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JP5481611B2 - 高温水蒸気電解セル - Google Patents

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Description

本発明は、高温水蒸気電解によって水素および酸素を発生する高温水蒸気電解セルに関する。
高温水蒸気電解とは、高温の水蒸気(水)を電気分解することにより、水素(H)と酸素(O)を生成する技術である。高温水蒸気電解には高温水蒸気電解セルが用いられており、かかる高温水蒸気電解セルは電解質材料からなる基体の両側に水素極および酸素極が設けられている。高温水蒸気電解セルの水素極では、水蒸気を電解反応により水素分子と酸化物イオンに分解する。生成した酸化物イオンは基体を通過し、酸素極に到達する。そして、酸素極において酸化物イオンは電子が脱離され、酸素分子となる。
上記のように高温の水蒸気を用いた電気分解では、水の電気分解に比べて低い電解電圧で電解反応を行うことができる(水の場合は25℃の理論値で1.23V程度、実際には2V程度、高温の水蒸気では900℃の理論値で0.9V程度、実際には1.2V程度)。したがって、電力の消費量を削減し、低コストかつ高効率で水素および酸素を生成することが可能となる。以前は電極の性能の関係もあって、高温水蒸気電解セルの作動温度は1000℃程度必要であった。
ところで、上記の高温水蒸気電解セルの基体には、酸化物イオン導電性を有する電解質であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が多く用いられている。また、酸素極には、以前はランタン・ストロンチウム・マンガン酸化物が用いられていたが、イオン伝導性および電子伝導性(導電性)の高いランタン・ストロンチウム・コバルト酸化物(LSC)が多く用いられるようになってきている。しかしながら、LSC(酸素極)はYSZ電解質(基体)よりも熱膨張係数が大きいため、高温水蒸気電解セルの熱膨張により剥離しやすいという問題があった。
かかる問題を改善するために、例えば特許文献1には、LSCの代替として、YSZ電解質に熱膨張係数が近いランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄酸化物(LSCF)を用い、YSZ電解質とLSFCとの間にサマリアドープセリア(SDC)の中間層を設ける技術が開示されている。
特開2006−283103号公報
特許文献1に記載の技術によって、熱膨張による酸素極のYSZ電解質(基体)からの剥離の問題は改善することが可能であった。しかし、LSCFはLSCよりもイオン伝導性が低いため損失が大きくなり、電解反応において高い電解電圧が必要となってしまう。したがって、水素製造効率が低下し、コストが増大してしまう。
また、近年環境への負荷低減の観点から燃料電池の開発が加速しているため、燃料電池の燃料となる水素製造の低コスト化が望まれている。水素製造を低コスト化するためには、電解電圧を低下させることにより電力の消費量を低減する必要がある。したがって、低電解電圧においても高効率で水素を製造するためには、高温水蒸気電解セルの性能向上が必須である。
本発明は、このような課題に鑑み、熱膨張による耐剥離性に優れ、低電解電圧においても高効率な電解反応を実現し、低コストで水素を製造することが可能な高温水蒸気電解セルを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、発明者らが鋭意検討したところ、高温水蒸気電解セルの酸素極の性能向上に着目した。そして、LSCFとSDCを混ぜ合わせた層を作ることにより、LSCFのイオン伝導性を向上させられることを見出した。しかし、LSCFとSDCを混合させると電子伝導性が低く(電気抵抗すなわちオーム抵抗が高く)なってしまい、電気分解の所要電圧(ひいては電力)が増大してしまう結果となった。そこでさらに、酸素極をイオン伝導性の高い層と電子伝導性の高い層を含む複層構造とし、それぞれの層の厚さや組成を制御することにより、酸素極で発生した気体(酸素)の拡散速度を上げると同時に電気分解の所要電圧を下げることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明にかかる高温水蒸気電解セルの代表的な構成は、水蒸気を電気分解して水素および酸化物イオンを発生させる水素極と、酸化物イオンから酸素を発生させる多孔質の酸素極と、水素極と酸素極との間に配置され酸化物イオンを透過させる電解質からなる基体と、基体と酸素極との間に配置されたセリウム系複合酸化物からなる中間層とを備え、酸素極は、基体側から、電子―イオン混合伝導性酸化物とセリウム系複合酸化物の混合物からなる触媒層と、電子―イオン混合伝導性酸化物からなる集電層と、をこの順に含む複層構造であり、電子―イオン混合伝導性酸化物の組成がLSC、LSCF、LaMnO のいずれかであって、触媒層の厚みをα、集電層の厚みをβとしたとき、α>βであることを特徴とする。
