチルアミノ、sec−ブチ
ルエチルアミノなどが含まれる。
「C1−C4アルキルスルフィニル」はスルフィニル部分に結合した1〜4個の
炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す。代表的なC1−C4ア
ルキルスルフィニル基にはメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピル
−スルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルなどが含まれ
る。
「C1−C4アルキルスルホニル」はスルホニル部分に結合した1〜4個の炭素
原子を有する直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖を表す。代表的なC1−C4アルキ
ルスルホニル基にはメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピル−スルホニ
ル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどが含まれる。
「置換フェニル」は以下から選択される1〜3個の置換分で置換されているフ
ニル環を表す:ハロ、シアノ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、アミノ
またはハロ(C1−C4)アルキル。
「置換C3−C7シクロアルキル」は以下から選択される1〜3個の置換分で置
換されているシクロアルキル環を表す:ハロ、シアノ、C1−C4アルキル、C1
−C4アルコキシ、アミノまたはハロ(C1−C4)アルキル。
特許請求している化合物はシスまたはトランス配座のいずれでも存在し得る。
本出願では、シスはカルボキサミド部分がベンゾイミダゾール環に対してシスで
ある化合物を表し、トランスはカルボキサミド部分がベンゾイミダゾール環に対
してトランスである化合物を表すこととする。特許請求している化合物の範囲に
は両方の異性体が含まれる。
上記のように、本発明は式Iで定義される化合物の製薬的に許容される塩を含
む。本発明の化合物は十分な酸性基、十分な塩基性基または両方の官能基を有す
ることができ、したがってたくさんの無機塩基、および無機および有機酸と反応
し、製薬的に許容される塩を形成する。
本明細書中に用いる用語「製薬的に許容される塩」とは、生物に対し実質的に
無毒な上記式の化合物の塩を表す。代表的な製薬的に許容される塩には本発明の
化合物を鉱酸または有機酸または無機塩基と反応させて製造される塩が含まれる
。
そのような塩は酸付加塩および塩基付加塩として知られる。
一般に酸付加塩の形成に用いられる酸は無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨ
ウ化水素酸、硫酸、リン酸など、および有機酸、例えばp−トルエンスルホニッ
ク、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、蓚酸、p−ブロモフェニルスルホン
酸、炭酸、琥珀酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などである。
上記製薬的に許容される塩の例は硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、
重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロ
リン酸塩、クロライド、ブロミド、ヨーダイド、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカ
ン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘ
プタン酸塩、プロピオル酸塩、蓚酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸、セ
バシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシ
ン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、
ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩
、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン
酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコー
ル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホ
ン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マン
デル酸塩などである。好ましい製薬的に許容される酸付加塩は無機酸、例えば塩
酸および硫酸と形成される塩、および有機酸、例えばマレイン酸およびメタンス
ルホン酸と形成される塩である。
塩基付加塩には、無機塩基、例えばアンモニアまたはアルカリ金属もしくはア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などから生じる塩が含まれる。し
