JP2000303290A - 振動吸収性ゴム補強用コード - Google Patents
振動吸収性ゴム補強用コードInfo
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- JP2000303290A JP2000303290A JP10686699A JP10686699A JP2000303290A JP 2000303290 A JP2000303290 A JP 2000303290A JP 10686699 A JP10686699 A JP 10686699A JP 10686699 A JP10686699 A JP 10686699A JP 2000303290 A JP2000303290 A JP 2000303290A
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴム補強材として単純に弾性率を上げると、
ゴム−繊維複合体の振動吸収性が低下してしまう。これ
を補強用の繊維コードの粘弾性特性を特定の範囲内とす
る事で、振動吸収性を改善する。 【解決手段】 コード強度が4.2cN/dtex以
上、1.75cN/dtex荷重時伸度が4.0%以下
であり、35Hzでの動的粘弾性測定において、70℃
での損失正接(tanδ)が0.06以上である事を特
徴とする。
ゴム−繊維複合体の振動吸収性が低下してしまう。これ
を補強用の繊維コードの粘弾性特性を特定の範囲内とす
る事で、振動吸収性を改善する。 【解決手段】 コード強度が4.2cN/dtex以
上、1.75cN/dtex荷重時伸度が4.0%以下
であり、35Hzでの動的粘弾性測定において、70℃
での損失正接(tanδ)が0.06以上である事を特
徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム補強用に適し
た繊維コードに関するものであり、特に、改善された振
動吸収性を有し、タイヤコードやVベルトなどのゴム補
強用途に好適な繊維コードを提供するものである。
た繊維コードに関するものであり、特に、改善された振
動吸収性を有し、タイヤコードやVベルトなどのゴム補
強用途に好適な繊維コードを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルタイヤコードに代表される
ポリエステル高強力糸は物性面、コスト面でのバランス
に優れた有機繊維であり、産業資材用繊維として広くか
つ大量に使用されている。
ポリエステル高強力糸は物性面、コスト面でのバランス
に優れた有機繊維であり、産業資材用繊維として広くか
つ大量に使用されている。
【0003】中でも、自動車タイヤ特に乗用車用タイヤ
は、タイヤ構造のラジアル化が進み、高速走行時の乗り
心地や操縦安定性が優れ、かつ、燃費節約のため、軽量
であることが要求されており、そのため、タイヤ補強用
繊維としては、高強力で高弾性率特性が強く求められて
いる。
は、タイヤ構造のラジアル化が進み、高速走行時の乗り
心地や操縦安定性が優れ、かつ、燃費節約のため、軽量
であることが要求されており、そのため、タイヤ補強用
繊維としては、高強力で高弾性率特性が強く求められて
いる。
【0004】ところが、たとえばこのようなラジアルタ
イヤのカーカス素材としてはいまだにレーヨン繊維コー
ドが使用されているのも事実である。
イヤのカーカス素材としてはいまだにレーヨン繊維コー
ドが使用されているのも事実である。
【0005】さらに、タイヤのキャッププライと呼ばれ
るベルト部の外層領域にはナイロン66が使用されてい
る。
るベルト部の外層領域にはナイロン66が使用されてい
る。
【0006】それぞれの場所にそれぞれの素材が使い分
けられているのには理由があるのだが、いずれの素材も
現状で満足できるものではなく、改善を常に求められて
いる。
けられているのには理由があるのだが、いずれの素材も
現状で満足できるものではなく、改善を常に求められて
いる。
【0007】たとえば、レーヨンコードでは基本的に強
度が低いためにゴム補強材として使用するためには、よ
り太いコードを用いたり、複数の補強層を重ね合わせた
りして使用する必要がある。
度が低いためにゴム補強材として使用するためには、よ
り太いコードを用いたり、複数の補強層を重ね合わせた
りして使用する必要がある。
【0008】このことは、コード自体のコストアップに
なるのみならず、ゴム−繊維複合体の厚みが増すこと
で、複合体自体の重量が大きくなり、タイヤや駆動ベル
トなど駆動手段自体を駆動するのに必要となるエネルギ
ー量が増し、環境負荷が高くなってしまう。
なるのみならず、ゴム−繊維複合体の厚みが増すこと
で、複合体自体の重量が大きくなり、タイヤや駆動ベル
トなど駆動手段自体を駆動するのに必要となるエネルギ
