JP2000119794A - 耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents
耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄Info
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Landscapes
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水に濡れた状態でも、引張強さ、伸びの低下
を防止した耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳
鉄を提供すること。 【解決手段】 本発明の耐水濡れ脆化に優れるオーステ
ンパ球状黒鉛鋳鉄は、引張試験片の加工した平行部を水
に濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒での引
張試験を行い、伸びが5%以上、または更に引張強さが
900MPa以上とする。そして、Mo含有量が0.3
質量%未満好ましくはMo含有量が0.01質量%に加
え、C:3.5〜3.9質量%、Si:1.5〜2.5
質量%、Mn:0.15〜0.5質量%、Cu:0.3
〜1.5質量%以下、Mg:0.01〜0.06質量
%、残部Feおよび不可避的不純物の組成を含み、黒鉛
粒数が400個/mm2以上からなる。
を防止した耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳
鉄を提供すること。 【解決手段】 本発明の耐水濡れ脆化に優れるオーステ
ンパ球状黒鉛鋳鉄は、引張試験片の加工した平行部を水
に濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒での引
張試験を行い、伸びが5%以上、または更に引張強さが
900MPa以上とする。そして、Mo含有量が0.3
質量%未満好ましくはMo含有量が0.01質量%に加
え、C:3.5〜3.9質量%、Si:1.5〜2.5
質量%、Mn:0.15〜0.5質量%、Cu:0.3
〜1.5質量%以下、Mg:0.01〜0.06質量
%、残部Feおよび不可避的不純物の組成を含み、黒鉛
粒数が400個/mm2以上からなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水等の環境物質によ
るオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の引張強さと伸びの低下を
改善する材料技術に関する。
るオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の引張強さと伸びの低下を
改善する材料技術に関する。
【0002】
【従来の技術】基地組織がオースフェライト組織(オー
スフェライト組織はアシキュラーフェライトと残留オー
ステナイトとの混合組織である。)を有するオーステン
パ球状黒鉛鋳鉄(通常、「ADI」と略記される場合が
ある。)は、フェライト基地組織やパーライト基地組織
を有する従来の球状黒鉛鋳鉄とは異なり、非常に高強度
であり、強度の割に伸びや、衝撃値が高く、疲労強度や
耐摩耗性に優れた材料であるため、鋳鋼、鍛鋼が使用さ
れてきた分野への適用が進みつつある材料である。しか
しながら、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の最近の研究で、
水に濡れた状態で、引張試験を行うと引張強さ、伸びが
低下するという現象が報告されている。例えば、刊行物
「鋳造工学」第70巻(1998)第3号の第194頁
右欄には、「大気中で1000MPaの引張強さ、9%
の伸びを示すADIであっても、水の付着により引張強
さが約700MPa、伸びが2%以下に低下することが
明らかである。」と報告されている。これまでに、この
脆化の抑止方法としては、塗装や、表層にフェライト層
を設ける等がある。
スフェライト組織はアシキュラーフェライトと残留オー
ステナイトとの混合組織である。)を有するオーステン
パ球状黒鉛鋳鉄(通常、「ADI」と略記される場合が
ある。)は、フェライト基地組織やパーライト基地組織
を有する従来の球状黒鉛鋳鉄とは異なり、非常に高強度
であり、強度の割に伸びや、衝撃値が高く、疲労強度や
耐摩耗性に優れた材料であるため、鋳鋼、鍛鋼が使用さ
れてきた分野への適用が進みつつある材料である。しか
しながら、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の最近の研究で、
水に濡れた状態で、引張試験を行うと引張強さ、伸びが
低下するという現象が報告されている。例えば、刊行物
「鋳造工学」第70巻(1998)第3号の第194頁
右欄には、「大気中で1000MPaの引張強さ、9%
の伸びを示すADIであっても、水の付着により引張強
さが約700MPa、伸びが2%以下に低下することが
明らかである。」と報告されている。これまでに、この
脆化の抑止方法としては、塗装や、表層にフェライト層
を設ける等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、従来のオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄では、水等が付着した状態で、引張
試験を行うと引張強さが低下し、伸びが3%程度に低下
する。水等による脆化を、塗装で防止しようとしても、
引張過程で塗装膜がはがれると同じように脆化がおこ
る。また、表面にフェライト層を設ける方法は、加工後
にフェライト層を生成するための熱処理を行わなくては
ならない点や、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の利点である
耐摩耗性が犠牲になる可能性がある。
テンパ球状黒鉛鋳鉄では、水等が付着した状態で、引張
試験を行うと引張強さが低下し、伸びが3%程度に低下
する。水等による脆化を、塗装で防止しようとしても、
引張過程で塗装膜がはがれると同じように脆化がおこ
る。また、表面にフェライト層を設ける方法は、加工後
にフェライト層を生成するための熱処理を行わなくては