たがって、本発明の塩の製造に有用な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム
、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが含まれる。カリウ
ムおよびナトリウム塩形態は特に好ましい。
塩が全体として製薬的に許容され、対イオンが全体としての塩に対し望ましく
ない性質を与えない限り、本発明の塩部分を形成する個々の対イオンは重要では
ないと認識すべきである。
本発明の好ましい化合物は化合物:[式中:
aは0、1または2であり;
Rはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ
またはジ(C1−C4)アルキルアミノであり;
R0は水素であり;
R2はアミノであり;
R3はジメチルアミノ、C1−C6アルキル、ハロ(C1−C6)アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C3−C7シクロアルキル、置換C3−C7シクロアルキル、
チエニル、チアゾリジニル、ピロリジノ、ピペリジノまたはモルホリノであり;
R4は水素、メチルまたはエチルであり;
R5は水素、メチルまたはエチルである]
または製薬的に許容されるその塩である。
これらの好ましい化合物のうち、より好ましいのは式I[式中:
aは0または1であり;
Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキ
シ、ジメチルアミノであり;
R3はC1−C4アルキル、フェニル、置換フェニル、C3−C7シクロアルキル
または置換C3−C7シクロアルキルである]
で示される化合物または製薬的に許容されるその塩である。
これらの化合物のうち、最も好ましいのは式:で示される化合物または製薬的に許容されるその塩である。
式Iの化合物は、適当な置換アセトアミドを塩基と反応させて対応するアニオ
ンを得、次いでこれを式IAの適当な置換ケトン体と反応させてカルビノール中
間体を得ることによって製造することができる。この反応は通常、ケトン反応物
に対して過剰の塩基およびアセトアミド反応物を用いて、有機溶媒中、約−90
℃〜室温で1〜12時間行う。このアセトアミドは反応に用いる前に適当な保護
基で保護するのが好ましい。代表的な塩基には水素化ナトリウム、リチウムジ
イソプロピルアミド(LDA)およびn−ブチルリチウムが含まれる。好ましい
塩基はn−ブチルリチウムである。用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性で
あり、反応物が所望の反応を行うのに十分に可溶である限り、溶媒の選択は重要
ではない。この反応に用いるのに適当な溶媒はテトラヒドロフランであり、一方
アセトアミド反応物を溶媒として用いることもできる。カルビノール中間体は一
般に、反応を−78℃で開始し、徐々に室温にまであたためる場合、約1〜18
時間で製造される。反応はHPLCによってモニターでき、反応が実質的に完了
した時点で酸を加えてクエンチする。代表的な酸には塩酸、臭化水素酸、ギ酸な
どが含まれる。好ましい酸は濃塩酸である。得られたカルビノール中間体は前も
って単離または精製せずに脱水するのが好ましい。
具体的には、カルビノール中間体は約室温〜混合物の還流温度で30分〜12
時間酸と反応させ、所望の式Iの化合物を得る。代表的な酸には塩酸、臭化水素
酸、ギ酸、酢酸および酸を組み合わせたものが含まれる。好ましい酸の組み合わ
せは濃塩酸を含むギ酸である。所望の化合物は一般に、反応を混合物の還流温度
の少し下の温度で行い、約30分〜7時間で製造する。反応は例えば、HPLC
によってモニターして、確実に完了させるのが好ましい。
式Iの化合物は好ましくは単離し、得られたシス/トランス異性体を当分野に
既知の手法を用いて分離する。例えばシスおよびトランス型の単離化合物はカラ
ムクロマトグラフィー、例えば逆相HPLCを用いて分離できる。化合物は適当
な割合のアセトニトリルおよび水、またはメタノールおよび水を用いてカラムか
ら溶出させることができる。シス型化合物はhυ照射に露出することによってシ
ス/トランス混合物に変換でき、上記精製工程により回収できる。
式IAのケトン中間体は当分野の技術文献に詳述の手法にしたがって製造でき
る。例えば、ケトン中間体は以下の反応式Iにしたがって製造できる。反応式I [式中:
Xはシアノまたは−COOR’(ここにR’はC1-C4アルキルである)であり
;
X’はハロであり;
a、R、R0、R1、R2およびR3は上記定義のとおりである]
上記反応式Iは反応1−4を行うことによって完了する。反応が完了した後、
所望ならば、当分野に既知の手法によって中間体化合物を単離できる。例えば、
化合物を結晶化し、次いでろ過によって集めることができ、あるいは反応溶媒を
抽出、蒸発またはデカンテーションによって取り除くことができる。中間体化合
物は所望ならば、反応式の次の工程を行う前に結晶化、またはシリカゲルもしく
はアルミナのような固形支持体のクロマトグラフィーのような一般的技術によっ
てさらに精製することができる。
反応I.1はまず適当な置換ハロ−ニトロアニリンおよび適当な置換フェニル
アセトニトリルまたはベンゾエートを有機溶媒中、約−10℃〜約40℃の温度
で1〜24時間塩基に暴露し、ケトン前駆体を得ることによって完了する。この