ー量が増し、環境負荷が高くなってしまう。
【0009】ナイロン66繊維は繊維の強度も高く、上
記のレーヨンコードのような問題は生じないが、基本的
に弾性率が低く、強度あわせでゴム補強材として使用す
ると、ゴム−繊維複合体の動的な弾性率が相対的に低く
なり、駆動に対する応答性(たとえばタイヤでは操縦安
定性)、が低くなるという問題があった。
記のレーヨンコードのような問題は生じないが、基本的
に弾性率が低く、強度あわせでゴム補強材として使用す
ると、ゴム−繊維複合体の動的な弾性率が相対的に低く
なり、駆動に対する応答性(たとえばタイヤでは操縦安
定性)、が低くなるという問題があった。
【0010】その他の部材、たとえば、タイヤのキャッ
ププライなどの用途にも剛性をあげるなどの目的で、こ
のような高弾性率が求められていたが、ゴム部の温度上
昇伴う、接着部の破壊の可能性から、接着部の耐熱性の
高い、ナイロン66が使用されることが多かった。
ププライなどの用途にも剛性をあげるなどの目的で、こ
のような高弾性率が求められていたが、ゴム部の温度上
昇伴う、接着部の破壊の可能性から、接着部の耐熱性の
高い、ナイロン66が使用されることが多かった。
【0011】そして何よりもコストや重量増の問題を差
し置いても、レーヨン、ナイロン66、スチールの組み
合わされたタイヤが高級車用タイヤとしていまだに、使
用されつづけているのは上記のような個々の問題に加
え、操縦安定性や乗り心地といった総合的な性能が優れ
ているために他ならない。以上のような状況下におい
て、タイヤでいえば、操縦安定性と乗り心地のバラン
ス、ベルトなどでは無用な振動による機械負荷の増大を
防ぐことあるいは無用な騒音を防ぐことがタイヤやベル
トなどの繊維補強ゴム素材では求められている。
し置いても、レーヨン、ナイロン66、スチールの組み
合わされたタイヤが高級車用タイヤとしていまだに、使
用されつづけているのは上記のような個々の問題に加
え、操縦安定性や乗り心地といった総合的な性能が優れ
ているために他ならない。以上のような状況下におい
て、タイヤでいえば、操縦安定性と乗り心地のバラン
ス、ベルトなどでは無用な振動による機械負荷の増大を
防ぐことあるいは無用な騒音を防ぐことがタイヤやベル
トなどの繊維補強ゴム素材では求められている。
【0012】上記の課題を解決するために、我々は上記
のような問題を個別要因に分解し、それぞれに必要な特
性を整理、解析した上で、補強用繊維の分子レベルから
必要な特性を見直し、さらに補強用コードとしての構成
要素にまで戻した上で、対策を検討しようと試みた。
のような問題を個別要因に分解し、それぞれに必要な特
性を整理、解析した上で、補強用繊維の分子レベルから
必要な特性を見直し、さらに補強用コードとしての構成
要素にまで戻した上で、対策を検討しようと試みた。
【0013】タイヤにおける操縦安定性や駆動ベルトに
おける駆動応答性などは基本的に補強材の弾性率が高く
なれば改善されることは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)繊維、レーヨン、アラミド繊維、PBO繊維
などが好んで用いられることから明らかである。
おける駆動応答性などは基本的に補強材の弾性率が高く
なれば改善されることは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)繊維、レーヨン、アラミド繊維、PBO繊維
などが好んで用いられることから明らかである。
【0014】一方、乗り心地や、振動抑制に対しては、
基本的にはゴムの部分が吸収したエネルギーの一部を熱
として散逸することで大きな寄与をしていることが考え
られる。
基本的にはゴムの部分が吸収したエネルギーの一部を熱
として散逸することで大きな寄与をしていることが考え
られる。
【0015】しかし、実際にはそれほど単純なものでは
なく、たとえば、PETをアラミドに置き換えて、剛性
をあげると、複合体としての振動吸収性が低下してしま
い、バランスが悪い素材になってしまうこと、一方,レ
ーヨンは弾性率がPET繊維などに比べると高いにもか
かわらず、複合体の振動吸収性はそれほど悪くないこと
などが、経験的に知られている。
なく、たとえば、PETをアラミドに置き換えて、剛性
をあげると、複合体としての振動吸収性が低下してしま
い、バランスが悪い素材になってしまうこと、一方,レ
ーヨンは弾性率がPET繊維などに比べると高いにもか
かわらず、複合体の振動吸収性はそれほど悪くないこと
などが、経験的に知られている。
【0016】つまり、一般的に考えれば補強材の弾性率
を上げれば、振動吸収性は低下してしまうが、素材によ
っては、その順位は容易に逆転しうるということであ
る。
を上げれば、振動吸収性は低下してしまうが、素材によ
っては、その順位は容易に逆転しうるということであ
る。
