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JP2000312544A - ヒトt細胞が生着したマウス、その作出方法およびその用途 - Google Patents

ヒトt細胞が生着したマウス、その作出方法およびその用途

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Publication number
JP2000312544A
JP2000312544A JP11123183A JP12318399A JP2000312544A JP 2000312544 A JP2000312544 A JP 2000312544A JP 11123183 A JP11123183 A JP 11123183A JP 12318399 A JP12318399 A JP 12318399A JP 2000312544 A JP2000312544 A JP 2000312544A
Authority
JP
Japan
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cells
human
mouse
blood
bone tissue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11123183A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Nakauchi
啓光 中内
Yutaka Fujiki
豊 藤木
Togu Kin
東具 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Priority to US09/429,110 priority patent/US6627792B2/en
Publication of JP2000312544A publication Critical patent/JP2000312544A/ja
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New or modified breeds of animals
    • A01K67/027New or modified breeds of vertebrates
    • A01K67/0271Chimeric vertebrates, e.g. comprising exogenous cells

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 免疫細胞を欠損する近交系マウスにヒト
由来骨組織を移植することによるヒトT細胞生着マウス
の作出方法、該方法により得られうるヒトT細胞生着マ
ウス。該マウスにHIVを感染させることによる該HI
V感染症マウスモデルの作出方法および該方法により得
られうる該HIV感染症マウスモデル。 【効果】 本発明の方法により得られるヒトT細胞生着
マウスは、長期間にわたり末梢血中に高頻度にヒトT細
胞が出現し、且つそのCD4陽性細胞/CD8陽性細胞
比が従来の血液キメラマウスに比べて高いので、優れた
HIV感染症モデルとなり得る。また、T細胞の増殖分
化を解析するためのモデル、腫瘍細胞移植による腫瘍免
疫の効果を調べるためのレシピエントとしても極めて有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトT細胞の分化
増殖またはその機能等のインビボ(in vivo)での解析
のための動物モデルとして有用な、ヒトT細胞が生着し
た新規マウスおよびその作出方法に関する。より詳細に
は、本発明は、B細胞およびT細胞をはじめとする免疫
細胞を欠損する近交系マウスにヒト由来骨組織を移植す
ることを特徴とする該新規マウスの作出方法、および該
方法により得られうる、長期にわたり血中にヒトT細胞
が高比率で存在する新規マウスに関する。さらに、本発
明は、該新規マウスのヒト免疫不全ウイルス(以下、H
IVと略称する)感染モデルとしての応用に関する。
【0002】
【従来の技術】AIDS克服への多くの努力がこれまで
になされてきているが、いまだ高い罹患率、死亡率を誇
るこの感染症の決定的な治療法は確立されていない。A
IDS治療の動物レベルでの研究における大きな障壁の
1つは、マウスのような汎用の小動物にはHIVが感染
しないということである。最近ではrhesus monkey のよ
うな霊長類を用いた実験も行われてはいるが、それらは
非常に高価であり、研究室レベルでの実験に頻用するこ
とは困難である。したがって、HIVに感染し得るよう
に人為的に処理されたマウスモデルの開発が大いに望ま
れている。
【0003】上記の課題を解決するための主要なアプロ
ーチは、HIVが感染し得るヒト由来免疫細胞をマウス
体内に存在させることである。そのため、ヒト血液細
胞、特にT細胞を含むかそれらを産生し得る組織をマウ
スに移植して、当該細胞を有するマウスモデルを作出し
ようとする試みが数多くなされてきた。例えば、J.M. M
cCune らは、遺伝子再構成能に異常があるために成熟し
たBおよびT細胞が先天的に欠損したC.B.−17
scid/scidマウス(以下、SCIDマウスと称
する)にヒト胎児組織(胸腺と肝臓、骨)を腎皮膜下に
移植することにより、肝臓や骨髄由来の造血幹細胞が移
植ヒト胸腺を経由して末梢に出現し、末梢血中にヒトT
細胞が同定されるSCID−huマウスを作製した(Sc
ience, 241(4873): 1632-1639 (1988))。しかし、この
マウスは、たいていの場合ヒト細胞の出現頻度は非常に
低く、また、ヒト胎児組織の入手も容易ではないため、
広く普及するには至っていない。一方、ヒト末梢血の有
核細胞もしくはIL−2で刺激した末梢血をSCIDマ
ウスの腹腔内に投与することにより作成され、同様にヒ
トT細胞が末梢血中に出現するhu−PBL−SCID
マウスは(D.E. Mosierら, Nature, 335(6187): 256-25
9 (1988))、SCID−huマウスに比べてその作出が
圧倒的に容易であることから、現在HIV感染の実験的
モデルとして数多く用いられている。しかしながら、こ
のマウスでもやはりヒトT細胞の出現頻度は低く、ま
た、CD4+細胞/CD8+細胞比(以下、単にCD4/
CD8比と略称する)が通常とは異なり一般にCD8陽
性細胞が優性になる、といった欠点があった。いずれの
マウスモデルもヒトT細胞の末梢血に占める頻度が少な
いことから、放射線照射や抗NK抗体の投与により血中
のT細胞キメリズムを改善する試みがなされてきた(D.