上記の触媒層が、電子伝導性が高い電子―イオン混合伝導性酸化物とイオン伝導性が高いセリウム系複合酸化物とで構成されるため、触媒層は高い電子伝導性およびイオン伝導性を備えることができる。したがって、触媒層における酸化物イオンの有効反応領域を拡大することが可能である。特に、触媒層が基体側にあることから酸化物イオンを効率よく基体から引き出し、効率よく酸素分子にすることができる。そして、触媒層に電気的に良く密着した集電層では、触媒層の反応で生じた電子と酸素分子を効率よく外部に移動させることにより、酸素極の性能を向上させることができる。
また、酸素極の構成として、触媒層の厚みに対して集電層の厚みを薄くしている。触媒層は酸化物イオンの伝導性がよいために酸化物イオンの有効反応領域となるためであり、集電層はその表面に設けられる導電体(インターコネクターまたはセパレータ)に対する電気的密着性を向上させられれば充分だからである。上記の構成により、酸素極において酸化物イオンの電子を効率よく脱離し、酸化物イオンを酸素にすることが可能である。
なお酸素極と基体との間にセリウム系複合酸化物からなる中間層を備えていることにより、酸素極と基体との固相反応を抑制することができる。したがって、固相反応による基体の劣化を防止し、高温水蒸気電解セルの寿命を長期化することが可能である。
また、上記のセリウム系複合酸化物はイオン伝導性に優れているため、酸化物イオンの基体から酸素極への移動を促進することが可能である。したがって、高温水蒸気電解セルの性能を向上することができる。さらには、触媒層に混合されるセリウム系複合酸化物と同じ成分とすることにより熱膨張係数を近づけることができ、中間層と酸素極との熱膨張による剥離応力を軽減することができる。
上記の電子―イオン混合伝導性酸化物の組成がABCDOであるとき、AおよびBは、La、Pr、Sr、Caからなる群から選択され、CおよびDは、Mn、Co、Ni、Ce、Feからなる群から選択され、Oは酸素であって、Xは1以上の正の数であるとよい。
上記の群から選択された物質で構成する電子―イオン混合伝導性酸化物は、熱膨張係数が基体の熱膨張係数に近い。したがって、酸素極の熱膨張による基体からの剥離を改善することができる。また、上記の電子―イオン混合伝導性酸化物は電子伝導性に優れるため、集電力が高い。したがって、酸化物イオンからの電子の脱離を効率的に行うことが可能である。
上記の基体は、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアからなる電解質であるとよい。
安定化ジルコニアはイオン伝導性に優れている。したがって、かかる基体に安定化ジルコニアからなる電解質を用いることにより、水素極で発生した酸化物イオンを酸素極に効率よく通過させることが可能となる。また、部分安定化ジルコニアは安定化ジルコニアよりもイオン伝導性は低いが、機械的強度に優れている。したがって、緻密な薄膜が形成できれば、使用することが可能になる。
以上説明したように本発明によれば、熱膨張による耐剥離性に優れ、低電解電圧においても高効率な電解反応を実現し、低コストで水素を製造することが可能な高温水蒸気電解セルを提供することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかる高温水蒸気電解セルの概略を説明する図である。図1(a)は、高温水蒸気電解セルの反応を説明する図であり、かかる高温水蒸気電解セルにおいては、酸素極では酸素が発生する。図1(b)は、高温水蒸気電解セルを逆作動させた固体酸化物形燃料電池の反応を説明する図である。かかる固体酸化物形燃料電池においては、酸素極では酸素が還元される。以下、高温水蒸気電解セルを「セル」と称する。図1(a)に示すように、セル100は、水素極110と、基体120と、酸素極130と、中間層140と、電源150とから構成される。
水素極110は、水蒸気(HO)を電源150から供給される電力によって電気分解し、水素と酸化物イオンに分解する。水素極110の構成としては、後述する酸素極130と同じ材料および構造を好適に用いることができる。また水素極110の他の構成としては、多孔質Ptや、セリウム系複合酸化物も好適に用いることができる。セリウム系複合酸化物は、金属触媒を担持(含有)させることにより、水素極110の反応活性を向上させることができる。
