モーディー文字
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モーディー文字 | |
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『ジュニャーネーシュワリー』冒頭 分かち書きされている | |
類型: | アブギダ |
言語: | マラーティー語 |
親の文字体系: | |
Unicode範囲: | U+11600..U+1165F |
ISO 15924 コード: | Modi |
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。 |
ブラーフミー系文字 |
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ブラーフミー 前6世紀-前3世紀- |
モーディー文字(モーディーもじ、マラーティー語: मोडी moḍī)は、インドのマラーティー語を表記するために使われていたブラーフミー系文字である。現在マラーティー語の表記にはデーヴァナーガリーが使われ、モーディー文字は私信にわずかに使われるにとどまる。
概要
[編集]モーディー文字はナーガリー文字の系統の文字で、13世紀ヤーダヴァ朝の大臣ヘーマードリ(en)が考案したとも、17世紀マラーター王国のシヴァージーの書記が作ったとも伝えられる[1]。現存する最古の文献は17世紀前半のものである[2]。モーディー文字による印刷は19世紀前半にはじまった[2]。
マラーティー語はかつてデーヴァナーガリー、モーディー文字、カンナダ文字などで表記されていた[3]。20世紀なかばまでにデーヴァナーガリーの使用が拡大し、モーディー文字は他の多くの地方文字と同様に衰退した[4]。
速記に適した文字で、単語は通常分かち書きしない[1]。構造的にはデーヴァナーガリーと同様だが、曲線的な字形を持つ。また、子音字と母音記号がしばしば分かち難く融合して合字をつくり、子音字単体からは予測不可能な形になる[2]。
Unicode
[編集]2014年のUnicodeバージョン7.0で、追加多言語面のU+11600..U+1165Fに追加された[5][6]。
Modi[7] | ||||||||||||||||
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U+1160x | 𑘀 | 𑘁 | 𑘂 | 𑘃 | 𑘄 | 𑘅 | 𑘆 | 𑘇 | 𑘈 | 𑘉 | 𑘊 | 𑘋 | 𑘌 | 𑘍 | 𑘎 | 𑘏 |
U+1161x | 𑘐 | 𑘑 | 𑘒 | 𑘓 | 𑘔 | 𑘕 | 𑘖 | 𑘗 | 𑘘 | 𑘙 | 𑘚 | 𑘛 | 𑘜 | 𑘝 | 𑘞 | 𑘟 |
U+1162x | 𑘠 | 𑘡 | 𑘢 | 𑘣 | 𑘤 | 𑘥 | 𑘦 | 𑘧 | 𑘨 | 𑘩 | 𑘪 | 𑘫 | 𑘬 | 𑘭 | 𑘮 | 𑘯 |
U+1163x | 𑘰 | 𑘱 | 𑘲 | 𑘳 | 𑘴 | 𑘵 | 𑘶 | 𑘷 | 𑘸 | 𑘹 | 𑘺 | 𑘻 | 𑘼 | 𑘽 | 𑘾 | 𑘿 |
U+1164x | 𑙀 | 𑙁 | 𑙂 | 𑙃 | 𑙄 | |||||||||||
U+1165x | 𑙐 | 𑙑 | 𑙒 | 𑙓 | 𑙔 | 𑙕 | 𑙖 | 𑙗 | 𑙘 | 𑙙 |
脚注
[編集]- ^ a b 田中(1981) p.204。なお「モーリー文字」と呼ばれている
- ^ a b c Anshuman Pandey (2011-05-23), N4034 Proposal to Encode the Modi Script in ISO/IES 10646
- ^ Salomon (1998) p.100
- ^ Masica (1993) p.144
- ^ Supported Scripts, Unicode, Inc.
- ^ Unicode 7.0.0, Unicode, Inc., (2014-06-16)
- ^ Modi, Unicode, Inc
参考文献
[編集]- 田中敏雄 著「インド系文字の発展」、西田龍雄 編『世界の文字』大修館書店、1981年、181-210頁。
- Masica, Colin P (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446
- Salomon, Richard (1998). Indian Epigraphy: A Guide to the Study of Inscriptions in Sanskrit, Prakrit, and Other Indo-Aryan Languages. Oxford University Press. ISBN 0195099842