ならない点や、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の利点である
耐摩耗性が犠牲になる可能性がある。
【0004】本発明は、前記の従来技術における課題に
鑑みてなされたものであって、オーステンパ球状黒鉛鋳
鉄の本来持つ特性を犠牲にせずに、また、塗装やフェラ
イト層を生成するための熱処理などの後処理を行わず
に、水等による脆化を改善した耐水濡れ性に優れるオー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄を提供することを目的とする。な
お、本発明における耐水濡れ性とは、加工したオーステ
ンパ球状黒鉛鋳鉄の表面が水に濡れた状態で引張試験を
行ったときに、引張強さおよび伸びが乾燥状態での引張
強さおよび伸びに比べて低下しない、あるいは向上する
特性を意味する。また、本発明における平均黒鉛粒数と
は、顕微鏡倍率50倍として試料を拡大観察し、平均粒
径5μm以下の粒子を除いて計測した黒鉛粒数を意味す
る。
鑑みてなされたものであって、オーステンパ球状黒鉛鋳
鉄の本来持つ特性を犠牲にせずに、また、塗装やフェラ
イト層を生成するための熱処理などの後処理を行わず
に、水等による脆化を改善した耐水濡れ性に優れるオー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄を提供することを目的とする。な
お、本発明における耐水濡れ性とは、加工したオーステ
ンパ球状黒鉛鋳鉄の表面が水に濡れた状態で引張試験を
行ったときに、引張強さおよび伸びが乾燥状態での引張
強さおよび伸びに比べて低下しない、あるいは向上する
特性を意味する。また、本発明における平均黒鉛粒数と
は、顕微鏡倍率50倍として試料を拡大観察し、平均粒
径5μm以下の粒子を除いて計測した黒鉛粒数を意味す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オーステ
ンパ球状黒鉛鋳鉄の基地組織に存在する、残留オーステ
ナイトのうち、主に共晶セル境界に多く存在する不安定
オーステナイトに着目した。さらに本発明者らは、オー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄が持つ特性に注目して種々研究
し、以下の知見を得、かかる知見に基づき本発明に想到
した。即ち、水による脆化を改善するためには、共晶セ
ル境界に存在する不安定オーステナイトを低減させるこ
とが良いことを見出した。そのためには、共晶セル境界
に偏析するMo、Mn等の元素を極力低減させる必要が
ある。さらに、この共晶セル境界の偏析を減ずるととも
に、黒鉛粒数を増加させてこの偏析を分散させること
で、水濡れ状態における脆化を改善したオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄が得られることを見出した。
ンパ球状黒鉛鋳鉄の基地組織に存在する、残留オーステ
ナイトのうち、主に共晶セル境界に多く存在する不安定
オーステナイトに着目した。さらに本発明者らは、オー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄が持つ特性に注目して種々研究
し、以下の知見を得、かかる知見に基づき本発明に想到
した。即ち、水による脆化を改善するためには、共晶セ
ル境界に存在する不安定オーステナイトを低減させるこ
とが良いことを見出した。そのためには、共晶セル境界
に偏析するMo、Mn等の元素を極力低減させる必要が
ある。さらに、この共晶セル境界の偏析を減ずるととも
に、黒鉛粒数を増加させてこの偏析を分散させること
で、水濡れ状態における脆化を改善したオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄が得られることを見出した。
【0006】すなわち、本発明の耐水濡れ性に優れるオ
ーステンパ球状黒鉛鋳鉄は、引張試験片の加工した平行
部を水に濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒
での引張試験を行い、伸びが5%以上であることを特徴
とする。また、本発明の耐水濡れ性に優れるオーステン
パ球状黒鉛鋳鉄は、引張試験片の加工した平行部を水に
濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒での引張
試験を行い、引張強さが900MPa以上、伸びが5%
以上であることを特徴とする。
ーステンパ球状黒鉛鋳鉄は、引張試験片の加工した平行
部を水に濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒
での引張試験を行い、伸びが5%以上であることを特徴
とする。また、本発明の耐水濡れ性に優れるオーステン
パ球状黒鉛鋳鉄は、引張試験片の加工した平行部を水に
濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒での引張
試験を行い、引張強さが900MPa以上、伸びが5%
以上であることを特徴とする。
【0007】また、本発明の耐水濡れ性に優れるオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄は、Mo含有量が0.3質量%未満
であることを特徴とする。また、本発明の耐水濡れ性に
優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄は、Mo含有量が0.
3質量%未満であって、平均黒鉛粒数が400個/mm
2以上であることを特徴とする。また、本発明の耐水濡
れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄は、前記Mo含
有量が0.3質量%未満に加え、C:3.5〜3.9質
量%、Si:1.5〜2.5質量%、Mn:0.15〜
0.5質量%、Cu:0.3〜1.5質量%以下、M
g:0.01〜0.06質量%、残部Feおよび不可避
的不純物を含む組成からなることを特徴とする。
テンパ球状黒鉛鋳鉄は、Mo含有量が0.3質量%未満
であることを特徴とする。また、本発明の耐水濡れ性に
優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄は、Mo含有量が0.
