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JP2000045099A - 電析槽、および電析装置 - Google Patents

電析槽、および電析装置

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Publication number
JP2000045099A
JP2000045099A JP10212379A JP21237998A JP2000045099A JP 2000045099 A JP2000045099 A JP 2000045099A JP 10212379 A JP10212379 A JP 10212379A JP 21237998 A JP21237998 A JP 21237998A JP 2000045099 A JP2000045099 A JP 2000045099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodeposition
anode
substrate
potential
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10212379A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Arao
浩三 荒尾
Yuichi Sonoda
雄一 園田
Yusuke Miyamoto
祐介 宮本
Jo Toyama
上 遠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10212379A priority Critical patent/JP2000045099A/ja
Publication of JP2000045099A publication Critical patent/JP2000045099A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の電源電位を制御して、電析電流を安定
なものとすることにより、長尺基板上にムラのない一様
な酸化物膜を安定して作成することができる電析槽、お
よび電析装置を提供する。 【解決手段】 電析浴中で長尺基板1001とアノード
1003,1004とに通電して基板上に酸化物膜を作
成する電析槽であって、基板搬送方向1002に沿って
複数のアノード1003,1004が配置され、これら
アノード1003,1004に各々の電位を独立して制
御可能な複数の電圧源1007,1008が接続され、
各アノードから電圧源への帰還系にアノード電位を検出
してその出力に基づいて、各電圧源の出力電位を制御す
る制御手段1020が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス帯板等
の長尺基板上に電析法により酸化物膜を作成する電析
槽、および電析装置に係り、特に電析に必要な電位を安
定化して酸化物膜の一様性を改良した電析槽、および電
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光起電力素子の製造においても、
真空プロセスに代わり、水溶液の電気化学的反応を利用
して基板上に酸化物膜を作成する技術(以下、「電析
法」と称する。)が注目されている。
【0003】このような電析法を用いることにより、次
のような利点がある。
【0004】まず、スパッタリング装置などの真空装置
と異なり、膜作成が極めて簡便なことである。高価な真
空ポンプを必要とせず、プラズマを使用するための電源
や電極周りの設計に気をつかうこともない。
【0005】次に、殆どの場合、ランニングコストが低
いことである。これはスパッタリング装置では、ターゲ
ットの作製に人手と装置を要し、費用がかかる上に、タ
ーゲットの利用効率も2割程度以下だからである。した
がって、装置のスループットが上がったり、膜厚の大き
い場合には、ターゲット交換の作業がかなりのウエイト
を占めるようになるからである。
【0006】スパッタリング以外のCVD法や真空蒸着
法に対しても、装置やランニングコストの点で優位に立
つ。
【0007】また、膜が多くの場合、多結晶の微粒子で
あり、真空法で作るのと遜色ない導電特性・光学特性を
示し、ゾルゲル法や有機物を用いたコーティング法、さ
らにはスプレー・パイロリシス法などに比べて優位に立
つ。
【0008】さらに、酸化物を形成する場合でもこれら
のことが成り立つ上、廃液を簡単に処理することがで
き、環境に及ぼす影響も小さく、環境汚染を防止するた
めのコストも低い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電析法によ
って成膜を行うと、極めて安価に長尺基板上に酸化亜鉛
膜を作成することが可能となるものの、アノード電流の
場所ムラが大きく、一つの電源では対応し難かった。こ
れは、基板が懸垂線になっていて、必ずしも各アノード
と基板との間の距離が一定でないこと、各アノードに接
続する部分での接続抵抗が等しくないこと、および基板
の抵抗を無視できないので給電点からの遠近により電圧
降下量が異なることなどの理由によるものと判明した。
【0010】このような現象は、複数の電源を用いて、
別々の電位制御を行うことにより、効果的に回避するこ
とができる。そこで、アノードの同数の電源を用意して
電位制御にて成膜をおこなったところ、酸化膜の成膜速
度を場所に関わらず一定とすることができ、膜全体のム
ラを効果的に除去することができた。
【0011】しかし、単に電源を独立させただけでは、
それぞれの電源の制御が不安定になったり、ひどい場合
には制御が全く不能となることがあった。
【0012】本発明は、複数の電源電位を制御して、そ
の電源からの電析電流を安定なものとすることにより、
長尺基板上にムラのない一様な酸化物膜を安定して作成
することができ、太陽電池の反射層などに好適な酸化物