反応は通常、等モル濃度比の反応物を2当量の塩基の存在下に用いて行う。代表
的な塩基には水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムジイソプロ
ピルアミド(LDA)が含まれる。好ましい塩基はカリウムt−ブトキシドであ
る。この反応に用いるのに適当な溶媒の例には、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミドなどが含まれる。用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であ
り、反応物が所望の反応を行うのに十分に可溶である限り、溶媒の選択は重要で
はない。ケトン前駆体は一般に、反応を0℃で開始し、室温にまであたためなが
ら、約1〜15時間で製造する。このケトン前駆体は前もって単離または精製せ
ずに同反応混合物中で酸化するのが好ましい
具体的には、ケトン前駆体は約0℃〜約30℃の温度で30分〜15時問酸化
剤と反応させ、対応するケトン化合物を得る。代表的な酸化剤には過酸化水素、
酸素および空気が含まれる。酸素および空気は通常、気泡として反応混合物に通
す。好ましい酸化剤は過酸化水素であり、好ましくは30%溶液とする。このケ
トン体は通常、反応を0℃〜室温の間で行うと、約30〜5時間で製造される。
この反応は例えばTLCでモニターし、確実に完了させるのが好ましい。
反応I.2では、ケトン体のニトロ置換分を当分野に既知の手法にしたがって
還元し、対応するジアミノベンゾフェノン化合物を得る。例えば、ニトロ置換分
を、触媒を用いて水素化すること、例えば反応I.1から単離したケトン体をエ
タノールまたはテトラヒドロフラン中の水素ガスおよび触媒と混合することによ
って還元することができる。好ましい触媒はパラジウム−炭素またはラネーニッ
ケルである。用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、ニトロ反応物が
所望の反応を行うのに十分に可溶である限り、溶媒の選択は重要ではない。水素
ガスは通常、60psiまでの圧力下、好ましくは約30psi下で用いる。こ
の反応は通常、約0℃〜約40℃の範囲の温度で行った場合、約1〜24時間後
に実質的に完了する。この反応は約20℃〜約30℃の範囲の温度で、約2〜5
時間行うのが好ましい。
反応I.3では、アルコール性溶媒、例えばイソプロパノール中、ベンゾフェ
ノン化合物を臭化シアンと反応させることによって、反応I.3から単離した化
合物をニトリル中間体を経て環化する。通常、反応は約0℃〜約30℃の温度で
行う。ベンゾフェノン化合物を完全に溶解し、得られた溶液を臭化シアンと混合
する。臭化シアンは通常、溶液形態(例えばアセトニトリル中3−7M)で加え
る。この反応は通常、反応混合物を室温で攪拌した場合、1〜18時間後に完了
する。しかし、ある例ではニトリル中間体は反応混合物から析出するであろう。
所望のケトン体を形成するため、この沈殿を単離し、次いでアルコール性溶媒、
例えばイソプロパノール中で1〜4時間還流し、式Iの所望のケトン化合物を得
る。
式:
[式中:
X’、R0およびR3は上記定義のとおりである]
で示される化合物は、式:
[式中:
Yはクロロまたはフルオロであり、ただしX’がフルオロである場合、Yはク
ロロではない]
で示される化合物のクロロまたはフルオロ置換分を有機溶媒中、式:NH2R3(
式中、R3は上記定義のとおりである)で示される一級アミンと置きかえること
によって製造される。この反応は酸スカベンジャー、例えば炭酸カリウムまたは
大過剰の一級アミンの存在下に行うこともできる。代表的な溶媒にはテトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが含まれる。こ
の反応は一般的に、約20℃〜約80℃の温度で行うと、1〜20時間で完了す
る。次いで、得られたアルキル化ハロニトロアニリンを上記反応式Iに記載のよ
うに反応させる。
R2が−NHC(O)(C1−C6アルキル)である式Iの化合物は、当分野に
既知の手法にしたがってケトン中間体、またはR2がアミノである式Iの対応す
る化合物をアシル化することによって製造できる。例えば、アミン化合物は、好
ましくは三級アミンのような酸スカベンジャー、好ましくはトリエチルアミンの
存在下に適当なアシルハライド、イソシアネートまたはクロロホルメートでアシ
ル化できる。好ましいアシル化試薬は無水酢酸である。この反応は通常、約−2
0℃〜約25℃の温度で行う。この反応用の代表的な溶媒にはエーテルおよび塩
素化炭化水素、好ましくはジエチルエーテル、クロロホルムまたはメチレンクロ
ライドが含まれる。アミン反応物は一般に、アシル化反応物と等モル濃度比で、
好ましくは等モル濃度量の酸スカベンジャー、例えば三級アミンの存在下に用い
る。この反応用の好ましい酸スカベンジャーはN−メチルモルホリン(NMM)
である。
本発明の化合物の合成に出発物質として用いる化合物は当分野に既知であり、
市販されていなくても当分野に一般に用いる標準的手法によって容易に合成でき
る。
上記工程を実行する際、二次反応が起こるの防ぐため、化学保護基を反応物に
導入することが望ましいことがあることは当業者の理解するところであろう。反
応物に存在することもあるアミン、アルコール、アルキルアミンまたはカルボキ