基体120は、水素極110と酸素極130とを隔離する。かかる基体120は、酸化物イオンを透過させる電解質で構成される。本実施形態においては、電解質として安定化ジルコニアであるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)を用いたが、イットリア(Y)の代替としてスカンジア(Sc3)を用いることも可能である。安定化ジルコニアはイオン伝導性が高いため、水素極110で発生した酸化物イオンを酸素極130に効率よく通過させることが可能となる。
酸素極130は、水素極110において発生し、基体120を通過して到達した酸化物イオンから電子を脱離し、気体の酸素分子を生成する。かかる酸素極130についての詳細は後述する。
中間層140は、水素極110と基体120との間、および酸素極130と基体120との間に介在する。これにより、酸素極130と基体120との固相反応を抑制し、基体120の劣化を防止することが可能である。中間層140にはセリウム系複合酸化物を好適に用いることができる。セリウム系複合酸化物はイオン伝導性に優れているため、酸化物イオンの基体120から酸素極130への移動を促進することが可能である。
なお、本実施形態においては、セリウム系複合酸化物としてサマリアドープセリア(SDC)を用いているが、サマリウムをガドリニウムで代替したGDCも好適に用いることができる。
電源150は、負極が水素極110(厳密には、水素極110に接する導電体であるセパレータ)に、正極が酸素極130(厳密には、酸素極130に接する導電体であるセパレータ)に接続されており、水素極110での水蒸気の電解反応に必要な電力を供給する。
上記説明したように、セル100は電源150から供給される電力によって、水素極110において水蒸気を電気分解して水素ガスおよび酸化物イオンを生成し、基体120を通過した酸化物イオンの電子を酸素極130において脱離させることによって、酸素極130では酸素ガスを生成する。このときの酸素極130の特性(性能)をアノード特性という。
上述したセル100は、反応方向(電流の向き)を変更することにより、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)としても機能する。以下、固体酸化物形燃料電池を「SOFC」と称する。図1(b)に示すように、SOFC102として機能する場合には、負荷160を備える。SOFC102は、酸素極130において酸素を還元して酸化物イオンとし、基体120を通過した酸化物イオンを、水素極110において燃料である水素と反応させることによって発電を行う。このときの酸素極130の特性(性能)をカソード特性という。
図2は、本実施形態にかかる酸素極の概略を説明する図である。図2に示すように、酸素極130は、基体120側に配置された触媒層132と、表層側に配置された集電層134とから構成される複層構造である。さらに、本実施形態においては、セル100はセパレータ170を備えている。なお、本実施形態においては、セル100が中間層140を備えているため、触媒層132および集電層134は、実質的には中間層140上に備えられているが、これに限定されるものではない。
触媒層(CL:Catalyst Layer)132は高いイオン伝導性と高い電子伝導性を兼ね備えることを目的とした層であり、電子伝導性が高い電子―イオン混合伝導性酸化物と、イオン伝導性が高いセリウム系複合酸化物の混合物から構成される。これにより、触媒層132は高い電子伝導性およびイオン伝導性を備えるため、酸化物イオンの有効反応領域を拡大することが可能である。
集電層(CCL:Current Collecting Layer)134は高い電子伝導性(導電性)と酸素ガスの高い拡散性を目的とした層であり、多孔質の電子―イオン混合伝導性酸化物から構成される。これにより、集電層134は、酸化物イオンから脱離された電子を高効率で集電することができる。触媒層132と集電層134に用いる電子―イオン混合伝導性酸化物は、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
上記の電子―イオン混合伝導性酸化物として、その組成をABCDOとしたとき、AおよびBは、La、Pr、Sr、Caからなる群から選択され、CおよびDは、Mn、Co、Ni、Ce、Feからなる群から選択され、Xは、1以上の正の数である物質を好適に用いることが可能である。具体例としては、AがLa、BがSr、CがCo、DもCo、Xが3であるLa1−ySrCoO(ランタン・ストロンチウム・コバルト酸化物:LSC、0≦y≦1)、上記のDをFeに置き換えたLa1−ySrCo1−zFe(ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄酸化物:LSCF、0≦y≦1、0≦z≦1)や、AおよびBがLa、CおよびDがMn、Xが3であるLaMnO(ランタン・マンガン・鉄酸化物)などが挙げられる。