【0017】また、このような現象は、特にラジアルタ
イヤの分野では操縦安定性の向上などの目的からタイヤ
の偏平率が上がり、それにともない、タイヤの内圧が上
昇して来た事により、より顕著に表れて来たのではない
かと思われる。
イヤの分野では操縦安定性の向上などの目的からタイヤ
の偏平率が上がり、それにともない、タイヤの内圧が上
昇して来た事により、より顕著に表れて来たのではない
かと思われる。
【0018】このような点をたとえば、特開平10−2
97211では空気入りタイヤのカーカスコードの動的
粘弾性特性と自動二輪車の操縦安定性との関係を調べ、
特定範囲の動的弾性率と損失正接の範囲のコードを用い
ることで、操縦安定性に優れるタイヤを製造できること
を提案している。
97211では空気入りタイヤのカーカスコードの動的
粘弾性特性と自動二輪車の操縦安定性との関係を調べ、
特定範囲の動的弾性率と損失正接の範囲のコードを用い
ることで、操縦安定性に優れるタイヤを製造できること
を提案している。
【0019】上記発明においては、アラミドコードの構
成を特定の範囲に規定することで、発明を実現している
が、前述のように、操縦安定性は向上するものの、複合
体としての振動吸収性は低下するため、自動二輪車では
ともかく、本願が目的とするような、比較的高級な乗用
車やV−ベルトのような用途では、振動吸収性が不充分
であり、レーヨンや、ナイロン66に取って代わるよう
な素材とはなり得ない。
成を特定の範囲に規定することで、発明を実現している
が、前述のように、操縦安定性は向上するものの、複合
体としての振動吸収性は低下するため、自動二輪車では
ともかく、本願が目的とするような、比較的高級な乗用
車やV−ベルトのような用途では、振動吸収性が不充分
であり、レーヨンや、ナイロン66に取って代わるよう
な素材とはなり得ない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の問題点
を解決し、補強材の弾性率を高いまま維持し、ゴム補強
材としての基本的な高性能化を図るとともに、更に補強
材の構成を適正化することで繊維補強ゴム素材の振動吸
収性を改善したゴム補強用コードを提供することを課題
とする。
を解決し、補強材の弾性率を高いまま維持し、ゴム補強
材としての基本的な高性能化を図るとともに、更に補強
材の構成を適正化することで繊維補強ゴム素材の振動吸
収性を改善したゴム補強用コードを提供することを課題
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決るための
手段、即ち本発明の第1は、原糸繊維を撚糸し、ディッ
プ処理して得られるゴム補強用コードであり、コード強
度が4.2cN/dtex以上、1.75cN/dte
x荷重時伸度が4.0%以下であり、35Hzでの動的
粘弾性測定において、70℃での損失正接(tanδ)
が0.06以上であることを特徴とする振動吸収性ゴム
補強用繊維コードであり、第2は原糸繊維がポリエチレ
ンナフタレート系繊維である請求項1記載の振動吸収性
ゴム補強用繊維コードであり、第3は原糸繊維がアクリ
ル系繊維である請求項1記載の振動吸収性ゴム補強用繊
維コードであり、第4は170℃での過加硫処理後の接
着力保持率が90%以上である請求項1記載の振動吸収
性ゴム補強用繊維コードである。
手段、即ち本発明の第1は、原糸繊維を撚糸し、ディッ
プ処理して得られるゴム補強用コードであり、コード強
度が4.2cN/dtex以上、1.75cN/dte
x荷重時伸度が4.0%以下であり、35Hzでの動的
粘弾性測定において、70℃での損失正接(tanδ)
が0.06以上であることを特徴とする振動吸収性ゴム
補強用繊維コードであり、第2は原糸繊維がポリエチレ
ンナフタレート系繊維である請求項1記載の振動吸収性
ゴム補強用繊維コードであり、第3は原糸繊維がアクリ
ル系繊維である請求項1記載の振動吸収性ゴム補強用繊
維コードであり、第4は170℃での過加硫処理後の接
着力保持率が90%以上である請求項1記載の振動吸収
性ゴム補強用繊維コードである。
【0022】本発明において、コード強度が4.2cN
/dtex以上であることは補強材の基本性能として必
須であり、これ以下であると、コード層の厚みが大きく
なり、結果として繊維補強ゴム素材の総重量が大きくな
り、タイヤや駆動ベルトなど駆動手段自体を駆動するの
に必要となるエネルギー量が増し、環境負荷が高くなっ
てしまう。
/dtex以上であることは補強材の基本性能として必
須であり、これ以下であると、コード層の厚みが大きく
なり、結果として繊維補強ゴム素材の総重量が大きくな
り、タイヤや駆動ベルトなど駆動手段自体を駆動するの
に必要となるエネルギー量が増し、環境負荷が高くなっ
てしまう。
【0023】1.75cN/dtex荷重時伸度が4.