シ基のいずれも、残りの分子が所望の様式で反応する能力に対し有害に作用しな
い標準的アミノ−、アルコール−またはカルボキシ−保護基のいずれかを用いて
保護することができる。次いで種々の保護基は、当分野に既知の方法を用いて同
時または連続的に除去できる。
本発明の製薬的に許容される塩は通常、式Iの化合物を等モル濃度もしくは過
剰量の酸または塩基と反応させることによって形成させる。反応物は一般に、酸
付加塩に対しては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール
、エタノール、イソプロパノール、ベンゼンなどに、あるいは塩基付加塩に対し
ては水、アルコールまたは塩素化溶媒、例えばメチレンクロライドなどの相溶性
溶媒中で混合する。塩は通常、約1時間〜約10日以内に溶液から析出し、ろ過
および他の慣用方法によって単離できる。
以下に製造例および実施例を挙げ、本発明の具体的態様をさらに例示する。し
かし、これらの実施例は例示のためだけのものであり、いかなる意味においても
本発明の範囲を限定するためのものではなく、そのように考えるべきではないこ
とが理解されるべきである。
以下の製造例および実施例では、用語融点、核磁気共鳴分析、電子衝撃質量分
析、電界脱離質量分析、高速原子衝撃質量分析、赤外分析、紫外分析、元素分析
、高性能液体クロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーはそれぞれ「m
.p.」、「NMR」、「EIMS」、「MS(FD)」、「MS(FAB)」、
「IR」、「UV」、「Analysis」、「HPLC」および「TLC」という略語
を用いる。MS(FD)データは、特に記載しない限り質量数として表す。さら
に、IR分析に対して表記した吸収最大値は興味深いもののみであり、観測され
たすべての最大値でない。
NMR分析に関して、以下の略語を用いる:「s」は一重項であり、「d」は
二重項であり、「dd」は二重の二重項であり、「t」は三重項であり、「q」
は四重項であり、「m」は多重項であり、「dm」は二重の多重項であり、「b
r.s」、「br.d」、「br.t」および「br.m」はそれぞれブロード
な一重項、二重項、三重項および多重項である。「J」はヘルツ(Hz)のカッ
プリング定数を示す。特に記載がなければ、NMRデータは対象化合物の遊離塩
基を表す。
300MHz機器で得た。化学シフトはデルタ、δ値(テトラメチルシランからダウン
フィールドの百万当たりの部分)で表す。MS(FD)分析は炭素樹枝状結晶エ
ミッターを用いるVarion-MAT 731分光器で測定した。EIMS分析は
Consolidated Electrodynamics CorporationのCEC 21‐110装置で得た。IR分
析はPerkin-Elmer 281機器で得た。UV分析はCary 118機器で得た。TLCはE.
Merckシリカゲルプレートで行った。融点は補正していない。
実施例1
A.2−イソプロピルアミノ−4−フルオロ−ニトロベンゼン
テトラヒドロフラン400mL中の2,4−ジフルオロニトロベンゼン43.
35mL(400mmol)および炭酸カリウム55g(約400mmol)の冷(0℃
)混合物にイソプロピルアミン約34.4mL(400mmol)を加えた。この反
応混合物を室温にまであたため、60時間反応させ、次いでろ過した。炭酸カリ
ウムを酢酸エチルで洗浄し、次いで有機層を減圧下で濃縮し、所望の化合物を結
晶させ、次いでこれをろ過によって単離し、少量のヘキサンで洗浄した。収量:
66.37g、黄色結晶(84%)。
B.3−イソプロピルアミノ−4−ニトロ−2’,3’-ジフルオロベンゾフェ ノン
ジメチルホルムアミド80mL中の2,3−ジフルオロフェニルアセトニトリ
ル7.65g(50mmol)および実施例1Aの化合物9.9g(50mmol)の冷
(0℃)混合物にカリウムt−ブトキシド11.22g(100mmol)を加えた
。この反応混合物を室温にまであたため、約1時問反応させた。TLCで測定し
、反応が実質的に完了した時点で、混合物を0℃に冷却し、次いで過酸化水素3
0%溶液15mLを加えた。混合物を室温にまであたため、一晩攪拌し、次いで
1N塩酸1Lに注ぎ、オレンジ色固形物16gを形成させ、これをさらに精製す
ることなく用いた。
C.3−イソプロピルアミノ−4−アミノ−2’,3’−ジフルオロベンゾフェ ノン
実施例1Bの化合物をテトラヒドロフラン250mL中、ラネーニッケル触媒
2.1gを用いて60psiの水素(気体)下に6時間水素化した。この反応混
合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、固形物14gを得、これをさらに精製す
ることなく用いた。
D. イソプロピルアルコール125mL中の実施例1C14gの冷(0℃)混合物
に臭化シアン1当量(5Mアセトニトリル溶液9.6mL)を加えた。得られた
混合物を室温にまであたため、2日間攪拌し、次いで減圧下で濃縮し、残留物を
得た。この残留物を酢酸エチルに溶解し、次いで超音波破砕し、結晶13.0g
を形成させた。
元素分析(C17H16N3OBrF2として):
計算値: C,51.53; H,4.07; N,10.61; Br,20.17;
実測値: C,51.64; H,4.17; N,10.51; Br,20.41.