3質量%未満であって、平均黒鉛粒数が400個/mm
2以上であることを特徴とする。また、本発明の耐水濡
れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄は、前記Mo含
有量が0.3質量%未満に加え、C:3.5〜3.9質
量%、Si:1.5〜2.5質量%、Mn:0.15〜
0.5質量%、Cu:0.3〜1.5質量%以下、M
g:0.01〜0.06質量%、残部Feおよび不可避
的不純物を含む組成からなることを特徴とする。
【0008】以下、本発明の耐水濡れ性に優れるオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄を構成する各合金元素の限定理由に
ついて説明する。 (1)Mo:0.3質量%未満、好ましくは0.01質
量%以下 Moは、焼入れ性を向上させる元素であるが、共晶セル
境界に偏析し、不安定オーステナイト量を増加させる原
因となるので、0.3質量%未満とする。好ましくは
0.01質量%以下とする。不安定オーステナイト量が
増加すると、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の引張強さおよ
び伸びが低下する。さらに水に濡れたときに、たとえ黒
鉛粒数を増加させたとしても耐水濡れ性の改善の効果は
小さい。
テンパ球状黒鉛鋳鉄を構成する各合金元素の限定理由に
ついて説明する。 (1)Mo:0.3質量%未満、好ましくは0.01質
量%以下 Moは、焼入れ性を向上させる元素であるが、共晶セル
境界に偏析し、不安定オーステナイト量を増加させる原
因となるので、0.3質量%未満とする。好ましくは
0.01質量%以下とする。不安定オーステナイト量が
増加すると、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の引張強さおよ
び伸びが低下する。さらに水に濡れたときに、たとえ黒
鉛粒数を増加させたとしても耐水濡れ性の改善の効果は
小さい。
【0009】(2)C:3.5〜3.9質量% Cが3.5質量%未満では鋳造品の欠陥、特に引け巣が
増大するばかりでなく、セメンタイトが残留して好まし
くない。また3.9質量%を超えるとキッシュグラファ
イトが析出して強度が著しく低下する。 (3)Si:1.5〜2.5質量% Siは1.5質量%未満ではセメンタイトが析出し、
2.5質量%を超えるとキッシュグラファイト助長の原
因となったり、靱性が低下する。
増大するばかりでなく、セメンタイトが残留して好まし
くない。また3.9質量%を超えるとキッシュグラファ
イトが析出して強度が著しく低下する。 (3)Si:1.5〜2.5質量% Siは1.5質量%未満ではセメンタイトが析出し、
2.5質量%を超えるとキッシュグラファイト助長の原
因となったり、靱性が低下する。
【0010】(4)Mn:0.15〜0.5質量% Mnは0.15質量%未満ではNiの添加量を増大しな
いと安定してオースフェライト組織にすることが困難で
あるが、このNiは高価であるため経済的に不利益を招
く。Mnが0.5質量%を超えると炭化物の成長傾向が
増大し、また組織中の偏析が増大するため伸び、衝撃値
が低下する。 (5)Cu:0.3〜1.5質量% Cuは0.3質量%未満では焼入性が悪く、1.5%を
超えてもその効果は変わらないので経済的にも1.5%
を上限とすることが好ましい。 (6)Mg:0.01〜0.06質量% Mgは0.01質量%未満では黒鉛の球状化が達成され
難く、0.06質量%を超えるとセメンタイトが析出し
易くなる。
いと安定してオースフェライト組織にすることが困難で
あるが、このNiは高価であるため経済的に不利益を招
く。Mnが0.5質量%を超えると炭化物の成長傾向が
増大し、また組織中の偏析が増大するため伸び、衝撃値
が低下する。 (5)Cu:0.3〜1.5質量% Cuは0.3質量%未満では焼入性が悪く、1.5%を
超えてもその効果は変わらないので経済的にも1.5%
を上限とすることが好ましい。 (6)Mg:0.01〜0.06質量% Mgは0.01質量%未満では黒鉛の球状化が達成され
難く、0.06質量%を超えるとセメンタイトが析出し
易くなる。
【0011】(7)不可避的不純物:上記(1)〜
(6)に記載の元素及びFe以外の原材料から含まれる
微量元素を不可避的不純物という。不可避的不純物う
ち、Pは0.05質量%を超えるとステダイトの晶出量
が多くなり衝撃値が低下するので、0.05質量%以下
が好ましい。また、Sは0.05質量%を超えると黒鉛
の球状化が阻害されるので、0.05質量%以下が好ま
しい。また、Niは必要に応じて添加することができる
が、高価であるので経済的に不利になる。しかし、肉厚
が厚い(例えばφ50mmを超える)か、又はそれ以下で
も形状が複雑な鋳物の場合には安定してオースフェライ
ト組織にするために、0.7質量%以上添加するのが好
ましい。また、Crは0.10質量%を超えるとセメン
タイトが析出し易くなるので、0.10質量%以下が好
ましい。
(6)に記載の元素及びFe以外の原材料から含まれる
微量元素を不可避的不純物という。不可避的不純物う
ち、Pは0.05質量%を超えるとステダイトの晶出量
が多くなり衝撃値が低下するので、0.05質量%以下