膜を作成することができる電析槽、および電析装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電析槽は、電析浴中で長尺基板とアノード
とに通電して基板上に酸化物膜を作成する電析槽におい
て、基板搬送方向に沿って複数のアノードが配置され、
これらアノードに各々の電位を独立して制御可能な複数
の電圧源が接続され、各アノードから電圧源への帰還系
にアノード電位を検出してその出力に基づいて、各電圧
源の出力電位を制御する制御手段が設けられているもの
である。
【0014】上記電析槽の構成において、アノード電位
が高インピーダンス入力をもつ電圧計の測定値により検
出され、制御手段が予め設定された所定値に電圧計の測
定値が近づくように電圧源の出力電圧を制御することが
好ましい。
【0015】或いは、アノード電位が高インピーダンス
入力をもつ電圧計の測定値により検出され、制御手段が
予め設定された所定の関数値に複数の電圧計の測定値が
近づくように各電圧源の出力電圧を制御することが好ま
しい。
【0016】また、上記関数値が、検出された測定値の
線形結合で現される関数であることが好ましい。
【0017】さらに、アノード数がn(≧2)であり、
各アノードの電位が測定検出され、予め設定された所定
の電圧値に対するずれ出力がΔψjであって、k番目の
アノードに印加すべき電源出力補正量ΔVkが、係数a
kjを用いて、式(1)で表されることが好ましい。
【0018】
【数3】
【0019】そして、ロール間で長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とが好ましい。
【0020】一方、本発明の電析装置は、電析浴中で長
尺基板とアノードとに通電して基板上に酸化物膜を作成
する電析槽と、電析槽を通過した基板を水洗する水洗手
段と、水洗手段を通過した基板を乾燥する乾燥手段とを
備えている電析装置において、基板搬送方向に沿って複
数のアノードが配置され、これらアノードに各々の電位
を独立して制御可能な複数の電圧源が接続され、各アノ
ードから電圧源への帰還系にアノード電位を検出してそ
の出力に基づいて、各電圧源の出力電位を制御する制御
手段が設けられているものである。
【0021】上記電析装置の構成において、アノード電
位が高インピーダンス入力をもつ電圧計の測定値により
検出され、制御手段が予め設定された所定値に電圧計の
測定値が近づくように電圧源の出力電圧を制御すること
が好ましい。
【0022】或いは、アノード電位が高インピーダンス
入力をもつ電圧計の測定値により検出され、制御手段が
予め設定された所定の関数値に複数の電圧計の測定値が
近づくように各電圧源の出力電圧を制御することが好ま
しい。
【0023】また、上記関数値が、検出された測定値の
線形結合で現される関数であることが好ましい。
【0024】さらに、アノード数がn(≧2)であり、
各アノードの電位が測定検出され、予め設定された所定
の電圧値に対するずれ出力がΔψjであって、k番目の
アノードに印加すべき電源出力補正量ΔVkが、係数a
kjを用いて、式(1)で表されることが好ましい。
【0025】
【数4】
【0026】そして、ロール間で長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とが好ましい。
【0027】次に、本発明を想到するに至った経緯とと
もに、本発明の作用を説明する。本発明者等は、電源の
電位制御不安定の原因を検討した。
【0028】図3は、アノード部分の機能を説明する概
略図である。図3において、長尺基板3001は基板搬
送方向3002へ向かって搬送され、アノード3003
とアノード3004とが電析浴中に離間して配置されて
いる。各アノード3003,3004は、それぞれ電圧
源3007および電圧源3008に接続されている。ま
た、これらの電圧源3007,3008からの電流の戻
りは、長尺基板3001から給電ローラー3009を共
通に経て、それぞれの電圧源のリターンヘと接続されて
いる。
【0029】図4は、図3のアノード部分の電気的な等
価回路を示す概略図である。図4において、基板抵抗4
001は、長尺基板のアノード3003の対向部から給
電ローラー3009までの電気抵抗であり、基板抵抗4
002はアノード3004の対向部からアノード300
3の対向部までの基板抵抗である。
【0030】アノード3003とアノード3004との
間のアノード間抵抗は、4005で表わされている。ま
た、アノードと基板との間の浴を介した抵抗は、それぞ
れアノード抵抗4003とアノード抵抗4004とで表
されている。
【0031】今、図4に示したように、アノード抵抗の
大きさをRt、アノード間の浴抵抗4005をRb、基
板抵抗4002をRs、基板抵抗4001と給電ローラ
ーのもつ接触抵抗とを合わせたものをRpとおく。ま
た、電圧源4007の出力電圧をV1、電圧源4008
の出力電圧をV2、アノード抵抗4003にかかる電
圧、すなわちアノード3003における電析電圧を
ψ1、アノード抵抗4004にかかる電圧、すなわちア
ノード3004における電析電圧をψ2とする。
【0032】本発明者らの実験でも明らかになり、また
容易に想像できるように、電析浴や基板やローラー接触
は、電析の条件から浴の電導度が決まってしまったり、
材質の制約があると、その電気抵抗に対する低減は簡単
ではない。
【0033】これに対して、ケーブルについては、線径
を大きくすることで抵抗を大幅に下げることができる
し、接続部分についても接触面積を大きくとることで、
等価回路上無視しうる大きさにすることができる。した
がって、図4の等価回路において、ケーブルの抵抗分は
無視してよい。
【0034】このとき、キルヒホッフの定理を適用すれ
ば簡単に、
【0035】
【数5】 が得られる。
【0036】以上の検討より、Vとψの関係はRbによ
らないこと、Rtが基板の抵抗より大きいときには殆ど
1=ψ1およびV2=ψ2であること、基板の抵抗や給電
部の抵抗が大きいときには隣りの電源の影響があるこ