E.
酢酸エチル中の実施例1Dに1N水酸化ナトリウムを加えて所望の化合物を得
た。得られた層を分離し、有機層を減圧下で濃縮した。
収量:9.34g(62%)。
元素分析(C17H15N3OF2として):
計算値: C,64.76; H,4.80; N,13.33;
実測値: C,64.97; H,4.78; N,13.40.
F.
テトラヒドロフラン200mL中のビス(トリメチルシリル)アセトアミド1
8.8mL(76mmol)の冷(−78℃)溶液にヘキサン中の2.5M n−ブ
チルリチウム30.4mL(76mmol)をゆっくりと加え、続いて実施例1E3
.0g(9.5mmol)を加えた。この反応混合物を−78℃で8時間攪拌し、次
いで室温にまであたためた。HPLCで反応の実質的完了が示された時点で、濃
塩酸6.4mL(76mmol)を加えて反応をクエンチし、次いで減圧下で濃縮し
、油状物を得、次いでこれを1%濃塩酸を含むギ酸に溶解した。この混合物を9
5℃で4時間反応させた。HPLCで反応の実質的完了が示された時点で、混合
物を減圧下で濃縮し、油状物を得た。この油状物を逆相HPLC(水中のアセト
ニトリルで溶出)を用いて分離し、副標題化合物のシスおよびトランス異性体を
得た。
シス
特性化していない
トランス
元素分析(C19H21N4O2F2Clとして):
計算値: C,55.55; H,5.15; N,13.64;
実測値: C,54.21; H,4.93; N,12.98.
実施例2 N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミドを用い、実質的に実施例1F
に記載のように本化合物を製造した。
シス
特性化していない
トランス
元素分析(C20H23N4O2F2Clとして):
計算値: C,56.54; H,5.46; N,13.19;
実測値: C,56.32; H,5.10; N,13.06. 実施例3 以下のように製造した溶液にn−ブチルリチウム(15.85mmol)をゆっく
りと加えたことを除いては、実質的に実施例1Eにしたがって本化合物を製造し
た。テトラヒドロフラン中のビス(トリメチルシリル)アミド(1当量)および
N−エチルアセトアミド(1当量)の冷(−78℃)溶液を1時間攪拌し、次い
でクロロトリメチルシラン(1当量)を加えた。得られた溶液を15分間攪拌し
、次いでゆっくりと室温にまであたためた。
注記:溶液はn−ブチルリチウムの添加前に再び−78℃に冷却した。
シス
特性化していない
トランス
元素分析(C21H22N4OF2・HCl−H2Oとして):
計算値: C,57.47; H,5.74; N,12.76;
実測値: C,57.25; H,5.65; N,12.74. 実質的に実施例1A−Fに記載のように以下の化合物を製造した。
実施例4 シス
MS(FD):338(M+).
元素分析(C19H19N4OF・HClとして):
計算値: C,60.88; H,5.38; N,14.95;
実測値: C,60.62; H,5.66; N,14.78.
トランス
MS(FD):338(M+).
元素分析(C19H19N4OF・HCl・1.2H2Oとして):
計算値: C,57.56; H,5.70; N,14.13;
実測値: C,57.26; H,5.28; N,13.75.
実施例5 シス
元素分析(C23H18N4O2F2として):
計算値: C,65.71; H,4.32; N,13.33;
実測値: C,65.44; H,4.30; N,13.05.
トランス
元素分析(C23H18N4O2F2として):
計算値: C,65.71; H,4.32; N,13.33;
実測値: C,63.22; H,4.63; N,12.63.
実施例6 シス
特性化していない
トランス
MS(FD):382(M+).