が好ましい。また、Sは0.05質量%を超えると黒鉛
の球状化が阻害されるので、0.05質量%以下が好ま
しい。また、Niは必要に応じて添加することができる
が、高価であるので経済的に不利になる。しかし、肉厚
が厚い(例えばφ50mmを超える)か、又はそれ以下で
も形状が複雑な鋳物の場合には安定してオースフェライ
ト組織にするために、0.7質量%以上添加するのが好
ましい。また、Crは0.10質量%を超えるとセメン
タイトが析出し易くなるので、0.10質量%以下が好
ましい。
【0012】(8)平均黒鉛粒数(個/mm2): M
o等の共晶セル境界に偏析する元素を0.3質量%未満
(好ましくは0.01質量%以下)とし、平均黒鉛粒数
を400個/mm2以上とすることにより、耐水濡れ性
に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄を得ることが出来
る。よって、平均黒鉛粒数は400個/mm2以上とす
る。以上の理由により各種元素の成分範囲および平均黒
鉛粒数を限定したものである。
o等の共晶セル境界に偏析する元素を0.3質量%未満
(好ましくは0.01質量%以下)とし、平均黒鉛粒数
を400個/mm2以上とすることにより、耐水濡れ性
に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄を得ることが出来
る。よって、平均黒鉛粒数は400個/mm2以上とす
る。以上の理由により各種元素の成分範囲および平均黒
鉛粒数を限定したものである。
【0013】次に本発明の耐水濡れ性に優れるオーステ
ンパ球状黒鉛鋳鉄に適用する熱処理は、850〜900
℃で0.5〜3時間のオーステナイト化処理後、ソルト
バス中に急冷し、続いて350〜400℃で0.5〜3
時間の恒温変態処理を行う熱処理を施す。まずオーステ
ナイト化する際、850℃より低い温度、あるいは95
0℃よりも高い温度ではいずれも伸びが低下するので8
50〜950℃とする。オーステナイト化の保持時間
は、0.5時間未満では完全にオーステナイト化するこ
とが困難であり、3時間を超えるとオーステナイト結晶
が粗大化して引張強さが低下し経済的にも不利である。
恒温変態処理で、350℃より低い温度、あるいは40
0℃よりも高い温度では伸び、衝撃値がやはり低下す
る。さらに保持時間が0.5時間未満では、完全に変態
が終わらず、3時間を超えると変態が終わった後も保持
することになり、何等の効果も期待できず経済的に不利
益をもたらすものである。
ンパ球状黒鉛鋳鉄に適用する熱処理は、850〜900
℃で0.5〜3時間のオーステナイト化処理後、ソルト
バス中に急冷し、続いて350〜400℃で0.5〜3
時間の恒温変態処理を行う熱処理を施す。まずオーステ
ナイト化する際、850℃より低い温度、あるいは95
0℃よりも高い温度ではいずれも伸びが低下するので8
50〜950℃とする。オーステナイト化の保持時間
は、0.5時間未満では完全にオーステナイト化するこ
とが困難であり、3時間を超えるとオーステナイト結晶
が粗大化して引張強さが低下し経済的にも不利である。
恒温変態処理で、350℃より低い温度、あるいは40
0℃よりも高い温度では伸び、衝撃値がやはり低下す
る。さらに保持時間が0.5時間未満では、完全に変態
が終わらず、3時間を超えると変態が終わった後も保持
することになり、何等の効果も期待できず経済的に不利
益をもたらすものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を比較
例と共に詳細に説明する。 (実施の形態1)表1(実施例1〜2)に示す組成(た
だし、不可避的不純物は省略した。)の黒鉛粒数を変化
させた引張試験片を作成し、黒鉛粒数や共晶セル境界に
偏析しやすいMoの影響を調査した。表2は、表1(実
施例1〜2)に示す組成、黒鉛粒数のオーステンパ球状
黒鉛鋳鉄の機械的性質を示す。また、 表3(比較例1
〜5)に示す組成(ただし、不可避的不純物は省略し
た。)の黒鉛粒数を変化させた引張試験片を作成し、黒
鉛粒数や共晶セル境界に偏析しやすいMoの影響を調査
した。表4は、表3(比較例1〜5)に示す組成、黒鉛
粒数のオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の機械的性質を示す。
例と共に詳細に説明する。 (実施の形態1)表1(実施例1〜2)に示す組成(た
だし、不可避的不純物は省略した。)の黒鉛粒数を変化
させた引張試験片を作成し、黒鉛粒数や共晶セル境界に
偏析しやすいMoの影響を調査した。表2は、表1(実
施例1〜2)に示す組成、黒鉛粒数のオーステンパ球状
黒鉛鋳鉄の機械的性質を示す。また、 表3(比較例1
〜5)に示す組成(ただし、不可避的不純物は省略し
た。)の黒鉛粒数を変化させた引張試験片を作成し、黒
鉛粒数や共晶セル境界に偏析しやすいMoの影響を調査
した。表4は、表3(比較例1〜5)に示す組成、黒鉛
粒数のオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の機械的性質を示す。
【0015】
【表1】実施例1(質量%) C:3.60、Si:
2.25、Mn:0.36、P:0.018、S:0.