K. Kimら, Eur. J. Haematol., 61(2): 93-99 (199
8))。
【0004】最近開発されたNOD/Shi−scid
Jic(NOD/SCID)マウスは、従来のSCI
Dマウスに比べて、NK細胞やマクロファージのような
T細胞およびB細胞以外の免疫細胞の活性も低く、5〜
10倍もヒト細胞が生着しやすいマウスである(R.M. H
esseltonら, J. Infect. Dis., 172(4): 974-982 (199
5))。しかし、このマウスをhu−PBL−SCIDの
レシピエントとして使用してもやはりCD8陽性細胞優
性であり、HIV感染のモデルとしてはいまだ不十分で
あると考えられた。
【0005】一方、成人由来の骨組織をSCIDマウス
に移植したとする報告はこれまでにいくつか見られるも
のの(Y. Heikeら, Blood, 86(2): 524-530 (1995))、
ヒトT細胞が生着したとするものはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のヒ
トT細胞生着マウスはいずれも、血中へのヒトT細胞の
出現頻度が低い、その効果が長期にわたって持続しな
い、および/またはCD4/CD8比がヒトにおけるそ
れと異なりCD8陽性細胞優性である、等の欠点を有し
ており、未だHIV感染症モデルとして満足のいく実験
的マウスモデルは得られていないのが現状である。した
がって、本発明の目的は、長期間にわたって血中に高頻
度にヒトT細胞が出現し、且つCD4/CD8比がヒト
におけるそれに近似するようなヒトT細胞生着マウスお
よびその作出方法を提供することであり、該マウスモデ
ルをHIVに感染させることによって、従来よりも優れ
たHIV感染マウスモデルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、B細胞お
よびT細胞をはじめとする免疫細胞が欠損した近交系マ
ウス、特にNOD/SCIDマウスをレシピエントとし
て、成人由来の骨組織を移植した結果、T細胞が増殖す
るのみならず、長期にわたりその高い血中キメリズムを
示すマウスを作出することに成功した。また、これらの
マウスでは血中および各臓器におけるCD4/CD8比
が、従来公知のマウスモデルよりも有意に高く、HIV
感染モデルとしてより好適であることを確認した。さら
に、このマウスにHIVを実際に感染させて、感染後の
CD4陽性T細胞の減少を確認して該マウスモデルが優
れたHIV感染モデルとなることを実証して本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)少なくとも2ヶ月間ヒト骨組織由来のT細胞が末
梢血中に存在し、且つその間のある時期において血中の
ヒト細胞の割合が少なくとも10%、好ましくは30%
を超えることを特徴とするヒトT細胞が生着したマウ
ス。 (2)ヒト由来骨組織を、少なくともB細胞およびT細
胞を含む免疫細胞を欠損する近交系マウス、好ましくは
さらにNK細胞および/またはマクロファージ活性に欠
損のある近交系マウス、就中NOD/SCIDマウスに
移植する、好ましくは該レシピエントの腹膜外腔に移植
することを特徴とする、ヒトT細胞が生着したマウスの
作出方法。 (3)上記(2)の方法により得られうるヒトT細胞が
生着したマウスであって、少なくとも移植後約1ヶ月か
ら約3ヶ月までの2ヶ月間ヒト骨組織由来のT細胞が末
梢血中に存在し、且つその間のある時期において血中の
ヒト細胞の割合が少なくとも10%、好ましくは30%
を超えることを特徴とするマウス。 (4)該ヒトT細胞の一部がHIVに感染し得るもので
ある上記(1)または(3)のマウス。 (5)上記(4)のマウスをHIVに感染させることを
特徴とする実験的HIV感染マウスモデルの作出方法。 (6)上記(5)の方法により得られうる実験的HIV
感染マウスモデル。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のマウスは、少なくとも2