元素分析(C21H20N4OF2・HCl・1.2H2Oとして):
計算値: C,57.26; H,5. ; N,12.72;
実測値: C,57.21; H,5.08; N,12.47.
実施例7 シス
MS(FD):364(M+).
元素分析(C21H21N4OF・1.2HClとして):
計算値: C,61.79; H,5.48; N,13.73;
実測値: C,61.68; H,5.60; N,13.56.
トランス
MS(FD):364(M+).
元素分析(C21H21N4OF・HClとして):
計算値: C,62.92; H,5.53; N,13.98;
実測値: C,62.78; H,5.55; N,13.68.
実質的に上記実施例2に記載のように以下の化合物を製造した。
実施例8 シス
MS(FD):378(M+).
元素分析(C22H23N4OF・HCl・0.5H2Oとして):
計算値: C,62.33; H,5.94; N,13.22;
実測値: C,62.33; H,5.74; N,12.98.
トランス
MS(FD):378(M+).
元素分析(C22H23N4OF・HCl・0.2H2Oとして):
計算値: C,63.14; H,5.88; N,13.39;
実測値: C,63.00; H,5.92; N,13.33.
実施例9 シス
MS(FD):350(M+).
元素分析(C20H19N4OF・1.5HCl・1.5H2Oとして):
計算値: C,55.59; H,5.48; N,12.97;
実測値: C,55.92; H,5.24; N,12.80.
トランス
MS(FD):350(M+).
元素分析(C20H19N4OF・1.6HClとして):
計算値: C,58.77; H,5.08; N,13.71;
実測値: C,58.89; H,5.42; N,12.55.
実施例10 シス
特性化していない
トランス
MS(FD):366(M+).
元素分析(C21H23N4OF・1.4HClとして):
計算値: C,60.42; H,5.89; N,13.42;
実測値: C,60.28; H,6.15; N,13.24.
実質的に実施例1A−Fに詳述のように以下の化合物を製造した。実施例11 実施例12 本発明の化合物はウイルス複製複合体(ウイルス性および細胞性タンパク質の
膜結合複合体)の構造および/または機能を妨げることによりプラス鎖ウイルス
RNAの複製を阻害することがわかっている。非常に低いレベルの薬物耐性を示
す突然変異ライノウイルスおよびエンテロウイルスが単離されている。これらの
突然変異体は「3A」として知られるウイルス遺伝子が発現するタンパク質に1
つのアミノ酸置換を有している。それゆえ、本発明の化合物は3A機能を阻害す
ることによってライノウイルスおよびエンテロウイルスを阻害する。この3A遺
伝子は複製複合体のタンパク質を細胞内膜に結合させる足場タンパク質として働
く疎水性タンパク質をコードしている。
C型肝炎ウイルス(HCV)およびウシ下痢性ウイルス(BVDV)のような
フラビウイルスの複製戦略は上記ライノウイルスおよびエンテロウイルスのもの
と類似している。特に両ファミリーのウイルスは細胞質複合体においてマイナス
鎖RNA中間体を介して複製する1本鎖のメッセンジャー−センスRNAを有す
る。さらに両ファミリーのウイルスはそのゲノムをポリタンパク質に翻訳し、次
いでこれは切断される。さらに、両ウイルスの複製複合体は細胞内膜に堅く結合
する。最後に、両ファミリーのウイルスは、ウイルス複製に必要な5’および3
’側非翻訳領域が存在するなど、類似のゲノム構造を有する。この細胞内膜結合
に関与する2つのHCVタンパク質:NS2およびNS4が存在する。NS2ま
たはNS4のどちらかはピコルナウイルス3Aタンパク質に類似すると推定され
る。
したがって、本発明のもう1つの態様は、フラビウイルス感染の処置または予
防方法であって、それを必要としている宿主に有効量の式Iの化合物または製薬
的に許容されるその塩を投与することを特徴とする方法である。C型肝炎を予防
するのが好ましい。
上記のように、本発明の化合物は抗ウイルス剤として有用である。これらは種
々のエンテロウイルスおよびライノウイルスに対し阻害活性を示している。本発
明の態様は、ピコルナウイルス感染の処置または予防方法であって、それを必要
としている宿主に有効量の式Iの化合物または製薬的に許容されるその塩を投与
することを特徴とする方法である。
本明細書中に用いる用語「有効量」は、ウイルスの複製を阻害することができ
る式Iの化合物の量を意味する。本発明の方法に包含されるピコルナウイルスの
阻害には、治療または予防処置のどちらも適当に含まれる。治療または予防効果
を得るために本発明にしたがって投与する化合物の具体的な投与量はもちろん、
例えば投与する化合物、投与経路、処置される症状および処置される個体を含む
、そのケースを取り巻く特定の環境によって決められる。典型的な1日当たりの
投与量には約0.01mg/kg〜約50mg/体重kgの投与量レベルの本発
明の活性な化合物が含まれる。好ましい1日当たりの投与量は一般的に、約0.