005、Cu:0.54、Ni:0.03、Cr:0.
03、Mo:0.005、Mg:0.052、Fe:残
部、平均黒鉛粒数748個数/mm2 実施例2(質量%) (実施例1と同じ組成)、平均黒
鉛粒数420個数/mm2
2.25、Mn:0.36、P:0.018、S:0.
005、Cu:0.54、Ni:0.03、Cr:0.
03、Mo:0.005、Mg:0.052、Fe:残
部、平均黒鉛粒数748個数/mm2 実施例2(質量%) (実施例1と同じ組成)、平均黒
鉛粒数420個数/mm2
【0016】
【表2】 実施例 機械的性質 引張強さ 引張強さ 伸び 伸び (乾燥状態) (水濡れ状態)(乾燥状態)(水濡れ状態) MPa MPa % % 実施例1 1002 1030 9.0 6.6 〜1055 〜1040 〜9.2 〜7.3 実施例2 968 949 8.0 5.0 〜1002 〜979 〜8.2 〜5.6
【0017】
【表3】比較例1(質量%) (実施例1と同じ組
成)、平均黒鉛粒数319個数/mm2 比較例2(質量%) (実施例1と同じ組成)、平均黒
鉛粒数194個数/mm2 比較例3(質量%) C:3.66、Si:2.20、
Mn:0.35、P:0.014、S:0.007、C
u:0.54、Ni:0.02、Cr:0.03、M
o:0.32、Mg:0.039、Fe:残部、平均黒
鉛粒数705個数/mm2 比較例4(質量%) (比較例3と同じ組成)、平均黒
鉛粒数371個数/mm2 比較例5(質量%) (比較例3と同じ組成)、平均黒
鉛粒数250個数/mm2
成)、平均黒鉛粒数319個数/mm2 比較例2(質量%) (実施例1と同じ組成)、平均黒
鉛粒数194個数/mm2 比較例3(質量%) C:3.66、Si:2.20、
Mn:0.35、P:0.014、S:0.007、C
u:0.54、Ni:0.02、Cr:0.03、M
o:0.32、Mg:0.039、Fe:残部、平均黒
鉛粒数705個数/mm2 比較例4(質量%) (比較例3と同じ組成)、平均黒
鉛粒数371個数/mm2 比較例5(質量%) (比較例3と同じ組成)、平均黒
鉛粒数250個数/mm2
【0018】
【表4】 比較例 機械的性質 引張強さ 引張強さ 伸び 伸び (乾燥状態) (水濡れ状態)(乾燥状態) (水濡れ状態) MPa MPa % % 比較例1 970 924 8.3 3.1 〜1051 〜967 〜11.4 〜4.1 比較例2 1051 926 8.0 3.0 〜1036 〜949 〜8.2 〜3.2 比較例3 934 855 4.2 2.1 〜951 〜894 〜5.7 〜3.8 比較例4 936 865 5.2 2.7 〜981 〜907 〜7.6 〜3.2 比較例5 942 823 8.7 2.1 〜989 〜841 〜9.2 〜2.7
【0019】なお実施例1〜2および比較例1〜5は表
1および表3に示す組成の球状黒鉛鋳鉄溶湯をCO2プ
ロセス製鋳型で、25mm幅×250mm長さおよび2
6mm幅×250mm長のYブロック、10mmφ×2
00mm長さおよび20mmφ×200mm長さの各種
寸法の鋳型に注入して、冷却速度を変えることにより黒
鉛粒数の異なる試料を作成した。平均黒鉛粒数は、画像
解析装置により直径5μm以下の黒鉛粒をカウントして
算出したものである。凝固終了後、これらの試料を熱処
理炉に装入し、875℃で2時間のオーステナイト化を
行ない、ソルトバス中で急冷した。続いて385℃で2
時間の恒温変態処理を行った。
1および表3に示す組成の球状黒鉛鋳鉄溶湯をCO2プ
ロセス製鋳型で、25mm幅×250mm長さおよび2
6mm幅×250mm長のYブロック、10mmφ×2
00mm長さおよび20mmφ×200mm長さの各種
寸法の鋳型に注入して、冷却速度を変えることにより黒
鉛粒数の異なる試料を作成した。平均黒鉛粒数は、画像
解析装置により直径5μm以下の黒鉛粒をカウントして
算出したものである。凝固終了後、これらの試料を熱処
理炉に装入し、875℃で2時間のオーステナイト化を
行ない、ソルトバス中で急冷した。続いて385℃で2
時間の恒温変態処理を行った。
【0020】このようにして得られたオーステンパ球状
黒鉛鋳鉄試料より引張試験片(図3参照)を一試料から
複数本採取た。本発明での引張試験に供した図3に示す
引張試験片は、直径5mmφ、平行部長さ40mm、標
点間距離25mmである。水濡れ状態での引張試験は、
この25mmの標点間距離の部位にティッシュペーパを
巻き付けて,スポイドで水を注ぎ、水濡れ状態を保持
し、歪み速度1.2×10-3/秒で引張試験を行った。
また乾燥状態でも同じ歪み速度1.2×10-3/秒で引
張試験を行った。これら引張試験結果の機械的性質を表
2(実施例)と表4(比較例)に示す。表2(実施例)
から、実施例1、2とも、引張試験片の加工した平行部
を水に濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒で
の引張試験で、伸びが5%以上、さらに引張強さが90
0MPa以上あることがわかる。一方、表4(比較例)
では、同じ引張試験条件で、伸びが2.1〜4.8%と
低い。
黒鉛鋳鉄試料より引張試験片(図3参照)を一試料から
複数本採取た。本発明での引張試験に供した図3に示す
引張試験片は、直径5mmφ、平行部長さ40mm、標
点間距離25mmである。水濡れ状態での引張試験は、
この25mmの標点間距離の部位にティッシュペーパを
巻き付けて,スポイドで水を注ぎ、水濡れ状態を保持
し、歪み速度1.2×10-3/秒で引張試験を行った。
また乾燥状態でも同じ歪み速度1.2×10-3/秒で引
張試験を行った。これら引張試験結果の機械的性質を表
2(実施例)と表4(比較例)に示す。表2(実施例)
から、実施例1、2とも、引張試験片の加工した平行部
を水に濡らした状態で、歪み速度1.2×10-3/秒で
の引張試験で、伸びが5%以上、さらに引張強さが90
0MPa以上あることがわかる。一方、表4(比較例)
では、同じ引張試験条件で、伸びが2.1〜4.8%と
低い。
【0021】図1に、Moを0.32質量%含むオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄について黒鉛粒数と引張強さ及び伸
びの関係を示す。図1において、最右側に示すデータは
比較例3(平均黒鉛粒数705個/mm2)、真中に示
すデータは比較例4(平均黒鉛粒数371個/m
m2)、および最左側に示すデータは比較例5(平均黒
鉛粒数250個/mm2)のそれぞれオーステンパ球状
黒鉛鋳鉄についてのものである。
