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2025年自然科学研究教育センター・シンポジウム

「話そう、考えよう、SDGsと科学のこと」
2025.09.29
  • 日時 :
    2025年11月15日(土)13:00〜16:50
  • 会場 :
    日吉キャンパス 第4校舎B棟 J11番教室
  • 主催 :
    慶應義塾大学 自然科学研究教育センター
  • 講師 :
    大沼あゆみ
    慶應義塾大学 経済学部 教授

    上原淳 氏
    Jリーフ株式会社 代表取締役社長

    今川健一 氏
    千代田化工建設株式会社 研究開発センター R&Dエネルギー・環境セクション SL代行

    鵜山尚大 氏
    清水建設株式会社 フロンティア開発室 宇宙開発部 研究開発グループ
  • 参加費 :
    無料( 参加申込必要
    当日会場で参加受付も可
  • 対象 :
    一般・学生・教職員

プログラム

開会挨拶(13:00~13:10) 奥田暁代(本塾常任理事)

講演1(13:10~13:50 司会:糟谷大河)

「地球環境を支える経済の力 ― 経済政策と市民が動かす二輪のエンジン」 大沼あゆみ(慶應義塾大学 経済学部教授)

講演2(13:50~14:30 司会:志村正)

「SDGsの観点で植物工場を考える」 上原淳 氏(Jリーフ株式会社 代表取締役社長) 休憩(14:30~14:45)

講演3(14:45~15:25 司会:岡本昌樹)

「SDGsに貢献する水素の利活用(製造、運搬、利用)」 今川健一 氏(千代田化工建設株式会社 研究開発センター R&Dエネルギー・環境セクション SL代行)

講演4(15:25~16:05 司会:杉本憲彦)

「月太陽発電「ルナリング」構想と月面建設技術」 鵜山尚大 氏(清水建設株式会社 フロンティア開発室 宇宙開発部 研究開発グループ)

休憩(16:05~16:15)

総合質疑討論(16:15~16:45 司会:林良信)

閉会挨拶(16:45~16:50) 岡本昌樹(センター所長・文学部教授)

講演要旨

『地球環境を支える経済の力 ― 経済政策と市民が動かす二輪のエンジン』大沼 あゆみ

地球環境を持続可能なものにするためには、科学技術の開発とその社会的普及を経済の力で支えることが不可欠です。環境技術の多くは開発初期にコストが高く、十分に普及しにくいという課題を抱えています。一方で、こうした技術は、生産量の増加に伴って企業の経験や効率が蓄積し、単位コストが下がるという「学習曲線」が働きやすいという特徴をもっています。政府による戦略的な経済的支援によって導入を後押しし、需要を拡大させることで、環境技術を早期に低コスト化へ導くことができます。こうしたグリーン経済政策は、地球環境を支えるための重要なエンジンとなり、SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の実現可能性を高めるものです。 一方、地球環境を支えるもう一つの力は市民の側、すなわち需要側にあります。消費者が森林認証やエコラベルなど、環境に配慮した商品を選ぶことで、持続可能な生産者を経済的に支えることができます。この「責任ある消費」は、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に対応するものであり、環境技術の導入を支援する経済政策が主に供給側を支援するのに対し、需要側から市場を動かす力として、社会の需要構造を変えるもう一つのエンジンとなります。 経済政策と市民の行動という二輪の力がかみ合えば、環境技術の普及と地球環境の改善は加速します。しかし同時に、補助金の持続性や認証制度の信頼性、消費者行動の継続性といった課題も残されています。本講演では、こうした期待と課題の両面から、経済がいかに科学技術と社会をつなぎ、持続可能な未来を支えるかを考えます。