と、ψ1=ψ2(=ψ)であるような場合(一様に電析を
行おうとするとこうなる)には、電圧源からの電圧は必
ずψより大きく設定する必要があることなどの事項を理
解することができる。
【0037】実際の値を評価する場合には、図2の装置
と図3のアノードによる数値を適用する。すなわち、電
折浴は85℃、0.2M/lの硝酸亜鉛を用いたので、
電析浴のもつ比抵抗は14Ωcmであり、10cm×2
0cmのサイズのアノードを基板から1cm離したとき
のアノード抵抗Rtは、0.07Ωである。
【0038】これに対して、基板の抵抗は2mΩ/mで
あり、また給電ローラー部の抵抗は0.001Ωであ
り、実測ではRs=0.004Ω、Rp=0.005Ω
であった。
【0039】電析電位を1.2〔V〕としたときの必要
な電圧源電圧は、次式より、
【0040】
【数6】 1=1.142〔V〕、V2=1.199〔V〕とな
る。電源電圧は9割方アノード電位として印加されてお
り、この場合には電源自体の電圧制御で、それほど不自
由なく電析が可能であった。
【0041】ところが、電析速度を高めるために、50
cm×35cmというサイズのアノードを用いたとこ
ろ、電圧源の相互干渉が大きく、ムラの発生が著しかっ
た。これは、本発明者等の検討の結果、まさに上記理論
が成り立って、Rtが0.008Ωとなり、
【0042】
【数7】 と互いの影響が大きくなっているためと判明した。
【0043】そこで、図1に示すような帰還系を改良し
た装置として、電圧源をアノード電位の所定値からのず
れΔψ1、Δψ2に対して
【0044】
【数8】 で帰還制御するためのオペレーショナル・アンプによる
演算器1020を組み込んで、この出力を電圧源のリモ
ート制御に帰還させて満足な結果を得た。
【0045】本来、アノード電位の変動は、RtやRs
やRpなどのパラメータが変動して生起するから、電圧
の補正量は非線形であり、これらパラメータを定数とみ
て制御するのは近似となっているが、本発明者らの実験
では、これで一様な電析には充分であった。演算器10
20の一例を図5に示す。
【0046】上記の検討を拡張して、n個のアノードと
それに独立に接続された電源の場合には、j番目のアノ
ードに印加する電圧ψjと各電源出力Vkは、
【0047】
【数9】 という関係で結びついている。ただし、q=Rp/R
t、r=Rs/Rt、Φ=ψ1+ψ2+・・・ψkとし
た。
【0048】すなわち、各電源出力はアノード電位と、
定係数akjを用いて、
【0049】
【数10】 のように線形関数で結び付けられ、上記と同様の方式を
用いれば、j番目のアノードの所定電圧に対するずれ出
力がΔψjであるとき、k番目のアノードに印加すべき
電源出力の補正量ΔVkが、式(1)と近似して表され
ることが分かる。
【0050】
【数11】
【0051】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の電析装置の好適
な実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定
されるものではない。
【0052】図2は、電析法により酸化物膜を作成する
装置の一例を示す概略図であり、電析法により酸化亜鉛
膜を作成するだけの機能に単純化したものである。
【0053】図2において、2001はロール状に巻か
れたステンレス帯板等の長尺基板であり、ロール基板、
ウエブ、フープ材、コイル、テープ、リール材などと呼
ばれている。すなわち、長尺基板は、細長い長方形をし
た帯状の薄板であり、長手方向に巻き上げてロール形状
に保持できるものをいい、連続的に成膜を行い得るた
め、稼働率やランニングコストを低減することができる
など、工業的に極めて有利なものである。長尺基板20
01は、ボビンにコイル状に巻かれた円筒状の基板とし
て、本装置へと搬送されてくる。
【0054】本装置では、コイル状の長尺基板を基板繰
り出しローラー2002に配置し、その表面保護のため
に巻き入れられた合紙を合紙巻き上げローラー2003
で巻き出しつつ、繰り出された基板を基板巻き上げロー
ラー2062へと搬送し、巻き取っている。
【0055】すなわち、基板2001は、その搬送経路
において、張力検出ローラー2005、給電ローラー2
006を経て電析槽2009に入る。電析槽2009の
内部では、基板2001が支持ローラー2013,20
14により位置出しされ、電析法により酸化物膜が作成
される。
【0056】次に、電析槽2009を通過した基板20
01は、水洗槽2030内に導入されて水洗される。水
洗槽2030内での位置出しは、支持ローラー203
1,2036によって行われる。水洗槽2030を通過
した基板2001は、温風乾燥炉2051内に導入され
て乾燥される。
【0057】温風乾燥炉2051を通過した基板200
1は、支持ローラー2057を経て、蛇行修正ローラー
2059により横ずれが補正され、成膜表面を保護すべ
く、合紙繰り出しローラー2060から繰り出された新
しい合紙を巻き込んで、基板巻き上げローラー2062
に巻き上げられて、必要に応じて次工程へと搬送され
る。
【0058】張力検出ローラー2005は、基板200
1の動的な巻き張力を検知して、基板繰り出しローラー
2002の軸にリンクされた不図示のパウダークラッチ
等のブレーキ手段にフィードバックをかけ、張力を一定
に保持するものである。これにより、基板2001の搬
送経路が支持ローラー間で所定の値になるように設計さ
れている。
【0059】特に、成膜面にローラーが触れない構成と
なっているため、張力が弱いと、支持ローラーから基板
2001が外れたり、電析槽2009や水洗槽2030
の出入ロで基板2001が垂れ下がって成膜面を擦って
傷付くなどの、不具合が発生する。
【0060】成膜面が触れない装置構成は、成膜面が損
傷を受けたり、汚れたりしないなどの利点があり、とり
わけ太陽電池の反射膜などのように、ミクロンサイズの
凹凸を薄膜上に形成しなければならない用途には好まし
い。
【0061】給電ローラー2006は長尺基板にカソー