ヶ月間ヒト骨組織由来のT細胞が末梢血中に存在し、且
つその間のある時期において血中のヒト細胞の割合が少
なくとも10%を超えるものであれば、いかなる方法に
より作出されるものであってもよく、その起源も特に制
限されない。しかしながら、好ましくは、本発明のマウ
スは、ヒト由来骨組織を、少なくともB細胞およびT細
胞を含む免疫細胞を欠損する近交系マウス、好ましくは
さらにNK細胞および/またはマクロファージ活性に欠
損のある近交系マウスに移植することにより作出される
ものである。B細胞およびT細胞を欠損する近交系マウ
スとしては、例えばSCIDマウス等が挙げられる。ま
た、さらにNK細胞および/またはマクロファージ等の
他の免疫細胞の活性に欠損のある近交系マウスとして
は、NOD/SCIDマウスが例示される。このよう
に、先天性免疫細胞欠損マウスにヒト由来骨組織を移植
することにより作出されたヒトT細胞生着マウスでは、
移植後約4週間目から末梢血中にヒトT細胞が出現し、
ある時期において血液細胞に占めるヒト細胞の割合が少
なくとも10%を超える。好ましくはこのようなマウス
では、血液細胞に占めるヒト細胞の割合が少なくとも3
0%を超え、最高では50%を超える場合もある。この
ような高頻度の出現は、少なくとも移植後約3ヶ月目ま
で持続する。
【0010】本発明の特に好ましい実施態様において
は、レシピエントとしてNOD/SCIDマウスが使用
される。マウスの性別・齢等は特に制限はないが、例え
ば、8〜12週齢のものを用いることができる。マウス
の飼育管理はコンベンショナルなものであってよいが、
好ましくはSPFグレードのものが使用される。
【0011】本発明のマウスにおいて、移植されるヒト
骨組織は、骨髄細胞を含むヒト由来の骨組織であれば、
その部位やドナーの状態等は特に制限されないが、好ま
しくは胎児以外のヒト骨組織、より好ましくは成人由来
の骨組織である。例えば、成人の肋骨由来の骨組織など
が挙げられる。しかしながら、遊離の骨髄細胞を使用す
ると、T細胞の生着は認められるが、その血中への出現
頻度は低くその効果も長期に及ばないことから、移植さ
れる骨組織は、骨髄の立体構造が維持され、また、マウ
ス体内でヒト体内の微小環境を再現できるように間質
(stroma)細胞を含むものであることが好ましい。
【0012】移植される骨組織は、例えば、手術時に摘
出された骨を直後に、あるいは使用時まで0〜4℃程度
の低温で保存した後、骨髄組織が露出するように6〜8
mm程度の大きさに無菌的に細切する。移植骨組織片中
に含まれる骨髄細胞は106〜109 個程度、好ましく
は107 〜108個程度、最も好ましくは2〜5×10
7 程度である。
【0013】所望により、骨組織の移植に先だって、レ
シピエントマウスの自己免疫系の機能を低下させる目的
で、マウスに放射線を照射したりあるいは抗NK抗体を
投与することができるが、前処理をせずに移植を行う態
様も同様に好ましい。放射線を照射する場合、例えば、
3.0〜3.2Gy程度の亜致死線量を照射する。
【0014】ヒト骨組織は、それを移植されたマウスに
結果としてヒトT細胞が生着し得る限りいずれの部位に
移植されてもよいが、好ましくは皮下、腹膜外腔に移植
される。この際、骨組織は露出した骨髄面が腹膜に密着
するように移植することが好ましい。
【0015】移植後のマウスは、移植前と同様の条件下
で飼育管理すればよい。移植後、末梢血中へのヒトT細
胞の出現は、2〜4週間毎に採血して、これを例えばフ
ローサイトメトリー法で分析することによりモニタリン
グすることができる。例えば、眼底静脈叢や尾静脈等よ
り採取した末梢血から赤血球を溶血して白血球を濃縮
し、抗ヒトCD45抗体および種々の分化抗原(例え
ば、CD3、CD13、CD19、CD33、CD3
4、CD56等)に対する抗体で二重染色して、細胞自
動選別機能を有するフローサイトメーター(FACS)
を用いて解析する。T細胞はCD3陽性であるから、ヒ
トT細胞はCD45陽性/CD3陽性として検出され
る。
【0016】本発明のマウスは、T細胞に加えてヒトB
