[go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

イニャツィオ・カシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イニャツィオ・カシス
Ignazio Cassis
2024年
スイスの旗 スイス連邦大統領
任期
2022年1月1日 – 2022年12月31日
前任者ギー・パルムラン
後任者アラン・ベルセ
スイス連邦副大統領
任期
2021年1月1日 – 2021年12月31日
大統領ギー・パルムラン
前任者ギー・パルムラン
後任者アラン・ベルセ
外務担当連邦参事
就任
2017年11月1日
前任者ディディエ・ビュルカルテ
スイス連邦参事
就任
2017年11月1日
前任者ディディエ・ビュルカルテ
個人情報
生誕 (1961-04-13) 1961年4月13日(63歳)
スイスティチーノ州セッサ
政党スイス自由民主党
配偶者パオラ・カシス
住居ティチーノ州モンタニョーラ
出身校チューリヒ大学
ローザンヌ大学

イニャツィオ・カシスイタリア語: Ignazio Cassisイタリア語発音: [iɲˈɲattsjo ˈkassis]1961年4月13日 - )は、スイスの政治家。医師。2022年度の連邦大統領[1]。2021年度の連邦副大統領。スイス自由民主党所属で、2017年以来連邦参事を務めている。ドイツ語読みでイグナツィオ・カシスと呼ばれることも少なくない[2][3]

ディディエ・ビュルカルテの後任として2017年9月20日、連邦参事に選出され、同年11月1日に外務担当参事として就任した。2021年1月1日、大統領ギー・パルムランのもとで副大統領に就任した[4]

2022年1月1日、同国大統領に就任した。

経歴

[編集]

1987年までチューリヒ大学で医学を学んだのち、内科学と公衆衛生学を専攻し、後者で1996年に修士号を取得。1998年にローザンヌ大学から医学博士号を取得した。1996年から2008年まで、ティチーノで医師として勤務し、2008年から2012年までスイス医学協会副会長を務めた[5]

2007年6月4日に国民議会議員に選出され、2017年10月30日まで在職した(スイス自由民主党所属)[6]

2017年、連邦参事のディディエ・ビュルカルテが退任を表明すると、イザベル・モレ(ヴォー州選出国民議会議員)とピエール・モーデ(元ジュネーヴ市長)とともに、その後継候補となった[7]。そのなかでもカシスが最有力と考えられた[7]。9月20日に連邦議会で行われた投票の結果、第二回投票においてカシスが有効票244票のうち125票を獲得し、1848年以来117人目の連邦参事に選出された[8][9][10][11]。議会内の中道右派および右派政党の支持を得ての当選で[11]ティチーノ州から連邦参事が誕生するのは1999年以来のことであった[10][11]。スイス各紙はおおむね、カシスの選出を好意的に評価した[12][13]

2017年11月1日、連邦参事に就任し、ビュルカルテの後任として外務を担当した[4][14][15]。当選後まもなく、カシスが銃関連の権利擁護団体「プロテル」に入会したと報じられたことから、銃に関する共通政策をめぐって欧州連合 (EU) との関係がこじれることが懸念された[16]。この報道からまもなく、カシスはプロテルやその他の銃関連団体を脱退した[16]

2021年12月8日、スイス連邦議会において2022年度の連邦大統領に197票中156票の賛成票を得て当選した[17]

人物

[編集]

ティチーノ州セッサ出身。2人の姉と1人の妹がいる[18][19]。政界に入ったのは遅く、40代になってからである[18]

出生時はイタリア国籍だったが、1976年にスイス国籍を取得した際に喪失した。1991年に再びイタリア国籍を得て二重国籍となったが、2017年の連邦参事立候補にともなって放棄している[20]

脚注

[編集]
  1. ^ “Ignazio Cassis prendra les rênes de la Confédération”. Swissinfo. (2021年12月8日). https://www.swissinfo.ch/fre/ignazio-cassis-prendra-les-r%C3%AAnes-de-la-conf%C3%A9d%C3%A9ration/47174958 2021年12月9日閲覧。 
  2. ^ カシス・スイス連邦大統領兼外務大臣の訪日 | 外務省
  3. ^ スイスを体現する新連邦大統領 イグナツィオ・カシス氏はどんな人物? - SWI swissinfo.ch
  4. ^ a b Quiquerez, Florent (1 November 2017). “Ignazio Cassis au pied du mur européen” (フランス語). 24時間新聞. ISSN 1424-4039. https://www.24heures.ch/suisse/ignazio-cassis-pied-mur-europeen/story/31075762 2017年11月1日閲覧。 
  5. ^ SRF Tagesschau Hauptausgabe 20 September 2017
  6. ^ Ignazio Cassis”. parlament.ch. 2017年9月20日閲覧。
  7. ^ a b Who Will Become the Next Swiss Cabinet Minister?”. Swissinfo (September 19, 2017). January 20, 2018閲覧。
  8. ^ ELETTO IGNAZIO CASSIS” (イタリア語). ticinonews.ch (2017年9月20日). 2017年9月20日閲覧。
  9. ^ FOKUS: Der Tessiner Ignazio Cassis ist neuer Bundesrat” (ドイツ語). 10vor10 (2017年9月20日). 2017年9月20日閲覧。
  10. ^ a b Ignazio Cassis is Elected Switzerland's New Federal Councillor”. The Local (20 September 2017). 20 January 2018閲覧。
  11. ^ a b c Cassis Chosen as Switzerland’s New Cabinet Minister”. Swissinfo (20 September 2017). 20 January 2018閲覧。
  12. ^ Press Welcomes Cassis Election to Federal Council”. The Local (21 September 2017). 20 January 2018閲覧。
  13. ^ Election of Cassis ‘Positive’ and ‘Smart’, Say Papers”. Swissinfo (21 September 2017). 20 January 2018閲覧。
  14. ^ New Federal Councillor Cassis Inherits Foreign Ministry”. The Local (22 September 2017). 20 January 2018閲覧。
  15. ^ Cassis to Take Over Foreign Ministry”. Swissinfo (22 September 2017). 20 January 2018閲覧。
  16. ^ a b Future Swiss Foreign Minister Quits Gun Lobby Groups”. Swissinfo (16 October 2017). 20 January 2018閲覧。
  17. ^ Ignazio Cassis prendra les rênes de la Confédération Swissinfo 2021年12月8日配信 2022年1月1日閲覧
  18. ^ a b In breve” (イタリア語). ignaziocassis.ch. 2017年9月21日閲覧。
  19. ^ Philipp Mäder (2017年9月20日). “Die stolzen Schwestern von Bundesrat Cassis” (ドイツ語). Schweizer Illustrierte. 2017年9月20日閲覧。
  20. ^ “FDP-Bundesratskandidat Cassis gibt italienischen Pass zurück” (ドイツ語). ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング. (2017年8月25日). https://www.nzz.ch/schweiz/nachfolge-burkhalter-fdp-bundesratskandidat-cassis-gibt-italienischen-pass-zurueck-ld.1312684 2017年9月21日閲覧。 

外部リンク

[編集]
公職
先代
ディディエ・ビュルカルテ
スイス連邦参事
2017年 –
現職
外務担当連邦参事
2017年 -
先代
ギー・パルムラン
スイス連邦副大統領
2021年
次代
アラン・ベルセ
先代
ギー・パルムラン
スイス連邦大統領
2022年 –
現職