テンパ球状黒鉛鋳鉄について黒鉛粒数と引張強さ及び伸
びの関係を示す。図1において、最右側に示すデータは
比較例3(平均黒鉛粒数705個/mm2)、真中に示
すデータは比較例4(平均黒鉛粒数371個/m
m2)、および最左側に示すデータは比較例5(平均黒
鉛粒数250個/mm2)のそれぞれオーステンパ球状
黒鉛鋳鉄についてのものである。
【0022】図2には、Moを0.005質量%含むオ
ーステンパ球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数と引張強さ及び伸び
の関係を示す。図2において、最右側に示すデータは実
施例1(平均黒鉛粒数748個/mm2)、右から2番
目に示すデータは実施例2(平均黒鉛粒数420個/m
m2)、右から3番目に示すデータは比較例1(平均黒
鉛粒数319個/mm2)、および最左側に示すデータ
は比較例2(平均黒鉛粒数194個/mm2)のそれぞ
れオーステンパ球状黒鉛鋳鉄についてのものである。
ーステンパ球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数と引張強さ及び伸び
の関係を示す。図2において、最右側に示すデータは実
施例1(平均黒鉛粒数748個/mm2)、右から2番
目に示すデータは実施例2(平均黒鉛粒数420個/m
m2)、右から3番目に示すデータは比較例1(平均黒
鉛粒数319個/mm2)、および最左側に示すデータ
は比較例2(平均黒鉛粒数194個/mm2)のそれぞ
れオーステンパ球状黒鉛鋳鉄についてのものである。
【0023】図4はMoを0.32質量%含み、平均黒
鉛粒数250個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛
鋳鉄(比較例5)の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真
(100倍)である。また、図5はMoを0.32質量
%含み、平均黒鉛粒数250個/mm2を有するオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄(比較例5)の不安定オーステナイ
トの分布を示す金属組織写真(100倍)である。図6
はMoを0.32質量%含み、平均黒鉛粒数705個/
mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄(比較例3)
の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)であ
る。また、図7はMoを0.32質量%含み、平均黒鉛
粒数705個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳
鉄(比較例3)の不安定オーステナイトの分布を示す金
属組織写真(100倍)である。Moを0.32質量%
含むオーステンパ球状黒鉛鋳鉄では、平均黒鉛粒数が微
細になり、増加(図4と図6を比較参照)すると、不安
定オーステナイト(図5での白色部分)が微細に分布
(図7での白色部分)しているが、その量の低減はそれ
ほどなされていないことがわかる。
鉛粒数250個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛
鋳鉄(比較例5)の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真
(100倍)である。また、図5はMoを0.32質量
%含み、平均黒鉛粒数250個/mm2を有するオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄(比較例5)の不安定オーステナイ
トの分布を示す金属組織写真(100倍)である。図6
はMoを0.32質量%含み、平均黒鉛粒数705個/
mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄(比較例3)
の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)であ
る。また、図7はMoを0.32質量%含み、平均黒鉛
粒数705個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳
鉄(比較例3)の不安定オーステナイトの分布を示す金
属組織写真(100倍)である。Moを0.32質量%
含むオーステンパ球状黒鉛鋳鉄では、平均黒鉛粒数が微
細になり、増加(図4と図6を比較参照)すると、不安
定オーステナイト(図5での白色部分)が微細に分布
(図7での白色部分)しているが、その量の低減はそれ
ほどなされていないことがわかる。
【0024】図8はMoを0.005質量%含み、平均
黒鉛粒数194個/mm2を有するオーステンパ球状黒
鉛鋳鉄(比較例2)の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真
(100倍)である。また、図9はMoを0.005質
量%含み、平均黒鉛粒数194個/mm2を有するオー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄(比較例2)の不安定オーステナ
イトの分布を示す金属組織写真(100倍)である。図
10はMoを0.005質量%含み、平均黒鉛粒数74
8個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄(実施
例1)の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)
である。また、図11はMoを0.005質量%含み、
平均黒鉛粒数748個/mm2を有するオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄(実施例1)の不安定オーステナイトの分布
を示す金属組織写真(100倍)である。Moを0.0
05質量%含むMo含有量の低いオーステンパ球状黒鉛
鋳鉄では、平均黒鉛粒数が微細になり、増加(図8と図
10を比較参照)すると、不安定オーステナイトの分布
状態およびその量ともに著しく減少されていることがわ
かる(図9と図11での白色部分参照)。
黒鉛粒数194個/mm2を有するオーステンパ球状黒
鉛鋳鉄(比較例2)の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真
(100倍)である。また、図9はMoを0.005質