特に電子―イオン混合伝導性酸化物としては、ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄酸化物(LSCF)を好適に用いることができる。LSCFは、熱膨張係数が基体120の熱膨張係数に近いため、熱膨張による酸素極130の基体120からの剥離を改善することができる。またLSCFは電子伝導性が高い。したがって、集電力に優れ、酸化物イオンからの電子の脱離を効率的に行うことが可能である。
上記のセリウム系複合酸化物として、本実施形態ではサマリアドープセリア(SDC)を用いている。かかるセリウム系複合酸化物には、SDCの他に、サマリウム(Sm)をガドリニウム(Gd)で代替したGDCも好適に用いることができる。セリウム系複合酸化物はイオン伝導性が高いため、酸化物イオンの酸素極130での移動を促進することが可能である。
なお、上記の触媒層132の厚みをα、集電層134の厚みをβとしたとき、α>βであることが好ましい。すなわち、酸素極130の構成としては、触媒層132の厚みに対して集電層134の厚みを薄くすることが好ましい。触媒層132は酸化物イオンの伝導性がよいために酸化物イオンの有効反応領域となるためであり、集電層134はその表面に設けられる導電体(後述するセパレータ170)に対する電気的密着性を向上させられれば充分だからである。これにより、触媒層132において酸化物イオンから効率よく電子を脱離し、集電層134によって電子を高効率で集電することが可能となる。その結果、酸素極130の反応効率を向上することが可能である。
セパレータ170は、集電層134から電源150へと電気的に接続する導電体として機能する。すなわち集電層134は、触媒層132とセパレータ170との電気的密着性を向上させるために設けられている。セパレータ170は、当該セルを複数積み重ねた際の隔壁としても機能するため、電子伝導性を備え、かつ酸素または水素を透過させない気密性を備えていればよい。具体例としては、CrFeNi等の耐熱合金や、LaCrO等のセラミックを好適に用いることができる。これにより、複数積み重ねられたセルのうち、一方のセルの酸素極130から発生した酸素の、他方のセルの水素極110への侵入を防止することができる。
上述した如く、本実施形態におけるセルは、酸素極130の反応効率が優れているため、酸素極130において酸化物イオンの電子を効率よく脱離できる。したがって、低電解電圧においても高効率で水素を製造することが可能となり、電気分解の消費電力を低下させられるため、水素製造のコストを削減できる。
次に、実験値を用いて、本実施形態にかかる酸素極130の作用について説明する。なお、上記説明した如く、アノード特性とは、高温の水蒸気(水)を電気分解するセル100における酸素極130の特性(性能)であり、カソード特性とは、水素を燃料として発電を行うSOFC102における酸素極130の特性(性能)であるが、セル100および燃料電池102は、反応の方向が異なるもののほぼ同じ構成である。したがって、理解を容易にするために、以下、セル100およびSOFC102を併せて「セル100」と称する。
セル100の基体120には、8mol%YSZ[(ZrO0.92(Y0.08]ディスク(直径13mm、厚さ1mm)を用いた。次に、LSCF[La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8]との固体反応を抑制する目的で、基体120上にSDC[(CeO0.8(SmO1.50.2]からなる中間層140(厚さ約1μm)を焼き付けた。そして、中間層140上にLSCF/LSCF−SDCをテープキャスト法により形成し、1150℃で1時間焼成することにより、本実施形態にかかる酸素極130を作製した。
本実施形態においては、酸素極130の特性のみを試験する半電池法を採用するため、水素極110には多孔質Pt対極を用いた。以下、当該水素極110を対極110と称する。また、基体120側面にPt線を巻きつけ空気参照極とした。これにより、空気とPt線/基体120(電解質)の間の平衡状態の電位である参照電位を取得することができる。以上のようにして、実験に用いるセル100を作製した。
なお、以下の半電池法測定においては、酸素極130に乾燥酸素、対極110には乾燥空気を30mL/minで供給し、カレントインタラプタ法によりオーム損を除去した分極特性(アノード特性およびカソード特性)を測定した。
まず、触媒層132におけるSDCの混合比の検討を行った。図3は、本実施形態にかかる触媒層におけるSDCの混合比と、オーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.2Vにおける電流密度およびオーム抵抗との関係を説明する図である。図3(a)は、触媒層132におけるSDCの混合比と、オーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.2Vにおける電流密度の関係を示しており、図3(b)は、触媒層132におけるSDCの混合比と、オーム抵抗の関係を示している。ここで過電圧とは、電流がゼロのときの電位(平衡電極電位)との電位差である。