ド側の電位を印加するためのもので、なるべく電析浴に
近いところに設置され、電源2008の負極側に接続さ
れている。
【0062】電析槽2009は、電析浴2016を保持
すると共に、基板2001の経路を定め、それに対して
アノード2017を設置して、このアノード2017に
給電バー2015を介して電源2008から正極の電位
を印加する。これにより、電析浴中で基板を負、アノー
ド2017を正とする電気化学的な電解析出プロセスが
進行する。
【0063】電析浴2016が高温に保たれるときは、
水蒸気の発生がかなり多くなるので、蒸気排出ダクト2
010,2011,2012から水蒸気を逃がしてや
る。
【0064】また、電析浴2016を攪拌するために、
攪拌エアー導入管2019からエアーを導入して、電析
槽2009内のエアー吹き出し管2018からエアーを
バブリングする。
【0065】電析槽2009に高温の浴液を補給するに
は、電析循環槽2025を設け、この中にヒーター20
24を設置して浴を加温し、かかる浴液を浴循環ポンプ
2023から電析浴液供給管2020を通して電析槽に
供給する。電析槽2009から溢れた浴液や、一部積極
的に帰還させる浴液は、不図示の帰還路を経て、電析循
環槽2025に戻して再び加温する。
【0066】ポンプの吐出量が一定の場合には、バルブ
2021とバルブ2022とで、電析循環槽2025か
ら電析槽2009への浴供給量を制御することができ
る。すなわち、供給量を増やす場合は、バルブ2021
をより開放とし、バルブ2022をより閉成とするので
あり、また供給量を減らす場合は逆の操作を行う。電析
浴2016の保持水位は、この供給量と不図示の帰還量
を調整しておこなう。
【0067】電析循環槽2025には、循環ポンプ20
27とフィルターとからなるフィルター循環系が備えら
れており、電析循環槽2025中の粒子を除去できる構
成となっている。電析循環槽2025と電析槽2009
と間での浴液の供給・帰還が充分に多い場合には、この
ように電析循環槽2025にのみフィルターを設置した
形で、充分な粒子除去効果を得ることができる。
【0068】本装置では、電析循環槽2025にも蒸気
排出ダクト2026が設置されており、水蒸気が排出さ
れる構造となっている。特に、電析循環槽2025には
ヒーター2024が設置されていて加温源となっている
ため、水蒸気の発生が著しく、発生した水蒸気が不用意
に放出されたり結露したりするのが好ましくない場合
は、極めて効果的である。
【0069】電祈予備槽2029は、加温された浴液を
一気に既設の廃液系に流して処理装置を傷めることを防
ぐために設置されたもので、一旦電析槽2009の電析
浴2016を保持すると共に、電析槽2009を空にし
て作業の能率を図るためのものである。
【0070】電析槽2009で電析を終えた基板200
1は、続いて水洗槽2030に入って水洗される。水洗
槽2009内では、基板2001は支持ローラー203
1と支持ローラー2066で位置決めされ、第一水洗槽
2032、第二水洗槽2033、第三水洗槽2034を
順に通過する。
【0071】それぞれに水洗循環槽2047〜2049
と水循環ポンプ2044〜2046が配され、2つのバ
ルブ、すなわちバルブ2038とバルブ2041、若し
くはバルブ2039とバルブ2042、またはバルブ2
040とバルブ2043とで水洗槽2009への水供給
量が決まり、供給管2035、若しくは供給管203
6、または供給管2037を介して、水洗槽2032〜
20344へ洗浄水が供給される。
【0072】2つのバルブによる供給量の制御法は、電
析槽2009での制御と同様である。また、電析槽20
09と同様に、オーバーフローを集めたり一部を積極的
に戻す不図示の帰還水を、それぞれの水洗循環槽204
7〜2049に戻すことも可能である。
【0073】通常、図2に示すような3段の水洗システ
ムでは、基板搬送方向の上流側の水洗槽から下側の水洗
槽、すなわち第一水洗槽2032から第三水洗槽203
4へ向けて、洗浄水の純度が高くなっている。これは、
基板2001が搬送されプロセスが終わりに近づくに従
って、基板2001の清浄度が上がっていくことを意味
している。
【0074】このことは、洗浄水を第三水洗循環槽20
49に最初に補給し、次に第三水洗循環槽2049で溢
れた洗浄水を第二水洗循環槽2048に補給し、さらに
第二水洗循環槽2048で溢れた洗浄水を第一水洗循環
槽2047に補給することにより、水の使用量を大幅に
節約して達成することができる。
【0075】水洗の終了した基板2001は、水洗槽2
030の一部に設けられたエアーナイフ2035により
水切りされ、続いて温風乾燥炉2051へ搬送される。
ここでは、水を充分に乾燥させるだけの温度の対流空気
で乾燥をおこなう。対流空気は、熱風発生炉2055で
発生した熱風を、フィルター2054を通してゴミを除
去し、温風吹き出し管2052から吹き出して供給す
る。
【0076】溢れる空気は、再度温風回収管2053よ
り回収して、外気導入管2056からの外気と混合して
熱風発生炉に送られる。
【0077】温風乾燥炉での基板2001の搬送経路
は、支持ローラー2066と支持ローラー2057とに
よって位置出しされる。
【0078】蛇行修正ローラー2059は、基板200
1の幅方向のずれを補正して基板巻き上げローラー20
62に巻き込むものであり、不図示のセンサーによって
ずれ量を検知し、蛇行修正ローラーを不図示のアームを
支点として回転することによって制御する。通常、セン
サーの検知するずれ量も、蛇行修正ローラー2059の
作動量も極めて小さく、1mmを超えないようにしてい
る。
【0079】基板2001を巻き上げるに際して、その
表面保護のために、合紙繰り出しローラー2060から
新しい合紙を供給する。
【0080】ストッパー2007とストッパー2058
は同時に働いて、基板2001を搬送張力の掛かったま
ま静止させるものである。これは、基板2001の交換
時や装置のメンテナンス時に、作業性を向上させる。