細胞がさらに生着する場合がある。B細胞の生着は、移
植時に放射線を照射しないマウスでより高頻度に出現す
る。また、B細胞の生着はT細胞より約2週間遅れる傾
向が認められる。B細胞はCD19陽性であるから、上
述のフローサイトメトリーにおいてCD45陽性/CD
19陽性として検出することができる。
【0017】本発明のマウスは、末梢血中だけでなく各
種臓器内にヒトT細胞が出現する。ヒトT細胞のキメリ
ズムは臓器によって異っており、肝臓および脾臓に多く
出現するが、骨髄では少ない。末梢血や胸腺においては
その中間的分布を示す。
【0018】本発明のマウスは、従来公知のヒトT細胞
生着マウスと比較してCD4/CD8比が高いことを特
徴とする。この傾向は、他の臓器よりも末梢血において
特に高い。CD4陽性T細胞は、他のT細胞やB細胞の
機能を補助するヘルパー細胞(CD45白血球共通抗原
のうちCD45ROを発現する)またはキラーT細胞等
を誘導するヘルパー/インデューサー細胞(CD45白
血球共通抗原のうちCD45RAを発現する)である。
前者は感作された記憶細胞、後者は未熟なT細胞に相当
する。一方、CD8陽性T細胞は細胞傷害性のキラーT
細胞である。
【0019】本発明のマウスの末梢血中に出現するヒト
T細胞はまた、ヒト末梢血T細胞の90%以上を占め
る、αβT細胞レセプター(αβTCR)を発現するT
細胞であり、さらにCD45RO陽性の成熟記憶細胞タ
イプのT細胞である。また、該ヒトT細胞は一部しか活
性化マーカーを発現しておらず、あまり強く活性化され
てはいない。
【0020】本発明のマウス末梢血中に出現するヒトT
細胞はポリクローナル性であり、種々のタイプのVβマ
ーカー抗原を発現する細胞が混在している。
【0021】本発明のマウスの末梢血中に出現するヒト
T細胞のさらなる特徴は、CD4陽性細胞の一部におい
てHIV感染のコレセプター(co-receptor)であるC
XCR4を発現していることである。したがって、本発
明のマウスはHIV感染症モデルとして好適に使用し得
る。
【0022】本発明のマウスに、感染に十分な量のHI
Vを投与(例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、皮内、腹
腔内投与等)することにより、HIV感染症マウスモデ
ルを作出することができる。HIVはヒトT細胞のうち
CD4陽性細胞に特異的に感染するので、ウイルス感染
はCD4/CD8比の減少をモニタリングすることによ
り確認することができる。
【0023】本発明のマウスは、HIV感染モデルとし
て以外に、例えば、T細胞の発生と分化の解析用のモデ
ルや腫瘍細胞移植による腫瘍免疫の効果を調べるための
レシピエントとしても好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範
囲を何ら限定するものではない。
【0025】実施例1 マウスへのヒト骨組織の移植 NOD/Shi−scid Jicマウス(日本クレア
より購入)を筑波大学動物実験センターで飼育し、8〜
12週齢のものをレシピエントとして用いた。ヒト骨組
織は、筑波大学胸部外科で成人の肺癌患者から手術時に
摘出された肋骨を、インフォームドコンセントを得た後
譲り受け、移植まで数時間4℃で保存した。該肋骨を、
骨髄組織が露出するように、6〜8mmの大きさ(骨髄
細胞数にして約2〜5×107個)に無菌的に細切し
た。亜致死線量(300cGy)の放射線を照射したN
OD/SCIDマウスの皮下、腹膜外腔に、骨髄面が腹
膜に密着するように移植した。なお、移植の際は、マウ
スはネンブタール腹腔内投与により麻酔した。
【0026】比較例1 マウスへの浮遊骨髄細胞の移植 実施例1で得られた肋骨片より骨を除いて浮遊細胞とし
た骨髄細胞(約2×107個)をNOD/SCIDマウ
スに尾静脈注射して移植した。
【0027】試験例1 骨組織または骨髄細胞移植マウ
スの末梢血キメリズムの推移 実施例1で得られた骨組織移植マウスの末梢血を、移植
後2週間以降に1〜4週間毎の様々な間隔で麻酔下に眼
底静脈叢より採取した。赤血球を塩化アンモニウムで溶