図3(a)に示すように、セル100の電流密度は、アノード特性およびカソード特性の両特性において、触媒層132のSDCの混合比が40vol.%のときに極大値に達する。また、図3(b)に示すように、セル100のオーム抵抗は、触媒層132のSDCの混合比が40vol.%を超えると急激に増大する。以上の結果から、触媒層132におけるSDCの混合比は40vol.%が好適であることが理解できる。
触媒層132におけるSDCの混合比の増加に伴い、触媒層132の酸化物イオンの伝導性が向上し、酸化物イオンの有効反応領域(イオン伝導パス)が増加する。その結果、イオン−電子−ガスの三相界面が増加し、上記の如くSDCの混合比は40vol.%において、セル100の電流密度が極大値に達したと考えられる。しかし、触媒層132におけるSDCの混合比が40vol.%を超えると、電子伝導性が低下し、三相界面が減少してしまう。したがって、セル100の電流密度が低下、およびオーム抵抗が増大すると考えられる。
次に、上記の結果を踏まえて、触媒層132のSDCの混合比を40vol.%とし、触媒層132の厚みの検討を行った。図4は、本実施形態にかかる触媒層の厚さと、交換電流密度およびオーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.2Vにおける電流密度、オーム抵抗との関係を説明する図である。図4(a)は、触媒層132の厚さと交換電流密度の関係を示しており、図4(b)は、触媒層132の厚さと、オーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.2Vにおける電流密度の関係を示しており、図4(c)は、触媒層132の厚さとオーム抵抗の関係を示している。なお、上記の測定において、集電層134の厚みは10μm一定としている。ここで、交換電流密度とは、過電圧の絶対値|η|が0Vのとき(平衡状態にあるとき)の電流密度であり、電極の固有活性の尺度である。
図4(a)に示すように、アノード特性およびカソード特性の両特性において、過電圧の絶対値|η|=0V(低過電圧)のとき、交換電流密度は、触媒層132の厚みが約30μmのときに極大値に達する。また、図4(b)に示すように、過電圧の絶対値|η|=0.2Vの電流密度においても、触媒層132の厚みが約30μmのときに極大値に達する。更に、図4(c)に示すように、セル100のオーム抵抗は、触媒層132の厚みが約30μmのときに極小値となっている。
上記の結果から、厚みが約30μmに到るまでは、触媒層132の厚みの増加に伴って交換電流密度が急激に増加しており、酸素極130の反応効率が向上することがわかる。これは、酸素極130の有効反応領域が増加するためと考えられる。しかし、厚みが約30μmよりも増加すると、交換電流密度が低下すると同時に、オーム抵抗が高くなってしまっている。これは、触媒層132において電子が脱離した酸化物イオン、すなわち気体の酸素が拡散しにくくなり、酸素極130におけるガス拡散速度が低下してしまうためと考えられる。また、基体120および触媒層132間の酸化物イオンの移動効率、並びに、触媒層132および集電層134の間の電子の移動効率が低下してしまっていることも考えられる。したがって、酸素の拡散速度、および電子伝導性、イオン伝導性を向上し、有効反応領域を最も拡大するためには、触媒層132の厚みは30μmが好適であることが理解できる。
上記の結果を踏まえ、触媒層132の厚みを30μm一定とし、集電層134の厚みの検討を行った。図5は、本実施形態にかかる集電層の厚さと、交換電流密度および過電圧の絶対値|η|=0.1Vの電流密度、オーム抵抗との関係を説明する図である。図5(a)は、集電層134の厚さと交換電流密度の関係を示しており、図5(b)は、集電層134の厚さと、オーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.1Vにおける電流密度の関係を示しており、図5(c)は、集電層134の厚さとオーム抵抗の関係を示している。
図5(a)に示すように、アノード特性およびカソード特性の両特性において、交換電流密度は集電層134の厚みが約10μmのときに極大値に達する。また、図5(b)に示すように、過電圧の絶対値|η|=0.1Vの電流密度においても、集電層134の厚みが約10μmのときに極大値に達する。更に、図5(c)に示すように、セル100のオーム抵抗は、集電層134の厚みが約10μmのときに極小値となっている。