【0081】すなわち、本実施形態の電析装置は、長尺
基板2001上に均一な酸化物膜を連続的に作成する装
置であり、基板2001上に酸化物膜を作成する電析槽
2009と、電析槽2009を通過した基板2001を
水洗する水洗槽2030等の水洗手段と、水洗手段を通
過した基板2001を強制乾燥する温風乾燥炉2051
等の乾燥手段とを備えており、特に長尺基板上に酸化物
を電析するのに用いる浴抵抗の低い電析装置において、
基板搬送方向に沿って複数のアノードを配置し、これら
アノードに各々の電位を独立して制御可能な複数の電圧
源を接続し、各アノードから電圧源への帰還系にアノー
ド電位を検出してその出力に基づいて、各電圧源の出力
電位を制御する制御手段を設けて、アノード電位の変動
を極小化し得るように改良したものである。以下に、各
構成要素について詳細に説明する。
【0082】〔基板〕本発明で用いられる基板2001
の材料は、膜作成面で電気的な導通がとれ、電析浴20
16によって侵食されないものであれば使用することが
でき、ステンレス鋼(SUS)、Al、Cu、Fe、C
rなどの金属、およびこれらの合金が用いられる。ま
た、金属コーティングを施したPETフィルムなども利
用可能である。
【0083】これらの中で、後工程で素子化プロセスを
行うには、ステンレス鋼が比較的安価で防食性に優れて
いるので、長尺基板として優れている。
【0084】基板表面は、研磨を行った鏡面でもよい
し、BAなどの平滑面でもよいし、また2Dで代表され
る粗面でもよい。1μm以上の粗面の場合には、例え濡
れ性の良い膜が作成されても、電析槽2009と水洗槽
2030との間で乾燥ムラが発生しやすく、本発明が有
効である。
【0085】さらに基板2001には、別の導電性材料
が成膜されていてもよく、電析の目的に応じて選択され
る。
【0086】ステンレス鋼やCr製の長尺基板の場合に
は、他の金属に比べて比電気抵抗が大きいため、特に本
発明が有効である。
【0087】〔酸化物膜〕本発明により作成可能な酸化
物膜としては、c軸に配向した酸化亜鉛多結晶膜、c軸
の傾いた酸化亜鉛多結晶膜が挙げられる。その他の酸化
物膜としては、硝酸インジウムから析出される酸化イン
ジウムなどが挙げられる。
【0088】〔電析槽〕本発明に用いられる電析槽20
09としては、金属においては、ステンレス鋼(SU
S)、Fe、Al、Cu、Cr、真ちゅうなどが耐熱性
・加工性に優れているので利用することができ、耐食性
を考慮するとステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼
は、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト
系のいずれも適用可能である。
【0089】保温性が必要とされる場合には、二重構造
とし、槽壁間を断熱材で補完することができる。断熱材
としては、温度と簡便性を考慮して、空気、油脂、ガラ
スウール、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0090】〈電析浴〉電析槽2009内に収容される
電析浴2016は、良く知られた金属めっき用の浴の
他、酸化亜鉛成膜用の硝酸亜鉛を主としたものが適用可
能である。膜の一様性を高めるために、スクロースやデ
キストリンなどの糖類を添加することもできる。
【0091】特に、太陽電池の光閉じ込め反射層として
有効な光の波長程度の凹凸をもった酸化亜鉛を成膜する
には、硝酸亜鉛の濃度を0.1M/l以上とすることが
好ましい。c軸に配向した酸化亜鉛膜を得るには、基板
にもよるが、一般的には、0.05M/l以下とするこ
とが好ましい。
【0092】いずれの場合にも、添加する糖類は、スク
ロースにあっては3g/l以上、デキストリンにあって
は0.001g/l以上とすることが好ましい。これら
の場合、浴の温度は、60℃以上とするのが金属の析出
がなく好ましい。とりわけ、80℃以上であると、膜の
一様性が向上するので好ましい。したがって、この温度
では電導度が著しく上るため、本発明の効果がいっそう
顕著になる。
【0093】また、酸化インジウムを析出させる場合に
は、硝酸インジウムを0.0001M/l以上とし、糖
類を同じ程度で含有させることが好ましい。ただし、浴
温については、60℃より低い方が好ましい。
【0094】〈アノード〉本発明に用いられるアノード
とは、基板に対して正の電位をもち、電析電流を基板に
向かって流し得るものをいう。通常は、図2に示したよ
うに、基板に対向するように、近接して配置される。
【0095】アノードに印加する電力は、膜の堆積を制
御するために、電圧制御とするよりも電流制御とするこ
とが好ましい。
【0096】本発明におけるアノードの長尺基板の幅方
向の大きさ(以下、「アノードの幅」と称する。)は、
長尺基板の幅と等しいか、あるいはそれより大きく設定
される。このように設定することは、本発明者等の実験
によると極めて重要である。すなわち、アノードの幅が
長尺基板の幅より小さいと、酸化物膜の基板幅方向のム
ラが著しく発生するので、アノードの幅を長尺基板の幅
と等しいか、あるいはそれより大きく設定することが必
要とされるのである。
【0097】特に、本発明では、酸化物膜を堆積させる
ため、単に金属イオンを電界によって運ぶだけでなく、
基板のごく近傍で酸化反応を進めなければならない。し
たがって、その酸化反応を保持するための電位(浴液と
基板との電位)を確保せねばならず、金属めっきとは異
なったアプローチが必要であると考えている。端的に
は、実験的に定めている。
【0098】アノードと基板との距離は、機械的な精度
が一番大きな因子となるが、1mm以上数10cm以下
に設定するのが好ましく、特に10mm〜50mm前後
の距離で配置するのが効果が最大化され、より好まし
い。また、同一の電位がかかっているアノードは、同じ
距離に配置すること、すなわち、基板になるべく平行に
配置することが好ましい。
【0099】アノードの基板搬送方向の大きさは、0.