0%以下であることは、コードの弾性率が高いことを表
し、応答性に優れた繊維補強ゴム素材を構成するために
必要であり、これ以上では本発明の目的とする基本的な
繊維補強ゴム素材の高性能化は期待できない。
0%以下であることは、コードの弾性率が高いことを表
し、応答性に優れた繊維補強ゴム素材を構成するために
必要であり、これ以上では本発明の目的とする基本的な
繊維補強ゴム素材の高性能化は期待できない。
【0024】本発明の最大の特徴は上記のような高強
度、高弾性率を有すると同時に70℃での損失正接(t
anδ)が0.06以上ある点である。損失正接が0.
06以上あることで、ゴム素材との振動吸収バランスに
優れ、複合材としての振動吸収性に極めて優れるゴム補
強用繊維コードが提供できる。
度、高弾性率を有すると同時に70℃での損失正接(t
anδ)が0.06以上ある点である。損失正接が0.
06以上あることで、ゴム素材との振動吸収バランスに
優れ、複合材としての振動吸収性に極めて優れるゴム補
強用繊維コードが提供できる。
【0025】ところが、上記のような損失正接が高い繊
維コードでは、複合体の変形に対し、ゴムのみならず、
繊維コード自体のエネルギー吸収及び熱としての散逸が
大きくなるため、繊維コード自体の温度上昇が無視でき
ないレベルになる。この際、特にゴムとの接着界面領域
において、特に負荷が大きい事から、接着破壊が多くな
る事が知られている。
維コードでは、複合体の変形に対し、ゴムのみならず、
繊維コード自体のエネルギー吸収及び熱としての散逸が
大きくなるため、繊維コード自体の温度上昇が無視でき
ないレベルになる。この際、特にゴムとの接着界面領域
において、特に負荷が大きい事から、接着破壊が多くな
る事が知られている。
【0026】したがって、本発明のような強度、弾性
率、損失正接を有する事で、基本的には複合材としての
高性能を維持し、かつ、振動吸収性に優れるゴム補強用
繊維コードが提供できるが、170℃での過加硫処理後
の接着力保持率が90%以上であれば、より好ましい。
率、損失正接を有する事で、基本的には複合材としての
高性能を維持し、かつ、振動吸収性に優れるゴム補強用
繊維コードが提供できるが、170℃での過加硫処理後
の接着力保持率が90%以上であれば、より好ましい。
【0027】このような、繊維コードを構成する素材と
してはたとえば、ポリエチレンナフタレート繊維やアク
リル系繊維があげられる。
してはたとえば、ポリエチレンナフタレート繊維やアク
リル系繊維があげられる。
【0028】ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維
は高強度・高弾性率繊維として知られており、たとえ
ば、P.Rim, Rubber World, November 1995, 23などにタ
イヤコードとしての優れた特性が記載されている。中で
も、素材の高弾性率を利用する事で、コードの撚り数を
上げても、十分なコード弾性率が得られるため、ポリエ
チレンテレフタレートなどと比べて、高い耐疲労性を示
す事も記されている。
は高強度・高弾性率繊維として知られており、たとえ
ば、P.Rim, Rubber World, November 1995, 23などにタ
イヤコードとしての優れた特性が記載されている。中で
も、素材の高弾性率を利用する事で、コードの撚り数を
上げても、十分なコード弾性率が得られるため、ポリエ