『SDGsの観点で植物工場を考える』上原 淳 氏

日本にいるとピンと来ないかもしれませんが、今世界は食料危機に直面しています。 かつて古代人類が狩猟採集生活を行っていた間は、食料について心配することはありませんでしたが、紀元前3千年代、メソポタミアの地でシュメール人が世界最古の農耕文明を誕生させた頃から、その状況は一変します。農業の発展によって人口は増加し、その人口増加を支えるためにさらなる農業の進化が必要になるという、両者の競争から人類が逃れることはできなくなりました。実際にシュメール文明は持続可能な農業を営むことが出来ず、直ぐに滅びてしまいます。 20世紀に入り、人口が爆発的に増加してゆく中、人類は品種改良、農薬・肥料の使用、大規模耕作などの農業の数々の発展によってなんとか人口を維持しております。その一方でこれら近代農業のもたらす環境影響は大きく、世界人口が100億人に近づいている現代、いよいよ地球の環境保持力が限界に来ています。人類が生き延びるためには環境負荷の低減と食料増産を両立させる持続可能かつ革新的な農業の実現が必須と言われております。 今回のシンポジウムでは、持続可能な農業技術として期待されている「植物工場」について、千葉県で首都圏最大規模の植物工場を実際に運営している経験から、SDGsの観点で解説を試みます。植物工場に今後どのような発展が期待できるかについても、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

『SDGsに貢献する水素の利活用(製造、運搬、利用)』今川 健一 氏

講演要旨は追って公開します。

『月太陽発電「ルナリング」構想と月面建設技術』鵜山 尚大 氏

月赤道上に並べられた太陽電池 ①月太陽電池 ②送電ケーブル ③マイクロ波送電アンテナ ④レーザー光送光施設 ⑤月赤道上輸送ルート ⑥自走式太陽電池生産プラント 出典:清水建設株式会社HP(https://www.shimz.co.jp/topics/dream/content02/)掲載許可取得済み

再び人類を月面に送ることを目指すアルテミス計画を掲げる米国と、初の有人探査を目指す嫦娥計画を掲げる中国の争いにより、地球から一番近い天体である月に、将来的に拠点が出来上がり、月での活動が本格化する未来が近づいている。一方で、この動きをビジネスチャンスととらえる民間の動きも活発化している。月面着陸による輸送サービス実現を目指す日本の宇宙ベンチャー企業や、月面での拠点建設に向けた研究開発を進める企業なども出てきており、日本の技術で世界をリードしようという動きが活発化している。 清水建設は1987年から宇宙開発に向けた研究開発をスタートし、40年近く研究開発を続けてきた歴史を持つ。特にこれまでの宇宙開発の中心地であった軌道上とは異なり地面がある月に拠点を作るには、地上で経験が豊富な建設業界の知見が欠かせない。当社は1988年に月面基地構想、2009年に月太陽発電ルナリング構想を発表し、実現に向けた技術開発を続けてきており、月での建設技術で日本をリードしてきた。 本講演では月太陽発電ルナリングの紹介をしたのち、実現に向けた清水建設の月面建設技術開発について紹介する。ルナリングの原理やルナリングが導く未来社会を説明し、その実現に欠かせない建設技術のうち、月の砂「レゴリス」を模擬したシミュラントや、それを用いた掘削や資源利用の研究開発、人が住むための居住空間構築の研究開発などを紹介する。

プロフィール

大沼あゆみ
慶應義塾大学 経済学部 教授
上原淳 氏
上原淳 氏
Jリーフ株式会社 代表取締役社長
今川健一 氏
千代田化工建設株式会社 研究開発センター R&Dエネルギー・環境セクション SL代行
鵜山尚大 氏
鵜山尚大 氏
清水建設株式会社 フロンティア開発室 宇宙開発部 研究開発グループ

センター主催のシンポジウム・講演会について

当センターの活動の一環として、シンポジウム・講演会を年3〜4回程度開催しています。その目的は、多分野にまたがる自然科学の相互理解を深め、研究の推進と教育の質の向上を図ることにあります。参加費は無料です。特に指定のない場合、聴講の対象に制限はなく、事前申込は不要です。ただし、取材の場合は事前に許可を取って下さい。

天災・交通事情など予期せぬ事態により変更・中止となる場合がございます。
その場合、本ウェブサイトで告知しますので、事前にご確認下さい。

問合せ先:慶應義塾大学 自然科学研究教育センター 事務局 (日吉キャンパス来往舎内)
〒223-8521 横浜市港北区日吉 4-1-1
office@sci.keio.ac.jp

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