1mm程度から1m以上まで自由である。アノードの形
状は、板状、線状、棒状、その他後述のようにメッシュ
状あるいは格子状とすることができる。いずれも機械的
な組み立て易さや、電位保持の容易性から定められる。
【0100】アノードは、通常、懸垂線を描く搬送基板
に距離を合わせて配置されるため、複数配置されるが、
その電位や形状はアノード同士で同一である必要はな
い。例えば、基板に近い側で凹凸は大きくないが成膜速
度の大きい膜とし、基板から遠い側(すなわち、太陽電
池活性層を電析膜の上に構成するときに、活性層に近い
側)で凹凸は大きく成膜速度の小さい膜とするような場
合に、プロセス前半のアノードはより近接させたり、よ
り電位を高く保持して電析電流を多くし、プロセス後半
のアノードはより離したり、より電位を低く保持して電
析電流を少なくするという具合である。その場合、前半
は板状のアノード、後半は棒状のアノードいう形状を選
択することもできる。
【0101】〈ケーブル〉本発明に用いられるケーブル
は、通常の被覆線もしくは裸線を利用することができ
る。ただし、線抵抗を下げるために、14mm2以上の
断面積を有するものを用いるのが好ましい。14mm2
の断面積の線材は1〜2Ω/kmの抵抗値をもつため、
例えばこの線材を10m用いると、10mΩ〜20mΩ
のケーブル抵抗をもつことになる。これは、前掲の例で
示したケーブル抵抗値に比べ大きい。実際のものでは、
太い線径や短いケーブルを用いて、この値より小さくす
るのが好ましい。
【0102】〈スイッチ〉本発明に用いられるスイッチ
には、電流を充分に効果的に開閉するもので、機械接点
をもつものや、リレー接点のもの、更にソリッドステー
トリレー(SSR)の類が利用可能である。ただし、い
ずれも接点抵抗には気をつけるべきで、できる限り小さ
い値のものを用いるようにする。
【0103】〈給電部〉本発明に用いられる給電部は、
基板から電流を効率よく取得できるもので、ステンレス
鋼(SUS)、銅、炭素などで構成された、従動ローラ
ー、摺動ブラシなどを利用することができる。給電抵抗
を低くするために、ローラーヘの張力を増やしたり、電
解液を流したりしてもよい。
【0104】〈電圧源〉本発明に用いられる電圧源は、
端子間電圧が制御できるものであって、図4に示すよう
な電圧を印加しうるもので、かつ、そのための端子電流
を実現できる容量をもつものである。
【0105】また、図4からも分かるように、互いの出
力端子は接地から浮いており、1kΩ以上の高入力イン
ピーダンスをもつセンシング入力を受けて、電圧出力を
独立して制御できるものである。一般に入手できる直流
電圧源で、容量を満足するものが、使用可能である。市
販品では、例えば(株)ケンウッドのPSシリーズ、菊
水電子のPAKシリーズの電源が、これらの条件を満た
す。
【0106】〈制御手段〉上記電圧源の帰還系には制御
手段として、電圧源の出力電位を予め設定したアノード
電位の所定値からのずれΔψ1、Δψ2に対して、帰還制
御するためのオペレーショナル・アンプによる演算器1
020が組み込まれており、この出力を電圧源のリモー
ト制御に帰還させている。
【0107】アノード電位の変動は、アノード抵抗の大
きさRtや基板抵抗Rsや給電ローラーのもつ接触抵抗
Rpなどのパラメータが変動して生起するから、電圧の
補正量は非線形であり、これらパラメータを定数とみて
制御するのは近似となっているが、一様な電析には充分
である。図5は、演算器1020の一例を示す概略図で
ある。
【0108】図5の回路はOPアンプの組合わせであ
る。帰還抵抗を入力抵抗より大きくとると、例えばOP
1において出力は、反転増幅と非反転増幅の単純な和と
して、(R3/R2)φ1−(R3/R1)VR1で表され
る。VR1は、零点補正用で、ゼロボルトを調整するた
めのものであるから、OP1の出力は(R3/R2)φ1
なる。同様の議論をOP1からOP6に適用して、S1の
出力として−(R315/R213)φ1−(R915/R
814)φ2、また、S2の出力として−(R618/R5
16)φ1−(R1218/R1117)φ2が得られる。最
終の加算はOP5・OP6で行っているが、発振防止のた
め反転増幅器を採用している。符号の反転が電圧制御の
ために必要なら、もう一段反転増幅器を追加するのがよ
い。S1およびS2の出力と数式6や数式7を比較する
と、図5に必要な抵抗値を決めることができる。
【0109】アノード電位は高インピーダンス入力をも
つ電圧計の測定値により検出され、演算器が予め設定さ
れた所定値に電圧計の測定値が近づくように電圧源の出
力電圧を制御する。
【0110】或いは、アノード電位は高インピーダンス
入力をもつ電圧計の測定値により検出され、演算器が予
め設定された所定の関数値に複数の電圧計の測定値が近
づくように各電圧源の出力電圧を制御する。この関数値
は、検出された測定値の線形結合で現される関数である
ことが好ましい。
【0111】また、アノード数がn(≧2)であり、各
アノードの電位が測定検出され、予め設定された所定の
電圧値に対するずれ出力がΔψjであって、k番目のア
ノードに印加すべき電源出力補正量ΔVkが、係数akj
を用いて、式(1)で表されることが好ましい。
【0112】
【数12】
【0113】〔水洗手段〕本発明に用いられる水洗手段
は、図2に示すような水洗槽2030に収容した水中に
基板2001を通過させる方式のほか、水洗用のシャワ
ーを用いることができる。後者の場合でも、一旦形成さ
れた乾燥ムラは、水洗のみで効果的に除去することは困
難である。
【0114】〔乾燥手段〕本発明に用いられる乾燥手段
では、充分に水溶性の溶質を除去した後に、図2に示し
たようなエアーナイフによる水切りが極めて効果的であ
り、後続の加熱乾燥は温風で十分である。後工程で真空
装置を用いる場合には、吸着水を除去するために、赤外
線ヒーターなども利用可能である。
【0115】〔搬送手段〕本発明に用いられる基板の搬
送手段では、基板の上下振動が発生して、段状のムラが
槽間で発生しないように、基板の幅1cmあたり0.5
kg以上の張力をかけるのが好ましい。
【0116】特に、オーバーフロー部分での上下動は、
オーバーフローや飛沫によるムラを発生させやすいた
め、支持ローラーを磁性ローラー(強磁性体基板の場
合)として搬送経路を確保するのが好ましい。
【0117】本発明の電析槽、および電析装置は、ロー
ル間で長尺基板を掛け渡して搬送するロール・ツー・ロ
ール装置に備えられていることが好ましい。
【0118】
【実施例】以下に、本発明に基づく実施例を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0119】〔実施例1〕実施例1は、図2に示す電析
装置に、アノード部分として図1に示すものを組み込ん
で、長尺基板の電析装置とした。図1において、100
1は長尺基板、1002は基板搬送方向、1003,1
004はアノード、1007,1008は電圧源、10
09は給電ローラー、1010は戻りケーブル、102
0は演算器である。
【0120】本実施例における電析浴は、0.005M
/lの硝酸亜鉛と0.07g/lのデキストリンを含ん
だものを用いた。成膜温度は85℃とし、導電度を測定
したところ1mSであった。
【0121】アノード1003,1004のサイズはい
ずれも、アノード長さ1500mm、アノード幅350
mmとした。これを幅350mmの長尺基板1001と
3cm離して対向せしめた。電析浴のアノード抵抗Rt
は略0.57Ωであり、これを経て各アノード100
3,1004から長尺基板1001へ電流が流れてい
た。この浴抵抗Rbは、1Ωであった。
【0122】長尺基板1001としては、幅350m
m、厚さ0.15mmのフェライト系ステンレス鋼(S
US430)を用い、この基板のもつ抵抗は、長さ1m
あたり0.02Ωであった。給電部の抵抗は、0.13
Ωであった。各ケーブルのもつ抵抗も0.1mΩを越え
ることはなかった。
【0123】すなわち、Rpは0.15Ω、Rsは0.