チレンテレフタレートなどと比べて、高い耐疲労性を示
す事も記されている。
【0029】ところが、ここで示されているコードは弾
性率に相当する3%伸張時応力が3.5g/d以下とい
う、極めて高弾性率のものであり(1.75cN/dt
ex荷重時伸度が1.7%以下)、このような領域では
構成する分子鎖の伸張度が極めて高くなり、分子運動が
極端に低下し、70℃での損失正接が低下するため、本
願発明のような振動吸収性に優れる繊維コードにはなら
ない。
性率に相当する3%伸張時応力が3.5g/d以下とい
う、極めて高弾性率のものであり(1.75cN/dt
ex荷重時伸度が1.7%以下)、このような領域では
構成する分子鎖の伸張度が極めて高くなり、分子運動が
極端に低下し、70℃での損失正接が低下するため、本
願発明のような振動吸収性に優れる繊維コードにはなら
ない。
【0030】この点については、たとえば、永井ら(繊
学誌、51,478(1997))で、β型結晶からな
るPENのas−spun糸を緊張熱処理する事で、損
失正接が下がっていく事からも明らかである。
学誌、51,478(1997))で、β型結晶からな
るPENのas−spun糸を緊張熱処理する事で、損
失正接が下がっていく事からも明らかである。
【0031】したがって、本願発明にポリエチレンナフ
タレート繊維を用いる場合には1.75cN/dtex
荷重時伸度が2.0%以上である事がより好ましい。
タレート繊維を用いる場合には1.75cN/dtex
荷重時伸度が2.0%以上である事がより好ましい。
【0032】ちなみに、PEN繊維を用いた場合には、
素材自体の化学安定性がPETなどに比べて、優れてい
るため、熱時の接着力低下はほとんど問題とはならず、
むしろ、初期接着力をいかに向上させるか(接着力の絶
対値を向上させるか)に主眼が置かれるが、これはポリ
エステル繊維全体にかかわる問題であり、その方法は特
に限定されない。
素材自体の化学安定性がPETなどに比べて、優れてい
るため、熱時の接着力低下はほとんど問題とはならず、
むしろ、初期接着力をいかに向上させるか(接着力の絶
対値を向上させるか)に主眼が置かれるが、これはポリ
エステル繊維全体にかかわる問題であり、その方法は特
に限定されない。
【0033】一方、本願発明を構成する素材としてアク
リル系繊維を用いた場合には、高強度・高弾性率繊維を
構成させるために、アクリロニトリル比率が95%以上
である事が好ましく、水分存在下での耐熱性を考慮すれ
ば実質的に100%がアクリロニトリルからなる事がよ
り好ましい。
リル系繊維を用いた場合には、高強度・高弾性率繊維を
構成させるために、アクリロニトリル比率が95%以上
である事が好ましく、水分存在下での耐熱性を考慮すれ
ば実質的に100%がアクリロニトリルからなる事がよ
り好ましい。
【0034】また、耐湿熱性を向上させるために、強度
を著しく低下させない範囲で、架橋などを導入しても良
い。
を著しく低下させない範囲で、架橋などを導入しても良
い。
【0035】アクリル系繊維をゴム補強用繊維コードと
して使用した例は、たとえば、特開平10−44251
には、高強度アクリル繊維を用いたゴム複合体の技術が
既に開示されている。
して使用した例は、たとえば、特開平10−44251
には、高強度アクリル繊維を用いたゴム複合体の技術が
既に開示されている。
【0036】ここでは2.25g/d荷重時伸度が2.