量%含み、平均黒鉛粒数194個/mm2を有するオー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄(比較例2)の不安定オーステナ
イトの分布を示す金属組織写真(100倍)である。図
10はMoを0.005質量%含み、平均黒鉛粒数74
8個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄(実施
例1)の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)
である。また、図11はMoを0.005質量%含み、
平均黒鉛粒数748個/mm2を有するオーステンパ球
状黒鉛鋳鉄(実施例1)の不安定オーステナイトの分布
を示す金属組織写真(100倍)である。Moを0.0
05質量%含むMo含有量の低いオーステンパ球状黒鉛
鋳鉄では、平均黒鉛粒数が微細になり、増加(図8と図
10を比較参照)すると、不安定オーステナイトの分布
状態およびその量ともに著しく減少されていることがわ
かる(図9と図11での白色部分参照)。
【0025】上述のように、不安定オーステナイトが存
在すると、黒鉛粒数を増加してこれを分散しても、耐水
濡れ性の改善効果は現れない。不安定オーステナイトを
低減し、なおかつ黒鉛粒数を増加したときに水濡れ時で
の引張強さ、伸びの改善の効果を得られることがわか
る。以上、本発明のオーステンパ球状黒鉛鋳鉄では、M
o等の共晶セル境界に偏析する元素を0.3質量%未満
(好ましくは0.01質量%以下)とし、平均黒鉛粒数
を400個/mm2以上とすることにより、耐水濡れ性
に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄を得ることが出来
る。
在すると、黒鉛粒数を増加してこれを分散しても、耐水
濡れ性の改善効果は現れない。不安定オーステナイトを
低減し、なおかつ黒鉛粒数を増加したときに水濡れ時で
の引張強さ、伸びの改善の効果を得られることがわか
る。以上、本発明のオーステンパ球状黒鉛鋳鉄では、M
o等の共晶セル境界に偏析する元素を0.3質量%未満
(好ましくは0.01質量%以下)とし、平均黒鉛粒数
を400個/mm2以上とすることにより、耐水濡れ性
に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄を得ることが出来
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明のオーステンパ
球状黒鉛鋳鉄は、Mo等の共晶セル境界に偏析する元素
を低減し、さらに黒鉛粒数を増加することにより、水濡
れ時の引張強さ、伸びを改善できる。
球状黒鉛鋳鉄は、Mo等の共晶セル境界に偏析する元素
を低減し、さらに黒鉛粒数を増加することにより、水濡
れ時の引張強さ、伸びを改善できる。
【図1】平均黒鉛粒数と引張強さ及び伸びの関係(乾燥
状態と水濡れ状態)をMo0.32質量%を含むオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄について示す図である。
状態と水濡れ状態)をMo0.32質量%を含むオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄について示す図である。
【図2】平均黒鉛粒数と引張強さ及び伸びの関係(乾燥
状態と水濡れ状態)をMo0.005質量%を含むオー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄について示す図である。
状態と水濡れ状態)をMo0.005質量%を含むオー
ステンパ球状黒鉛鋳鉄について示す図である。
【図3】本発明での引張試験に供した引張試験片の寸法
図である。
図である。
【図4】Moを0.32質量%含み、平均黒鉛粒数25
0個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の黒鉛
粒の分布を示す金属組織写真(100倍)である。
0個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の黒鉛
粒の分布を示す金属組織写真(100倍)である。
【図5】Moを0.32質量%含み、平均黒鉛粒数25
0個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の不安
定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(100
倍)である。
0個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の不安
定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(100
倍)である。
【図6】Moを0.32質量%含み、平均黒鉛粒数70
5個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の黒鉛
粒の分布を示す金属組織写真(100倍)である。
5個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の黒鉛
粒の分布を示す金属組織写真(100倍)である。
【図7】Moを0.32質量%含み、平均黒鉛粒数70
5個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の不安
定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(100
倍)である。
5個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の不安
定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(100
倍)である。
【図8】0.005質量%のMoを含み、平均黒鉛粒数
194個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の
黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)である。
194個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の
黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)である。
【図9】0.005質量%のMoを含み、平均黒鉛粒数