2Ωである。そこで、本実施例では、ケーブル抵抗を無
視することができ、前述の検討結果と同様にして、電圧
源の制御は、
【0124】
【数13】 となる。図5の演算器の抵抗値を替えて係数に合わせ
た。
【0125】実際、本発明を適用する前のアノードで
は、とりわけ電析開始初期の電圧が不安定であり、安定
するまで30秒を要したが、本発明を採用したところ、
5秒以内で安定域に到達したし、成膜にあたっても、異
常成長が発生することはなかった。すなわち、電圧源
は、直ぐ傍の電圧源からの影響を受け易いが、本発明に
よりそれが最小化される。
【0126】本実施例によれば、長尺基板上に酸化物を
電析するのに用いる浴抵抗の低い電析装置において、ア
ノード電流の特に初期における変動を極小とすることが
でき、異常成長を減らし、成膜の一様性を向上させるこ
とができるものである。
【0127】〔実施例2〕実施例2は、電析浴を0.2
M/lの硝酸亜鉛と0.07g/lのデキストリンとを
含んだものに変え、基板の張力を30kg/cm2に上
げて、給電抵抗を0.001Ωに下げたほかは、実施例
1と同じ構成とした。
【0128】浴温は同じく85℃としたため、電導度が
70mS/cmと大きくなり、Rtが0.008Ω、R
pが0.03Ωと小さくなった。
【0129】そのため、制御のための関数は、
【0130】
【数14】 となった。電析浴の抵抗が下がった分が給電ローラーの
抵抗域で補償しきれず、係数は実施例1よりも大きいも
のとなっているが、図5の演算器のゲインを上げること
で、アノード電位の変動を実施例1と同じく、充分に抑
えることができた。
【0131】本実施例に示すように、本発明は浴の抵抗
が低く、アノード変動を大きな値として電源側で制御し
なければならない場合にも、効果がある。
【0132】〔実施例3〕実施例3は、アノードのサイ
ズを1000mm×350mmのものに変え、電析浴は
0.2M/lの硝酸亜鉛と0.07g/lのデキストリ
ンとを含んだものを用いた。
【0133】成膜温度は85℃とし、導電度を測定した
ところ、実施例2と同じく70mS/cmであった。こ
れを幅350mmの長尺基板1001と3cm離して対
向せしめた。電析浴のアノード抵抗Rtは略0.12Ω
であり、これを経て各アノード1003,1004から
長尺基板1001へ電流が流れていた。
【0134】実施例2と同様に、Rsが0.02Ω、R
pが0.03Ωとし、電圧源の必要制御分ΔV1とΔV2
とを評価すると、
【0135】
【数15】 となる。アノードのサイズが小さくなった分、実施例2
に比べ制御が容易であることが分かった。
【0136】〔実施例4〕実施例4は、実施例3と同じ
アノードを3つ用いた。配管は等間隔とし、Rsが0.