05mg/kg〜約20mg/kgであり、理想的には約0.1mg/kg〜約
10mg/kgである。
本発明の化合物は経口、直腸内、経皮、皮下、静脈内、筋肉内および鼻腔内を
含む種々の経路によつて投与することができる。本発明の化合物は投与前に製剤
化するのが好ましい。それゆえ、本発明のもう1つの態様は、有効量の式Iの化
合物または製薬的に許容されるその塩および製薬的に許容される担体、希釈剤ま
たは賦形剤を含む医薬製剤である。
上記製剤中の活性成分は製剤の重量の0.1%〜99.9%を構成する。用語
「製薬的に許容される」は、担体、希釈剤または賦形剤が他の製剤成分と融和性
であり、その服用者に有害でないことを意味する。
本医薬製剤は、周知であり容易に入手可能な成分を用いて、既知の手法により
製造する。本発明の組成物を調製するには、通常、活性成分を担体と混合し、あ
るいは担体で希釈し、あるいはカプセル、サシエ、ペーパーまたはその他の容器
の形とすることができる担体中に包含させる。担体が希釈剤として働く場合、活
性成分のビヒクル、賦形剤または媒体として働く固形物、半固形物または液状物
とすることができる。したがって、この組成物は錠剤、ピル剤、粉末剤、トロー
チ剤、サシエ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤
、エアロゾル剤、(固形物として、あるいは液体媒体中)、例えば活性な化合物
を重量の10%まで含む軟膏剤、ゼラチン軟および硬カプセル剤、坐剤、滅菌注
射溶液剤、滅菌パッケージ粉末剤などの剤型とすることができる。
以下の製剤例は単に例示的なものであり、いかなる意味においても本発明の範
囲を限定するためのものではない。用語「活性成分」は式Iで示される化合物ま
たは製薬的に許容されるその塩を意味する。
製剤例1
以下の成分を用いてゼラチン硬カプセル剤を製造する。
製剤例2
以下の成分を用いて錠剤を製造する。
これらの成分を混合し、圧縮して665mg重量の各錠剤を成型する。
製剤例3
以下の成分を含むエアロゾル溶液剤を製造する。
活性成分をエタノールと混合し、この混合物をプロペラント22の一部に加え
、−30℃に冷却し、充填装置に移す。次いで必要量をステンレス鋼の容器に移
し、残りのプロペラントで希釈する。次いでバルブ部分を容器に取り付ける。製剤例4
活性成分60mgを含む各錠剤を以下のように製造する。
活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシュ米国ふるいに通し
、十分に混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を得られた粉末と混合し
、
次いでこの混合物をNo.14メッシュ米国ふるいに通す。このように製造した
顆粒を50℃で乾燥し、No.18メッシュ米国ふるいに通す。次いで、前もっ
てNo.60メッシュ米国ふるいに通しておいたカルボキシメチルデンプンナト
リウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、混合後、錠剤成
型装置で圧縮し、150mg重量の各錠剤を得た。
製剤例5
活性成分80mgを含む各カプセル剤を以下のように製造する。
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、
No.45メッシュ米国ふるいに通し、200mg量をゼラチン硬カプセルに充
填する。製剤例6
活性成分225mgを含む各坐剤を以下のように製造する。
活性成分をNo.60メッシュ米国ふるいに通し、前もって必要最少加熱で融
解させた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで、この混合物を名目2g容量
の坐剤型に注ぎ、冷却する。
製剤例7
投与量5mL当たり活性成分50mgを含む各懸濁剤を以下のように製造する
。
活性成分をNo.45メッシュ米国ふるいに通し、カルボキシメチルセルロー
スナトリウムおよびシロップと混合し、滑らかなペーストを製造する。安息香酸
溶液、香料および着色料を水で希釈し、攪拌しながら加える。次いで十分量の水
を加え、必要量を製造する。
製剤例8
静脈内製剤を以下のように製造できる。
上記成分の溶液を通常、1分当たり1mLの速度で患者に静脈内投与する。