血し、濃縮した白血球を抗ヒトCD45抗体および種々
の分化抗原(CD3、CD13、CD19、CD33、
CD34およびCD56)に対する抗体で染色し、セル
ソーター(FACS Vantage; Becton Dickinson社製)で解
析した。白血球細胞を上記抗体と混和した後、染色用培
地で2回洗浄し、死細胞をゲートアウトするためPIを
さらに加えた。FACSの解析は3または4色にて行
い、少なくとも白血球30,000個以上のデータを解
析した。その結果、ヒト細胞(CD45陽性細胞)は移
植後2週間ではマウス末梢血中に検出されず、4週より
出現した。さらに移植後8週にはその頻度は増加し、あ
るマウスでは移植後10週の時点で50%を超える細胞
がヒト由来となった。末梢血中へのヒト細胞の出現はそ
の後も持続し、少なくとも移植後12週までは検出され
た(図1A)。生着した細胞の大多数はT細胞であり、
移植後8週におけるCD45陽性細胞に占めるCD3陽
性細胞(すなわち、T細胞)の割合は69.5±17.
5%(n=9)であった(図2b)。一方、比較例1で
得られた浮遊骨髄細胞移植マウスの末梢血は、ヒト細胞
キメラになるもののキメリズムは低く(図1B)、また
T細胞はほとんど認められなかった(図2c)。
【0028】試験例2 ヒト骨組織移植マウスにおける
B細胞の生着 実施例1で得られたマウスより試験例1と同様にして採
取し、処理した末梢血由来の濃縮白血球を、抗CD19
抗体と抗CD3抗体とで染色して、FACSで分析し
た。その結果、一部のマウスでは、T細胞とともにB細
胞の生着も認められた。B細胞の生着は放射線照射レシ
ピエントマウスの3%に、非照射マウスの42%に認め
られた。また、B細胞はT細胞の生着より2週ほど遅れ
て検出される傾向があった(図3)。一方1匹を除き、
全てのマウスにミエロイド、エリスロイドおよびNK細
胞は同定されなかった。
【0029】試験例3 ヒト骨組織移植マウスの外観お
よび病理学的検索 実施例1で得られたヒト骨組織移植マウスは成長も良
く、下痢や体重減少といった移植片対宿主病(GVH
D)様の兆候を認めなかった。移植後8週では移植した
ヒト骨組織の骨髄部分は脂肪組織に置換されていた。胸
腺は同定できないか、存在しても非常に小さかった。脾
臓や肝臓の腫大はなく、腫脹も発赤も認めなかった。末
梢血で20%程度のキメリズムを示したマウスを安楽死
させ、肝臓および脾臓を摘出し、ホルマリン固定した
後、肝臓をヘマトキシリン−エオシン染色し、また、肝
臓および脾臓に酵素標識した抗CD3抗体を用いて免疫
染色を行った。その結果、肝臓ではヒトリンパ球は正常
組織と比較的境界明瞭で異型リンパ球があたかもコロニ
ーを形成しているかのように存在していた(図4および
5)。脾臓では免疫組織染色の結果、ヒトリンパ球は瀰
慢性に存在しているかのように見えた(図6)。腎臓で
は急性尿細管壊死の所見はなく、ヒトリンパ球の浸潤は
認めるものの、GVH反応とは異なる様相を呈した。
【0030】試験例4 各臓器でのキメリズム 実施例1で得られたマウスの一部を安楽死させ、骨髄、
脾臓、肝臓、胸腺および移植骨組織を摘出して、それぞ
れから血球細胞を分離し濃縮白血球を得た。これを抗ヒ
トCD45抗体および抗CD4抗体で染色し、FACS
を用いて解析した。その結果、ヒトリンパ球は肝臓と脾
臓に多く、骨髄には少なく、末梢血ではその中間程度の
分布を示した(図7A)。選別されたCD45陽性細胞
について、さらに抗CD4抗体および抗CD8抗体を用
いてFACS解析を実施した。その結果、ヒトT細胞の
ほとんどは、CD4陽性もしくはCD8陽性のシングル
ポジティブT細胞であったが、一部にCD4陽性/CD
8陽性のダブルポジティブT細胞が存在した(図7
B)。このことはヒトT細胞がマウス臓器内で分化して
いることを示唆している。
【0031】試験例5 マウス末梢血中のヒトT細胞の
表現型 生着したヒトT細胞の特性をさらに明確にするため、種
々の抗体を用いてヒト細胞を染色した。試験例1と同様
にして調製した濃縮白血球を、抗CD4抗体と抗CD8
