ヴェネツィアから中国まで歩いて旅行するイタリア人女性 マルコ・ポーロをリスペクト
イタリア人旅行家のヴィエナ・カンマロータ (Vienna Cammarota) さんは2022年4月、偉大な冒険家であるマルコ・ポーロの故郷・ヴェネツィアを出発し、2万2000キロにわたる徒歩の旅をスタートさせた。そして約2年4ヶ月後の今年8月29日、ついに中国の地に足を踏み入れた。
2年以上の旅の途中で、バックパックを背負い、2本のトレッキングポールを手に歩いたヴィエナさんは、クロアチアやトルコ、キルギスを含む約10ヶ国を通過した。
ヴィエナさんは今年8月29日、新疆維吾爾(ウイグル)自治区の伊爾克什坦(イルケシタム)国境検問所から中国に入国。現地の人々から熱烈な歓迎を受けた。
1949年生まれのヴィエナさんは、冒険心と文化的使命感を胸に抱いた徒歩旅行家で、2000年からマルコ・ポーロの旅行記「東方見聞録」を読み始め、シルクロードを歩いて、マルコ・ポーロへのリスペクトを表現するという情熱を燃やし始めた。
ヴィエナさんは、「マルコ・ポーロは中国で17年間生活した。『東方見聞録』で、彼は中国について詳しく描写しており、西洋人が東洋の国である中国の魅力について初めて理解するきっかけとなった。マルコ・ポーロの足取りに沿って、さらに近代化した中国を見たいと思った」と話す。
中国に入国してヴィエナさんがまず訪れたのは喀什(カシュガル)だった。喀什古城景勝地を歩いたヴィエナさんは、現地の民俗的情緒や多種多彩な文化アート、独特な建築スタイルに魅了されたという。
ヴィエナさんはそこで、ある100年の歴史を誇る茶館で地元の人と一緒に茶文化を学んだり、現地の伝統的な主食であるナンを作る店で、その作り方を学んだりして、数日かけて現地の文化をじっくりと楽しんだ。
新疆維吾爾(ウイグル)自治区で、銅器作りを体験するヴィエナ・カンマロータさん。
旅の途中で、ヴィエナさんは、見聞したことを、「東方見聞録」に記されていた内容と細かく比較することを習慣にしていたのだという。「そこには喀什の近くに、広大な綿花畑があると記載されていた」と話すヴィエナさんは、阿克蘇(アクス)に向かう道で、秋の収穫期を迎えている広大な綿花畑を一望し、大喜びした。
ヴィエナさんは、「マルコ・ポーロは、『イル・ミリオーネ』と呼ばれている。『東方見聞録』に記載されている非常に豊かな東洋の世界には、膨大な量の金や銀、財宝、シルク、田畑などが描かれており、当時の多くの人はとても不思議に感じていた。でも、中国に来て、それは大げさな描写ではないと思うようになった」と話す。
新疆維吾爾(ウイグル)自治区喀什の茶館でヨーグルトを味わうヴィエナ・カンマロータさん。
旅の途中で、ヴィエナさんは、新時代において「古代シルクロード」が再び輝きを取り戻しているのを目にした。徒歩旅行家であるヴィエナさんは、道路や橋に特に注目しており、クロアチアのペリェシャツ橋が特に印象深かったという。
それは、中国企業が建設に参加したプロジェクトで、現地の経済発展を促進しているだけでなく、中国と海外の絆、協力の印でもある。
現地の人々に歓迎されるヴィエナ・カンマロータさん。
ヴィエナさんはここ約2年、旅で経験したことをソーシャルメディアに投稿してきた。そして、世界各地のネットユーザーがそれに注目し、「いいね!」を押したり、コメントを寄せたりして、一緒に旅を楽しんでいる。
「自分が見たリアルな中国を、海外のソーシャルメディアを通して、欧州のネットユーザーに伝えたい」とずっと願っていたヴィエナさんは、「イタリアを含む、欧州諸国のメディアが報道している中国と、実際に私が見た中国は全然違った。そのため、リアルな中国を紹介して、一人でも多くの人に、中国の歴史や文化をもっと詳しく知ってもらうというのは、私の責任だと感じている」と話す。
今回、欧州から中国まで来たヴィエナさんがずっと背負っている約20キロのバックパックには、寒さや暑さをしのげる衣類やソーラー充電器、方位磁石などしか入っておらず、荷物はできるだけ少なくするというのが原則なのだという。
ヴィエナさんはこれから、引き続きマルコ・ポーロの足取りに沿って、新疆のほか、甘粛省、陝西省、福建省、広東省広州市など17省・市の30都市以上を巡り、最終的に北京を目指すという。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年9月23日
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