02Ω、Rpが0.03Ωであった。アノード抵抗Rt
は略0.012Ωで、実施例3と同じである。
【0137】前述の理論を適用して、
【0138】
【数16】 を得る。これに基づき、図5を3つの電圧源用に変えた
演算器を用いて電源の制御を行ったところ、電圧源の初
期変動は殆ど観測されず、異常成長のない、極めて一様
性に優れた酸化物膜を作成することができた。
【0139】本実施例によれば、プロセス変動や電流の
投入・切断に伴う電流源変動を効率良く極小とすること
ができる。特に、実施例2と比較すると、全アノードの
長さが同じであるから、同じ成膜のスループットを有し
ていながら、制御すべき量が大幅に小さくされているの
が分かる。このことは、制御のための演算器利得やリモ
ートセンスの感度などを小さくすることができ、ノイズ
に対する信頼性を高めるとともに、酸化物膜を安定して
成膜することが可能である。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
長尺基板上に酸化物を電析するのに用いる浴抵抗の低い
電析槽、および当該電析槽を備えた電析装置装置におい
て、アノード電位の変動を極小化することができるとと
もに、膜の異常成長を極小化することができ、ムラのな
い一様な酸化膜を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電析装置の一実施例を示す概略図であ
る。
【図2】本発明の適用可能な装置の一例を示す概略図で
ある。
【図3】アノード部分の機能を説明する概略図である。
【図4】図3のアノード部分の電気的な等価回路を示す
概略図である。
【図5】電位制御用の帰還量演算器の一例を示す概略図
である。
【符号の説明】
1001 長尺基板 1002 基板搬送方向 1003,1004 アノード 1007,1008 電源 1009 給電ローラー 1010 戻りケーブル 1020 演算器 2001 長尺基板 2002 基板繰り出しローラー 2003 合紙巻き上げローラー 2005 張力検出ローラー 2006 給電ローラー 2007、2058 ストッパー 2008 電源 2009 電析槽 2062 基板巻き上げローラー 2010〜2012 蒸気排出ダクト 2013、2014、2031、2057、2066
支持ローラー 2015 給電バー 2016 電析浴 2017 アノード 2018 エアー吹き出し管 2019 攪拌エアー導入管 2020 電析浴液供給管 2021、2022、2038〜2043 バルブ 2023 浴循環ポンプ 2024 ヒー夕ー 2025 電析循環槽 2026 蒸気排出ダクト 2027 循環ポンプ 2029 電析予備槽 2030 水洗槽 2032 第一水洗槽 2033 第二水洗槽 2034 第三水洗槽 2035〜2037 供給管 2044〜2046 水循環ポンプ 2047〜2049 水洗循環槽 2051 温風乾燥炉 2052 温風吹き出し管 2053 温風回収管 2054 フィルター 2055 熱風発生炉 2056 外気導入管 2059 蛇行修正ローラー 2060 合紙繰り出しローラー 3001 長尺基板 3002 基板搬送方向 3003,3004 アノード 3007,3008 電圧源 3009 給電ローラー 4001,4002 基板抵抗 4003,4004 アノード抵抗 4005 浴抵抗 4007,4008 電圧源 4010 給電ローラー抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 遠山 上 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 BA14 CB27 FA02 GA02 GA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電析浴中で長尺基板とアノードとに通電
    して基板上に酸化物膜を作成する電析槽において、 基板搬送方向に沿って複数のアノードが配置され、これ
    らアノードに各々の電位を独立して制御可能な複数の電
    圧源が接続され、各アノードから電圧源への帰還系にア
    ノード電位を検出してその出力に基づいて、各電圧源の
    出力電位を制御する制御手段が設けられていることを特
    徴とする電析槽。
  2. 【請求項2】 アノード電位が高インピーダンス入力を
    もつ電圧計の測定値により検出され、制御手段が予め設
    定された所定値に電圧計の測定値が近づくように電圧源
    の出力電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載
    の電析槽。
  3. 【請求項3】 アノード電位が高インピーダンス入力を
    もつ電圧計の測定値により検出され、制御手段が予め設
    定された所定の関数値に複数の電圧計の測定値が近づく
    ように各電圧源の出力電圧を制御することを特徴とする
    請求項1に記載の電析槽。
  4. 【請求項4】 関数値が、検出された測定値の線形結合
    で現される関数であることを特徴とする請求項3に記載
    の電析槽。
  5. 【請求項5】 アノード数がn(≧2)であり、各アノ
    ードの電位が測定検出され、予め設定された所定の電圧
    値に対するずれ出力がΔψjであって、k番目のアノー
    ドに印加すべき電源出力補正量ΔVkが、係数akjを用
    いて、式(1)で表されることを特徴とする請求項2〜
    4のいずれかに記載の電析槽。 【数1】
  6. 【請求項6】 ロール間で長尺基板を掛け渡して搬送す
    るロール・ツー・ロール装置に備えられている請求項1
    〜5のいずれかに記載の電析槽。
  7. 【請求項7】 電析浴中で長尺基板とアノードとに通電
    して基板上に酸化物膜を作成する電析槽と、電析槽を通
    過した基板を水洗する水洗手段と、水洗手段を通過した
    基板を乾燥する乾燥手段とを備えている電析装置におい
    て、 基板搬送方向に沿って複数のアノードが配置され、これ
    らアノードに各々の電位を独立して制御可能な複数の電
    圧源が接続され、各アノードから電圧源への帰還系にア
    ノード電位を検出してその出力に基づいて、各電圧源の
    出力電位を制御する制御手段が設けられていることを特
    徴とする電析装置。
  8. 【請求項8】 アノード電位が高インピーダンス入力を
    もつ電圧計の測定値により検出され、制御手段が予め設
    定された所定値に電圧計の測定値が近づくように電圧源
    の出力電圧を制御することを特徴とする請求項7に記載
    の電析装置。
  9. 【請求項9】 アノード電位が高インピーダンス入力を
    もつ電圧計の測定値により検出され、制御手段が予め設
    定された所定の関数値に複数の電圧計の測定値が近づく
    ように各電圧源の出力電圧を制御することを特徴とする
    請求項7に記載の電析装置。
  10. 【請求項10】 関数値が、検出された測定値の線形結
    合で現される関数であることを特徴とする請求項9に記
    載の電析装置。
  11. 【請求項11】 アノード数がn(≧2)であり、各ア
    ノードの電位が測定検出され、予め設定された所定の電
    圧値に対するずれ出力がΔψjであって、k番目のアノ
    ードに印加すべき電源出力補正量ΔVkが、係数akj
    用いて、式(1)で表されることを特徴とする請求項8
    〜10のいずれかに記載の電析装置。 【数2】
  12. 【請求項12】 ロール間で長尺基板を掛け渡して搬送
    するロール・ツー・ロール装置に備えられている請求項
    7〜11のいずれかに記載の電析装置。
JP10212379A 1998-07-28 1998-07-28 電析槽、および電析装置 Withdrawn JP2000045099A (ja)

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WO2005066393A1 (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Toyo Kohan Co., Ltd. 酸化物被覆方法および装置
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