抗体、抗αβTCR抗体と抗γδTCR抗体、抗CD4
5RA抗体と抗CD45RO抗体、並びに抗CD69抗
体と抗HLA−DR抗体でそれぞれ染色し、FACSで
解析した。その結果、このT細胞はαβTCRを持ち、
CD45RA陰性・RO陽性であることから成熟した記
憶細胞タイプのT細胞と思われた。また、この細胞には
活性化マーカーであるCD69やHLA−DRは一部に
しか発現していなかった(図8B)。
【0032】試験例6 ヒトT細胞のクローナリティー
の確認 生着したヒトT細胞のクローナリティーを確認するた
め、FACSとRT−PCRを行った。FACSでは抗
Vβ3TCR抗体、抗Vβ5.2TCR抗体、抗Vβ
8.1および8.2抗体を用い、CD45、CD3とと
もに染色した(表1)。またキメラマウスの末梢血RN
AからcDNAに逆転写し、23種類のVβ特異的プラ
イマーでRT−PCRを行った(表2)。表より明らか
なように、ヒトT細胞のポリクローナリティーが確認で
きた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】試験例7 マウス末梢血中のヒトT細胞に
おけるHIVレセプターの発現 HIV感染モデルとして用いることができるかを検討す
るために、CD4陽性細胞にHIVのコレセプターであ
るCXCR4が発現しているかをFACSにより確認し
た(図9)。その結果、ヒト末梢血に比して頻度は低い
ものの、CD4陽性/CXCR4陽性のダブルポジティ
ブT細胞が存在することが確認された。
【0036】実施例2 HIV感染モデルの作製 そこで、骨組織移植後7週で、末梢血中のヒトT細胞キ
メリズムが8.3%のマウスにHIVを静注により感染
させ、その2週後に採血してCD4/CD8比の変化を
FACSにて解析した(図10)。その結果、キメリズ
ムは5.5%に減少し、CD4/CD8比は20.1%
から4.0%となり、CD4陽性細胞が有意に減少し
た。血清中のウイルス抗原p24もELISA法により
検出可能で、この感染マウスはウイルス血症となってい
ることが判明した。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、長期間にわたっ
て末梢血中に高頻度にヒトT細胞が出現する血液キメラ
マウスを作製することが可能であり、ヒトT細胞の分化
増殖およびその機能のインビボでの解析の有用な手段と
なる。また、腫瘍細胞を移植してその免疫応答を調べる
ためのレシピエントとしても有用である。さらに、本発
明の方法により作出される血液キメラマウスは、従来の
マウスよりもCD4/CD8比が高く、また、HIVレ
セプターであるCD4およびCXCR4マーカーの両者
を発現するT細胞を含むので、HIV感染症のモデルと
して極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト骨組織(A)およびヒト骨髄細胞(B)を
移植されたマウスの末梢血細胞に占めるヒト細胞の割合
の変化を示す図である(図中、*は途中で死亡したこと
を、**は他の分析のために処分したことを示してい
る)。
【図2】ヒト骨組織(b)およびヒト骨髄細胞(c)を
移植されたマウスの末梢血細胞に占めるヒトT細胞およ
びヒト非T細胞の割合を示す図である。(a)はコント
ロール(ヒト末梢血)である(各象限の肩の数値は全体
に占める割合(%)を示している)。
【図3】ヒト骨組織を移植されたマウスの末梢血におけ
るヒトT細胞およびヒトB細胞の出現の変化を示す図で
ある(CD45陽性細胞のみをゲーティングした)。
【図4】ヒト骨組織を移植されたマウス(上)および未
処理のレシピエントマウス(下)の肝臓のヘマトキシリ
ン−エオシン染色像を示す図である。
【図5】ヒト骨組織を移植されたマウス(上)および未
処理のレシピエントマウス(下)の肝臓の免疫染色像を
示す図である。
【図6】ヒト骨組織を移植されたマウスの脾臓の免疫染
色像を示す図である。
【図7】ヒト骨組織を移植されたマウスの骨髄、脾臓、
肝臓、末梢血、胸腺および移植骨組織におけるヒト細胞