7〜3.2%の実験例が開示されている。これは本願発
明で規定する1.75cN/dtex(〜2g/d)荷
重時伸度でいえば、2.4〜2.8%程度に相当すると
考えられ、高強度・高弾性率アクリル繊維の特性、特に
高弾性率を生かした構成であると推定される。
7〜3.2%の実験例が開示されている。これは本願発
明で規定する1.75cN/dtex(〜2g/d)荷
重時伸度でいえば、2.4〜2.8%程度に相当すると
考えられ、高強度・高弾性率アクリル繊維の特性、特に
高弾性率を生かした構成であると推定される。
【0037】アクリル繊維の場合は、粘弾性特性的には
100〜110℃付近に主分散を有し、PEN繊維の場
合(β分散)に対し、その絶対値がもともと高い事か
ら、繊維コードの高弾性率化により、損失正接のピーク
が低下しても、その影響は小さいものの、製品としての
性能に大きな影響を与えると考えられる70℃での損失
正接は、好ましくない範囲まで低下する可能性がある。
したがって、この場合も必要以上の高弾性率化は、振動
吸収性を低下させる事になり、特に1.75cN/dt
ex荷重時伸度が2.0%以上であることが好ましく、
3.0%以上である事がより好ましい。
100〜110℃付近に主分散を有し、PEN繊維の場
合(β分散)に対し、その絶対値がもともと高い事か
ら、繊維コードの高弾性率化により、損失正接のピーク
が低下しても、その影響は小さいものの、製品としての
性能に大きな影響を与えると考えられる70℃での損失
正接は、好ましくない範囲まで低下する可能性がある。
したがって、この場合も必要以上の高弾性率化は、振動
吸収性を低下させる事になり、特に1.75cN/dt
ex荷重時伸度が2.0%以上であることが好ましく、
3.0%以上である事がより好ましい。
【0038】アクリル系繊維を本願発明に適用した場合
も素材の化学安定性、ゴムとの接着性などから、熱時の
接着力保持率には特に問題はないが、処理剤を水系エマ
ルジョンの形で付与する場合には、130℃以下で水分
率を多くとも2%以下まで、好ましくは1%以下まで、
十分乾燥しないと、ヒートセット工程での張力に絶え
ず、コードが破断してしまう。
も素材の化学安定性、ゴムとの接着性などから、熱時の
接着力保持率には特に問題はないが、処理剤を水系エマ
ルジョンの形で付与する場合には、130℃以下で水分
率を多くとも2%以下まで、好ましくは1%以下まで、
十分乾燥しないと、ヒートセット工程での張力に絶え
ず、コードが破断してしまう。
【0039】その一方で、ヒートセット工程やノルマラ
イズ工程の処理温度は180℃以上で有る事が、寸法安
定性を向上させたり、ゴムとの十分な接着力を得るため
に必要であり、190℃以上である事が好ましい。18
0℃以下の処理温度では、コードの収縮率が高くなった
り、接着力が低くなったりして好ましくない。前記のよ
うにこの工程に2%以上の水分を持ち込むとコード破断
が起こってしまう。また、200℃以上で長時間処理す
ると、隣接するニトリル基間で環化反応を起こして縮合
ピリジン環が生成し、その際、シアンガスが発生するの
で危険であり、注意が必要となる。
イズ工程の処理温度は180℃以上で有る事が、寸法安
定性を向上させたり、ゴムとの十分な接着力を得るため
に必要であり、190℃以上である事が好ましい。18
0℃以下の処理温度では、コードの収縮率が高くなった
り、接着力が低くなったりして好ましくない。前記のよ
うにこの工程に2%以上の水分を持ち込むとコード破断
が起こってしまう。また、200℃以上で長時間処理す
ると、隣接するニトリル基間で環化反応を起こして縮合
ピリジン環が生成し、その際、シアンガスが発生するの
で危険であり、注意が必要となる。
【0040】以上の様に、PEN繊維とアクリル系繊維
を本願発明に使用する場合の技術上のポイントに留意す
る必要があるが、本願発明における振動吸収性に優れた
繊維コードを得るために上記素材同士、あるいは他素材
との組み合わせによる複合コードなどによっても実現さ
れるであろう事は容易に類推されるし、上記素材以外を
用いても、本願で規定されるコード特性が得られれば、
本願目的が達成される事は言うまでもない。
を本願発明に使用する場合の技術上のポイントに留意す
る必要があるが、本願発明における振動吸収性に優れた
繊維コードを得るために上記素材同士、あるいは他素材
との組み合わせによる複合コードなどによっても実現さ
れるであろう事は容易に類推されるし、上記素材以外を
用いても、本願で規定されるコード特性が得られれば、
本願目的が達成される事は言うまでもない。
【0041】
【実施例】以下、実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお各
種特性の評価方法は下記の方法に従った。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお各
種特性の評価方法は下記の方法に従った。
【0042】繊度:JIS−L1017に準拠し、20
℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置
後、繊度を測定した。但し、測定時にあらためて乾燥は
行わなかった。
℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24時間放置
後、繊度を測定した。但し、測定時にあらためて乾燥は
行わなかった。
【0043】強伸度:JIS−L1017の定義によ
り、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24
時間放置後、引張試験機により、破断強度、破断伸度、
1.75cN/dtex荷重時伸度を得た。
り、20℃、65%RHの温湿度管理された部屋で24
時間放置後、引張試験機により、破断強度、破断伸度、
1.75cN/dtex荷重時伸度を得た。
【0044】70℃での損失正接:岩本製作所製 動的
粘弾性測定装置を用い、試料長3cm、初荷重1kg
f、周波数35Hz、ひずみ量3%で室温より昇温速度
5℃/分で損失正接を測定し、70℃での測定値を得
た。
粘弾性測定装置を用い、試料長3cm、初荷重1kg
f、周波数35Hz、ひずみ量3%で室温より昇温速度
5℃/分で損失正接を測定し、70℃での測定値を得
た。
【0045】接着力保持率:JIS−1017のTテス