194個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の
不安定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(10
0倍)である。
194個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄の
不安定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(10
0倍)である。
【図10】0.005質量%のMoを含み、平均黒鉛粒
数748個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄
の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)であ
る。
数748個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄
の黒鉛粒の分布を示す金属組織写真(100倍)であ
る。
【図11】0.005質量%のMoを含み、平均黒鉛粒
数748個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄
の不安定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(1
00倍)である。
数748個/mm2を有するオーステンパ球状黒鉛鋳鉄
の不安定オーステナイトの分布を示す金属組織写真(1
00倍)である。
(なし)
Claims (5)
- 【請求項1】 引張試験片の加工した平行部を水に濡ら
した状態で、歪み速度1.2×10-3/秒での引張試験
を行い、伸びが5%以上であることを特徴とする耐水濡
れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄。 - 【請求項2】 引張強さが900MPa以上であること
を特徴とする請求項1記載の耐水濡れ性に優れるオース
テンパ球状黒鉛鋳鉄。 - 【請求項3】 Mo含有量が0.3質量%未満であるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐水濡
れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄。 - 【請求項4】 Mo含有量が0.3質量%未満であっ
て、平均黒鉛粒数が400個/mm2以上であることを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐水濡れ性
に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄。 - 【請求項5】 前記Mo含有量が0.3質量%未満に加
え、C:3.5〜3.9質量%、Si:1.5〜2.5
質量%、Mn:0.15〜0.5質量%、Cu:0.3
〜1.5質量%以下、Mg:0.01〜0.06質量
%、残部Feおよび不可避的不純物を含む組成からなる
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の耐水
濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29170098A JP2000119794A (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29170098A JP2000119794A (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000119794A true JP2000119794A (ja) | 2000-04-25 |
Family
ID=17772277
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29170098A Pending JP2000119794A (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 耐水濡れ性に優れるオーステンパ球状黒鉛鋳鉄 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000119794A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001303167A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-10-31 | Yuichi Tanaka | オーステンパ球状黒鉛鋳鉄からなる耐摩耗性材料 |
| JP2008510072A (ja) * | 2004-08-18 | 2008-04-03 | フェデラル−モーグル ブルシャイト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 高硬度耐磨耗性耐食性鋳鉄材 |
| JP2008510071A (ja) * | 2004-08-18 | 2008-04-03 | フェデラル−モーグル ブルシャイト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ピストンリング用の鋳鉄材 |
| JP2009536707A (ja) * | 2006-05-11 | 2009-10-15 | エドワーズ リミテッド | 真空ポンプ |
| EP2775002A1 (en) * | 2013-03-08 | 2014-09-10 | LG Electronics, Inc. | Spline hub for clutch and manufacturing method thereof |
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| WO2017160782A1 (en) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | Federal-Mogul Llc | High strength cast iron for cylinder liners |
-
1998
- 1998-10-14 JP JP29170098A patent/JP2000119794A/ja active Pending
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