の出現頻度(A)、並びに該ヒト細胞のCD4陽性およ
びCD8陽性の割合(B)を示す図である(各象限の肩
の数値は全体に占める割合(%)を示している)。
【図8】ヒト末梢血中のT細胞(A)およびヒト骨組織
を移植されたマウスの末梢血に出現するヒトT細胞
(B)の特性を示す図である(CD3陽性細胞のみをゲ
ーティングした)。
【図9】ヒト骨組織を移植されたマウス(B)の末梢血
に出現するヒトT細胞の一部がCD4およびCXCR4
のダブルポジティブT細胞であることを示す図である
(矢印で示した領域の細胞がHIV感染性である)。
(A)はコントロール(ヒト末梢血)である。いずれの
場合もCD3陽性細胞のみをゲーティングした。
【図10】ヒト骨組織を移植されたマウスの末梢血に出
現するCD4陽性ヒトT細胞が、HIV感染により有意
に減少することを示す図である(各象限の肩の数値は全
体に占める割合(%)を示している)。測定はCD3陽
性細胞のみをゲーティングして行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 東具 アメリカ合衆国、ニュー ヨーク州 10021、ニュー ヨーク、イースト シッ クスティー サード ストリート、500、 アパートメント 8ジー Fターム(参考) 4B065 AA91X AA94X AC20 BD12 CA44 CA46 CA60

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2ヶ月間ヒト骨組織由来のT
    細胞が末梢血中に存在し、且つその間のある時期におい
    て血中のヒト細胞の割合が少なくとも10%を超えるこ
    とを特徴とするヒトT細胞が生着したマウス。
  2. 【請求項2】 ある時期において血中のヒト細胞の割合
    が少なくとも30%を超えることを特徴とする請求項1
    記載のマウス。
  3. 【請求項3】 ヒト由来骨組織を、少なくともB細胞お
    よびT細胞を含む免疫細胞を欠損する近交系マウスに移
    植することを特徴とする、ヒトT細胞が生着したマウス
    の作出方法。
  4. 【請求項4】 レシピエントが、さらにNK細胞および
    /またはマクロファージ活性に欠損のある近交系マウス
    である請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 レシピエントがNOD/SCIDマウス
    である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 ヒト由来骨組織をレシピエントの腹膜外
    腔に移植することを特徴とする請求項3〜5のいずれか
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の方法に
    より得られうるヒトT細胞が生着したマウスであって、
    少なくとも移植後約1ヶ月から約3ヶ月までの2ヶ月間
    ヒト骨組織由来のT細胞が末梢血中に存在し、且つその
    間のある時期において血中のヒト細胞の割合が少なくと
    も10%を超えることを特徴とするマウス。
  8. 【請求項8】 ある時期において血中のヒト細胞の割合
    が少なくとも30%を超えることを特徴とする請求項7
    記載のマウス。
  9. 【請求項9】 該ヒトT細胞の一部がヒト免疫不全ウイ
    ルスに感染し得るものである請求項1、2、7および8
    のいずれかに記載のマウス。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のマウスをヒト免疫不全
    ウイルスに感染させることを特徴とする実験的ヒト免疫
    不全ウイルス感染マウスモデルの作出方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の方法により得られう
    る実験的ヒト免疫不全ウイルス感染マウスモデル。
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