ト(A法)を改良したHテストで接着力を評価する。処
理コードをゴム中に1cmの長さ埋め込み、140℃で
40分、および170℃で180分加硫したのち、ゴム
からコードを300mm/分で引き抜くのに要する力を
N単位で得、下式で求めた。 接着力保持率[%]=(170℃×180分での接着
力)/(140℃×40分での接着力)×100
ト(A法)を改良したHテストで接着力を評価する。処
理コードをゴム中に1cmの長さ埋め込み、140℃で
40分、および170℃で180分加硫したのち、ゴム
からコードを300mm/分で引き抜くのに要する力を
N単位で得、下式で求めた。 接着力保持率[%]=(170℃×180分での接着
力)/(140℃×40分での接着力)×100
【0046】
【実施例1〜3及び比較例1〜5】表1に示すような各
種繊維から、表2に示す条件で処理し、コードとした。
コード特性を表3に示す。なお、振動吸収性については
JIS−L1017のチューブ疲労テスト測定におい
て、チューブ表面温度の平衡温度から、レーヨンコード
の場合と対比して判定した。
種繊維から、表2に示す条件で処理し、コードとした。
コード特性を表3に示す。なお、振動吸収性については
JIS−L1017のチューブ疲労テスト測定におい
て、チューブ表面温度の平衡温度から、レーヨンコード
の場合と対比して判定した。
【0047】この結果から、ゴム補強材としての基本的
な性能を維持する、強度や弾性率を満たした上で、繊維
コードの70℃での損失正接がレーヨンコードよりも高
い場合、チューブの発熱が大きく、振動エネルギーを熱
としてよく散逸している事がわかる。
な性能を維持する、強度や弾性率を満たした上で、繊維
コードの70℃での損失正接がレーヨンコードよりも高
い場合、チューブの発熱が大きく、振動エネルギーを熱
としてよく散逸している事がわかる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明の繊維コードを用いれば、従来よ
りゴム補強素材に要求される特性に加え、振動吸収性に
優れた繊維コードを提供することができる。
りゴム補強素材に要求される特性に加え、振動吸収性に
優れた繊維コードを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小橋 正直 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社つるが工場内 (72)発明者 千葉 修二 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社つるが工場内 Fターム(参考) 4L036 MA04 MA05 MA33 PA18 PA26 RA24 UA25
Claims (4)
- 【請求項1】 原糸繊維を撚糸し、ディップ処理して得
られるゴム補強用コードであり、コード強度が4.2c
N/dtex以上、1.75cN/dtex荷重時伸度
が4.0%以下であり、35Hzでの動的粘弾性測定に
おいて、70℃での損失正接(tanδ)が0.06以
上であることを特徴とする振動吸収性ゴム補強用繊維コ
ード - 【請求項2】 原糸繊維がポリエチレンナフタレート系
繊維である請求項1記載の振動吸収性ゴム補強用繊維コ
ード - 【請求項3】 原糸繊維がアクリル系繊維である請求項
1記載の振動吸収性ゴム補強用繊維コード - 【請求項4】 170℃での過加硫処理後の接着力保持
率が90%以上である請求項1記載の振動吸収性ゴム補
強用繊維コード
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10686699A JP2000303290A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 振動吸収性ゴム補強用コード |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10686699A JP2000303290A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 振動吸収性ゴム補強用コード |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000303290A true JP2000303290A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14444480
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10686699A Pending JP2000303290A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 振動吸収性ゴム補強用コード |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000303290A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7926531B2 (en) | 2005-12-13 | 2011-04-19 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
| JP2016193684A (ja) * | 2015-04-01 | 2016-11-17 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1999
- 1999-04-14 JP JP10686699A patent/JP2000303290A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7926531B2 (en) | 2005-12-13 | 2011-04-19 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
| JP2016193684A (ja) * | 2015-04-01 | 2016-11-17 | 東洋ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
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