したがって、集電層134の厚みは10μmが好適であることがわかる。これは、集電層134が厚くなりすぎると、触媒層132からセパレータ170への電子伝導性が低下するためであると考えられる。また、上述の如く、触媒層132の厚みは30μm、集電層134の厚みは10μmが好適であることから、触媒層132の厚みをα、集電層134の厚みをβとしたとき、α>βであるとよいことが理解できる。
以上の結果から、本実施形態にかかる酸素極130の好適な実施条件を決定した。以下に、実施例および比較例を用いて、本発明の有効性を説明する。
図6は、実施例および比較例における電流密度と過電圧との関係を説明する図である。図6(a)はセルの作動温度900℃、図6(b)はセルの作動温度800℃、図6(c)はセルの作動温度700℃、における実施例および比較例における電流密度と過電圧との関係を示している。
なお、実施例とは、上記に説明した、酸素極130がLSCF−SDCを用いた触媒層132、およびLSCFを用いた集電層134からなる複層構造のセル100である。比較例1とは、酸素極130がLSCFのみを用いた単層構造のセル100であり、比較例2とは、酸素極130がLSCF−SDCを用いた単層構造のセル100である。
図6(a)および(b)、(c)に示すように、いずれの温度、またアノード特性およびカソード特性の両特性において、実施例は、比較例1および2よりも作動時の過電圧が低い。したがって、酸素極130が複層構造である実施例は、酸素極130の反応効率が優れており、電気分解の所要電圧を下げることができる。その結果、低電解電圧においても高効率な電解反応を実現し、低コストで水素を製造することが可能となる。
また、上述の如く電解反応の効率が向上することにより、セル100の作動温度を低温化することも可能となる。これにより、セパレータ170等のセル100を構成する部材に耐熱合金使用することができるため、セル100のコストを低減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態においては酸素極を複層構造として説明したが、水素極も同じ構造とすることができ、さらに高効率に水素を製造することができる。また水蒸気の電気分解に限らず、反応方向を逆転して水素と酸素とから水を生成しつつ電流を取り出すことにより、高効率の燃料電池とすることもできる。
本発明は、高温水蒸気電解によって水素および酸素を発生する高温水蒸気電解セルに利用することができる。
本実施形態にかかる高温水蒸気電解セルの概略を説明する図である。 本実施形態にかかる酸素極の概略を説明する図である。 本実施形態にかかる触媒層におけるSDCの混合比と、オーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.2Vにおける電流密度およびオーム抵抗との関係を説明する図である。 本実施形態にかかる触媒層の厚さと、交換電流密度およびオーム損を除去した過電圧の絶対値|η|=0.2Vにおける電流密度、オーム抵抗との関係を説明する図である。 本実施形態にかかる集電層の厚さと、交換電流密度および過電圧の絶対値|η|=0.1Vの電流密度、オーム抵抗との関係を説明する図である。 実施例および比較例における電流密度と過電圧との関係を説明する図である。
符号の説明
100…セル、102…SOFC、110…水素極(対極)、120…基体、130…酸素極、132…触媒層、134…集電層、140…中間層、150…電源
160…負荷、170…セパレータ

Claims (2)

  1. 水蒸気を電気分解して水素および酸化物イオンを発生させる水素極と、
    前記酸化物イオンから酸素を発生させる多孔質の酸素極と、
    前記水素極と前記酸素極との間に配置され前記酸化物イオンを透過させる電解質からなる基体と、
    前記基体と酸素極との間に配置されたセリウム系複合酸化物からなる中間層とを備え、
    前記酸素極は、前記基体側から、
    電子―イオン混合伝導性酸化物とセリウム系複合酸化物の混合物からなる触媒層と、
    電子―イオン混合伝導性酸化物からなる集電層と、
    をこの順に含む複層構造であり、
    前記電子―イオン混合伝導性酸化物の組成がLSC、LSCF、LaMnO のいずれかであって、
    前記触媒層の厚みをα、前記集電層の厚みをβとしたとき、α>βであることを特徴とする高温水蒸気電解セル。
  2. 前記基体は、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアからなる電解質であることを特徴とする請求項1に記載の高温水蒸気電解セル。
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