式Iの化合物の特定ウイルス阻害能を示すために以下の実験を行った。
抗−ピコルナウイルスアッセイの試験方法
アフリカ緑ザル腎臓細胞(BSC‐1)またはHela細胞(5−3)を25
ccFalconフラスコ中の5%不活性化ウシ胎児血清(FBS)、ペニシリン(1
50単位1mL)およびストレプトマイシン(150μg/mL)を含む培地1
99中、37℃で培養した。全面成長単層が形成された時点で、上清培養培地を
除去し、適当に希釈したウイルス(エコー、メンゴ、コクサッキー、ポリオまた
はライノウイルス)0.3mLをそれぞれのフラスコに加えた。1時間室温で吸
着させた後、ウイルスを感染させた細胞シートを、1%イオン寒天(Ionagar)N
o.2(1部)、およびFBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含み、
薬物を100、50、25、12、6、3および0μg/mLの濃度で含む2倍
強度の培地199(1部)からなる培地に重ねた。薬物を含まないフラスコは本
試験の対照標準として用いた。ビニルアセチレンベンゾイミダゾールのストック
溶液をジメチルスルホキシドで希釈し、104μg/mLの濃度にした。次いで
、
このフラスコをポリオ、コクサッキー、エコーおよびメンゴウイルスに対して3
7℃で72時間、ライノウイルスに対して32℃で120時間インキュベートし
た。ウイルスプラークは細胞中のウイルスが感染および再生した領域に見られた
。10%ホルマリンおよび2%酢酸ナトリウムの溶液をそれぞれのフラスコに加
え、ウイルスを不活性化し、細胞シートをフラスコ表面に固定した。ウイルスプ
ラークは、周りの細胞領域をクリスタルバイオレットで染色した後に、サイズに
関係なくカウントした。各薬物濃度においてプラークのカウントを対照標準のカ
ウントと比較した。試験化合物の活性はプラークの減少パーセントまたは阻害パ
ーセントで表した。一方、プラーク形成を50パーセント阻害する薬物の濃度を
活性の尺度として用いることができる。50パーセント阻害は記号IC50で示
す。
インビトロCPE/XTT抗−BVDVアッセイ
MDBK細胞を96ウェルミクロタイタープレートにエール(Earl)の平
衡塩溶液(EBSS)、2%ウマ血清、ペニシリン(100単位/mL)および
ストレプトマイシン(100μg/mL)を含む最少必須培地の入ったウェル当
たり10,000細胞で分配した。プレートを37℃のCO2インキュベーター
で一晩培養した。次いで、MDBK細胞を〜0.02moi(感染多重度)のウ
シウイルス性下痢ウイルス(BVDV,ATCC VR−534)で感染させた
。このウイルスを細胞に1−2時間吸着させた後、連続希釈した薬物を含む培地
または培地のみをウェルに加えた。さらに3−4日間インキュベートした後(培
地のみのウェルに広がったcpeがはっきりと認められた時点で)、以下に記載
のXTTアッセイを行って試験薬物の抗−ウイルス性作用を評価した。
FBSを含まないあたたかい培地に対し、1mg/mLのXTT[2,3−ビ
ス(メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム−5
−カルボキシアニリド、内部塩、ナトリウム塩]を新たに調製し、直ちに用いた
。XTT溶液各5mLに対し、リン酸緩衝塩溶液中の5mM PMS(フェナジ
ンメトスルフェイト)25μLを加えた。次いで、新たに調製したXTT/PM
S混合物50μLを各ミクロタイターウェルに加えた。37℃(CO2)で3−
4時間あるいは色の変化が顕著になるまでインキュベートした。450nmでの
吸
光度/基準650nmを分光器で読み取った。次いで、各用量作用曲線の直線部
分から、無薬物無ウイルス対照標準と比べて50%の細胞毒性作用を引き起こす
のに必要な薬物の濃度(TC50)およびウイルス細胞変性作用(cpe)の発生
を50%阻害するのに必要な薬物の濃度(IC50)を決定した。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
UZ,VN,YU
(72)発明者 スピッツァー,ウェイン・エイ
アメリカ合衆国46254インディアナ州イン
ディアナポリス、モラー・ロード5501番
(72)発明者 テッブ,マーク・ジェイ
アメリカ合衆国46220インディアナ州イン
ディアナポリス、ノース・シャーマン・ド
ライブ6202番